《借りる》の敬語
「借りる」の敬語表現
敬語表現には丁寧語、尊敬語、謙譲語があり、相手や状況によって使い分ける必要があります。「借りる」の丁寧語は「借ります」で、「このボールペンを借ります」のように親しい間柄や目下の人に対して使える敬語表現です。「借りる」の尊敬語は「借りられる」、「お借りになる」などで、目上の人の動作に敬意を払った敬語表現となります。「部長は空港でレンタカーをお借りになり現地に向かわれたそうです」などの使い方ができます。「借りる」の謙譲語は「お借りする」、「借りさせていただく」などで、へりくだり相手を高める敬語表現です。目上の人に対して、「そちらの店舗から、販売経験者を2名ほどお借りしたく存じます」のように使うことができます。「借りる」の敬語の最上級の表現
敬語の最上級の表現は、謙譲語+丁寧語の表現となります。そのため、「借りる」においては、謙譲語の「お」+「借りる」+丁寧語の「いたす」から成る「お借りいたす」が最上級の敬語表現となります。さらに丁寧度を高めるために、「幸いです」や「存じます」、「幸甚に存じます」などを語尾につけて「お借りただけますと幸いです」や「お借りいただきたく存じます」と表現することも可能です。「借りる」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスメールは口語表現よりも丁寧な表現にするのがマナーであるため、「お借りいただけますか」ではなく「お借りいただきたく存じます」のような表現を使うのが適切です。メール例文
・お世話になっております。ご依頼いただいたサンプル品ですが、手元に持ち合わせておりません。お手数をおかけしますが、別の方にお借りいただけると幸甚に存じます。何卒宜しくお願いいたします。
・平素より大変お世話になっております。昨日は、貴重なお時間を拝借させていただき誠にありがとうございました。これからも、引き続きよろしくお願いいたします。
「借りる」を上司に伝える際の敬語表現
親しい間柄の上司であれば、「○○さんのデスクを借ります」のように丁寧語表現で問題はありません。もしくは、「○○さんのデスクをお借りします」のように、謙譲語表現を使うこともできます。親しい間柄では、あまりに丁寧すぎる敬語表現を使うと相手にバツの悪い思いをさせることもあるため、フランクな敬語表現を使うのが適切です。立場の高い上司に対しては、「お借りする」や「拝借する」という表現を使うのが適切です。「部長のお知恵をお借りできますでしょうか」や、「社長のお時間を少し拝借してもよろしいでしょうか」などと表現できます。「借りる」の敬語での誤用表現・注意事項
「借りる」の敬語表現で気を付けるべきは二重敬語です。「お借りさせていただく」という表現は丁寧な敬語として使われることがありますが、一つの文章に「お」と「させていただく」という2つの謙譲語が含まれているため二重敬語となります。一般的に使われているため受け入れられることも多いですが、言葉遣いに厳しい人には「礼儀を知らない」と思われることもあるので気を付けましょう。「借りさせていただく」が適切な表現です。同様に誤用されやすいのが、「借りる」の敬語の言い換え表現の「拝借する」です。「拝」がついており「拝借」自体が謙譲語であるため、「社長から書類をご拝借しました」という表現は間違いとなります。「ご」をつけて無駄に丁寧な表現にする必要はなく、「社長から書類を拝借しました」と表現するのが適切です。また、「社長が拝借くださった」などの表現を聞くこともまれにありますが、謙譲語はへりくだった表現であるため目上の人の動作に対して使うのは厳禁です。「社長から○○を拝借しました」と、自分が主語になる表現をするのが正解です。
そのほか、「拝借する」という敬語表現は誤解を生みやすい意味合いがあるため使い方には注意が必要です。「歓送迎会のために部の積立金からお金を拝借しました」という表現は、お金を盗んだというニュアンスに聞こえてしまうこともあります。誤解を与えないように、「歓送迎会のために部の積立金からお金をお借りしました」と表現するのが適切です。特にお金がからむ場合は、借りたという事実をはっきり明言することが重要になります。
「借りる」の敬語での言い換え表現
お借りしますお借りいたす
お借りいたします
お借りしたく存じます
借りさせていただきます
お借りいただければ幸いです
お借りいただければ幸甚に存じます
お借りいただけますと幸いです
お借りいただけましたら幸いです
お借りいただけますと幸甚に存じます
お借りいただけましたら幸甚でございます
お借りいただけましたら幸甚に存じます
拝借する
拝借したく存じます
拝借いただければ幸甚に存じます
拝借いただけますと幸いです
拝借いただけましたら幸いです
拝借いただけますと幸甚に存じます
拝借いただけましたら幸甚でございます
拝借いただけましたら幸甚に存じます
お貸しいただく
お貸しいただきたく存じます
お貸しいただけますと幸いです
お貸しいただけましたら幸いです
お貸しいただけますと幸甚に存じます
お貸しいただけましたら幸甚でございます
お貸しいただけましたら幸甚に存じます
《借りる》の敬語
借りるの敬語表現
「借りる」の敬語は、基本的に「借りる」に「お~なる」や「られる」を付けて表現します。尊敬語は「お借りになる」「借りられる」となり、謙譲語は「お借りする」や「拝借する」となります。丁寧語は語尾に「ます」を付けて「借ります」と表します。借りるの主語にあたる人が目上の人であるなど、敬意を払う必要がある場合、尊敬語の「お借りになる」や「借りられる」を使用します。どちらを使用しても誤用ではありませんが、「借りられる」は「借りる」の尊敬語であるとともに、「借りることができる」といった、可能や助動詞の受け身を表す言葉でもあります。使い方によっては誤解されてしまう可能性もありますので、注意が必要です。自分が何かを借りる場合、自分をへりくだらせ、相手を高める謙譲語を使います。「お~する」を付けた「お借りする」や、漢字自体が敬意を表す意味を持つ「拝」を使った「拝借する」が使われます。丁寧語としての「借りる」は、語尾に「ます」を付けた「借ります」になります。相手を問わず、丁寧な言い方として使うときに使われる言葉ですので、上下関係がはっきりしている相手であったり、目上の人が相手であったりする場合には、丁寧語ではなく、場面にふさわしい敬語表現を使うようにしたほうが良いでしょう。借りるの敬語での誤用表現・注意事項
「借りる」の敬語表現の誤用として、尊敬語と謙譲語の使い分けを誤用してしまうパターンが挙げられます。「借りる」という言葉は、「お~する」や「お~なる」を付けるだけで敬語表現に出来てしまうため、使い分けには注意が必要です。また、自分が主語になっているのか、相手が主語になっているのかによって、使う敬語表現が異なりますので、こちらも注意が必要です。「部長がお借りになる」のであって、「部長からお借りになる」は誤用です。気をつけて使うようにしましょう。「借りられる」の表現にも注意が必要です。「部長が借りられる」は誤用ではありませんが、これだけでは、「部長が何かを借りた」のか、「部長が何かを借りることができた」のかの区別がつかず、誤解につながってしまう恐れがあります。使い方は間違っていないのに、情報不足で誤解を与えてしまうことがないように、使う際には注意が必要です。「拝借する」という言葉も注意が必要です。「拝借」の「拝」の字には既に相手を敬う意味がありますので、「拝借する」で謙譲語として使うことができます。さらに丁寧にしようと「ご拝借」などの言い回しをすると、誤用になってしまうため、注意しましょう。借りるの敬語での言い換え表現
・借ります・お借りします・お借りになる・借りられる・お借りする・拝借する- 《借りる》の敬語のページへのリンク