回航の実施へとは? わかりやすく解説

回航の実施へ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 16:38 UTC 版)

辰悦丸 (復元北前船)」の記事における「回航の実施へ」の解説

回航兵庫県津名郡津名町(現、淡路市)の津名港出港地とし、瀬戸内海から関門海峡通過して日本海北上する航路北海道檜山郡江差町江差港までの各寄港地下表参照)を経由し津軽海峡経由して函館市函館港寄港後、太平洋東京都東京港大井埠頭まで南下するという、本州時計回りする航海が行われた。この航海では、江差追分師匠の青坂満氏を船頭役として、ほかに寺岡社長、戎谷(えびすだに)綱平船長、NHK取材班、タグボート船員合わせて16名(うち、全行程同乗11名)で構成され船員乗船している。 辰悦丸に乗船中の船頭役以下船員が夜間の航行時、安全上の交代での見張り人員除いて就寝中に日本海高波受けて揺れる船の中で身体転がってしまう事が多く、そのため就寝時は付近帆柱などにロープ掛けて身体固定して寝たという航海中のエピソードがある。 回航における寄港地港間マイル寄港地入港出航備考29 津名 1986年 5月 4日 8:00 1986年 5月 5日 11:00 大阪 5月 5日 19:00 57日 13:00 86 丸亀 5月 8日 9:00 5月 10日 8:00 130 杵築守江湾守江港) 5月 11日 14:00 512日 17:00 88 下関 5月 13日 15:00 515日 17:00 108 浜田 5月 17日 5:50 518日 15:00 94 美保関 5月 19日 9:00 519日 18:00 現、松江市美保関町 43 鳥取(賀露) 5月 20日 13:00 521日 9:00 32 竹野兵庫5月 21日 15:30 522日 18:00 56 小浜 5月 23日 9:00 525日 7:30 35 敦賀 5月 25日 12:00 5月 26日 19:00 40 三国 5月 27日 9:00 528日 16:00 87 輪島 5月 29日 9:00 530日 17:00 73 小木佐渡島5月 31日 13:30 61日 13:00 39 新潟 6月 1日 19:00 64日 17:00 74 酒田 6月 5日 9:00 67日 8:00 54 秋田土崎秋田港6月 7日 18:00 6月 9日 10:00 47 能代 6月 9日 18:00 6月 11日 9:00 32 深浦 6月 11日 16:00 613日 18:00 81 江差 6月 14日 10:00 6月 21日 21:00 83 函館 6月 22日 10:00 6月 23日 9:00 540 東京 6月 27日 8:00 630日 13:00 * 同じ入出港年は最上段のみ記載し以降省略しています* 寄港地の名称は参考文献記載されている回航当時のもので、名称変更等されている場合備考欄記載しています 出港地の津名と各寄港地では辰悦丸の見学会が行われたほかに、次のような数々式典歓迎行事が行われた。 兵庫県津名郡津名町(現、淡路市) - 津名港 ここでは出航式典執り行われた。伊弉諾神宮から聖火採火して辰悦丸船内に搬入され文楽タコ踊りなどの伝統芸能披露された。 大阪府大阪市 - 大阪港 歓迎式典のほか、航行の安全祈願として住吉大社に船絵馬奉納された。また寄港中とその前後に、大阪港沖や港湾内にてソビエト連邦当時)などの船舶交歓している。 香川県丸亀市 - 丸亀港 入港接岸時陸上自衛隊第二混声音楽隊当時)による「こんぴら舟々ママ〕」の演奏と、市内東・西城北丸亀高校付属幼稚園児当時)及び丸亀市立西中学校生徒による団扇打ち振る歓迎が行われた。歓迎式典丸亀お城まつりの「24時間お城まつり実行委員会」により開催され、青坂満氏の江差追分丸亀民謡同好会との民謡交歓や、塩飽八幡太鼓による歓迎が行われた。また、港内航行中にすれ違ったフェリー乗船中だった修学旅行中の生徒交歓している。 大分県杵築市 - 杵築守江港) 入港時は大漁旗と竹を上げた漁船一段によって歓迎出迎えがあり、接岸後の歓迎式典として「豊の国海の祭典IN城下町杵築」が停泊地中心に大々的行われた式典には15,000人が詰めかけたと報じられている。 山口県下関市 - 下関港 入港時は消防艇による歓迎放水が行われたほか、接岸直前には花火打ち上げ行われた接岸後には下関海洋少年団による青坂満船頭役・正信江差町議会議長当時)他5名への花束贈呈の後、平家踊り下関市吹奏楽団演奏披露された。寄港中は市内シーモールパレスにて「北前船セミナー」も開催されたほか、淡路島伊弉諾神宮から採火され御神灯の火を地元亀山八幡宮奉納する神事行われた島根県浜田市 - 浜田漁港 寄港後、大歳神社浜田市長海町)への船絵馬奉納が行われ、歓迎式典として岩見神楽八岐大蛇ママ〕」や郷土芸能和太鼓演奏披露された。 島根県八束郡美保関町(現、松江市) - 美保関漁港 大漁旗上げた20隻の漁船出迎え受けて入港し接岸する岸壁には300本の歓迎の幟が立てられた。接岸後は58年ぶり(当時)に復活した地元祝賀行事の「ホーラエッチャ」や「壇尻」が繰り広げられ美保神社までの行列が行われたほか、江差追分関の五本松節の競演会が開かれた鳥取県鳥取市 - 鳥取港(賀露) 鳥取港露地区が元は賀露港呼ばれ北前船交易ゆかりの港だった事に由来して寄港で、当時西尾邑次鳥取県知事による歓迎挨拶と、因幡のかさ踊り披露、辰悦丸からの御神灯本納地元賀露神社羽合町(現、湯梨浜町)の湊神社からの祈願贈呈が行われた他に、岸壁にて海産物フェアと、羽合町(現、湯梨浜町所蔵実際に北前船使われ船道具を集めた歴史資料展が開催された。 兵庫県城崎郡竹野町(現、豊岡市) - 竹野港(竹野浜竹野漁港竹野浜漁業協同組合当時現在のなぎさ信用漁業協同組合連合会)に所属する20隻の大漁旗上げた漁船団に伴走されつつ入港し接岸までの間に打ち上げられ花火合図ウィンドサーフィンによる歓迎セーリング行われた接岸後は竹野町(現、豊岡市)の鷹野神社への御神灯及び船絵馬奉納が行われ、竹野浜砂浜特設ステージにて傘おどり・相撲甚句・青坂満船頭役による江差追分競演披露された他に、ステージ周辺丹波物産展催された。 福井県小浜市 - 小浜漁港 大漁旗上げた漁船蘇洞門巡り観光遊覧船ヨットなど10数隻の船舶市民ら2,000人の出迎え受けて入港接岸中学生によるブラスバンド演奏丁髷と裃姿の小浜藩主に扮し吹田安兵衛市長武士町人姿に扮し関係者による歓迎式典が行われ、そのまま市長下関係者と共に八幡神社男山神社)への御神灯奉納が行われた。また市内会場レセプションが行われて郷土芸能披露され、その宴席には限定商品の、北前船の絵をあしらった缶ビール振る舞われた。 福井県敦賀市 - 敦賀港 大漁旗上げた5隻の漁船歓迎され蓬莱岸壁接岸。青坂満船頭役が船絵馬持って下船時は福井県立敦賀高等学校ブラスバンド演奏集まった市民などの見物客による拍手による歓迎受けたその後式典篠原憲司敦賀青年会議所理事長栗田敦賀市助役いずれも当時)による歓迎挨拶を受け、北前船模型などを曳きながらの氣比神宮への御神灯・船絵馬奉納行列が行われた。また敦賀市文化センターにて北前船シンポジウム行われシンポジウムにおいて江差追分含めた民謡交歓なども行われた福井県坂井郡三国町(現、坂井市三国町) - 三国港福井港三国港地区歓迎式典開催され、その一環三国町消防団当時)による梯子乗り披露されたほか、社団法人三国芦原青年会議所三国町商工会共催北前船シンポジウムが行われた。また、回航中の辰悦丸は各寄港地において必ず点検行っているが、三国港寄港時において寺岡社長自らが辰悦丸を点検している様子写した写真残されている。 石川県輪島市 - 輪島港 大漁旗立てた20隻の漁船による出迎え受けて入港の後に接岸。青坂満船頭役の下船後には4歳当時の子供2名による花束贈呈が行われ、輪島まだら保存会20名による伊勢音頭を謡いながら先導によって輪島岬〔ママ〕の弁天神社歓迎式典会場移動し式典が行われた。式典では「昭和北前船 辰悦丸寄港之碑」除幕式の後、陣羽織姿で代官扮し塩安誠治北前船寄港実行委員会会長輪島商工会議所会頭による歓迎挨拶を受け、郷土芸能の「御陣乗太鼓」なども披露された。 新潟県佐渡郡小木町(現、佐渡市) - 小木港 入港時は佐渡島名物たらい舟50艘による海上パレード歓迎を受け、その後大漁旗上げた漁船パレード先導受けて接岸接岸後は寺岡社長たらい舟みこしに乗せて歓迎が行われた。歓迎式典小木町当時主導結成され北前船回航計画小木町実行委員会主催行われ歓迎式典江差小木芸能大会サザエ祭りなどといったイベントが行われた。 新潟県新潟市 - 新潟港 入港時は消防艇からの7色の歓迎放水が行われた。接岸後は信濃川右岸設けられ会場にて歓迎式典が行われ、新潟市消防局音楽隊演奏花火打ち上げ迎えられて青坂満船頭役を先頭乗組員上陸したのを皮切りに民謡流し万代太鼓)・ブラスバンド演奏などが行われた。また寄港中、寺岡社長古川長四郎佐渡汽船株式会社社長当時)との交流が行われている。 山形県酒田市 - 酒田港 入港前に沖合万国旗掲げたヨットなど約30隻の歓迎受けた入港接岸後の岸壁では歓迎式典が行われ、式典では郷土芸能酒田ばやし保存会による篠笛太鼓演奏などが行われた。歓迎式典後には地元の「荷主」役の家屋に場所を移して船頭お神酒振る舞う入船祝の儀」も行われている。また辰悦丸の寄港間中合わせて酒田港を見下ろす日和山公園にて、酒田JC主体となって北前船往来当時賑わい再現した江戸」を開村し、昔の扮装をした店員による居酒屋船箪笥屋などの営業のほか、大道芸披露行われた秋田県秋田市 - 秋田土崎秋田港土崎港入港時間18:10となった事から港に篝火焚かれ北前船最盛期さながら夜間入港となった寄港中は歓迎式典の他に江差追分民謡大会資料が行われている。なお寄港中は帆を張る事が出来なかったためにその点が不評だったが、寄港中に出店し20数店の出店賑わい見せていた。 秋田県能代市 - 能代港 地元ボート漁船など約20隻の出迎え受けて入港し接岸までは郷土民謡能代舟歌メロディー流れふ頭から能代たこ揚げ大会使われる能代凧のベラボー揚げ能代役七夕灯籠による出迎え受けた歓迎式典ではミス北前船らによる花束贈呈のほか、能代市側からあきたこまち米俵秋田杉板材阿仁町(現、北秋田市)の鉱石と、能代市商工会議所からミニ七夕贈呈が行われた。寄港中は能代市文化会館ホール会場移して太鼓フェスティバル開催されたほか、船頭下乗組員を含む関係者による日吉神社への参拝行われている。 青森県西津軽郡深浦町 - 深浦往時北前船運行当初から難所とされてきた岩崎村(現在は深浦町一部)・大間越沖合から黄金崎までの間を無事に通過し艫作漁業協同組合現在の深浦町漁業協同組合艫作支所)と深浦漁業協同組合から出迎え漁船30隻が辰悦丸の船尾続きつつの入港となった接岸後の歓迎式典ではミス深浦による青坂満船頭役への花束贈呈御神灯木村義信江差町長から浜田勇総務課長への引き継ぎ来賓祝辞経て鏡開きテープカットによる一般公開開始行事が行われた。到着日からは「北前船まつり」が開催され国鉄当時)の五能線弘前駅 - 深浦駅間で国鉄初の黄金の花列車運行されたのをはじめ、近隣15市町村当時の数)参加西北物産展郷土芸能深浦小唄流し踊り、「侫武多(ねぶた)」を歌唱した歌手桜井かずみゲスト迎えてカラオケ大会ミニSL列車運行網掛け網引き)などといったイベントが行われた。 北海道檜山郡江差町 - 江差港 入港接岸時には姥神大神宮渡御祭使われる山車ヤマ)の内の8基による出迎えを受け、接岸後は古式則った船改め行った後に無事航海終えた事を姥神大神宮報告する神事奴振り先導のもとで行われた寄港間中歓迎イベントとして「北前船まつり」が開催されて、歓迎式典北前船サミット開催、「芝居小屋開設による日本海芸能祭の開催日程別に町内下町(現、いにしえ街道)から鴎島、及び上町江差町道円通り北海道道215号江差停車場線含めた経路)から鴎島までの経路行われた奴振り武士商人花魁芸者追分踊りなどによる時代行列メイン会場となる辰悦丸の停泊場所に近い鴎島近辺間伐材用いて作られた浜小屋屋台)や北前炉ばた含めた飲食スペース設けられた。 メイン会場となった鴎島以外でも、中村家横山家江差追分会館会場とした北前船特別展が行われ、その内江差追分会館では吉村昭氏をゲストに「夜なべ講義」も開催されたほか、上町本町「山の上商店街」でも各種協賛行事開催された。 最終日出航式典では厳かな鎮魂祭執り行われ、式中に回航計画実行委員会事務局長萩原猛志氏による「北前船宣言」が読み上げられた。式典終了後は、鴎島遊歩道設置松明篝火町内各寺院によって打ち鳴らされ梵鐘の音に見送られ出航した北海道函館市 - 函館港豊川ふ頭接岸直前当時運行中だった青函連絡船摩周丸とのすれ違いがあり、摩周丸乗客見物客喜ばせたという。着岸後は入港式典の後に高田嘉七氏(七代目高田屋嘉兵衛)・斉藤貢五色町長(当時)・ミス函館による凱旋パレードが、高田屋嘉兵衛銅像の立つ宝来町高田屋通(北海道道675号立待岬函館停車場線)まで行われ到着後は銅像への献花行われたその他には、高田屋嘉兵衛菩提寺である称名寺での墓参が、高龍寺ではお茶会が行われた。夜に会場変えて三波春夫氏による講演と歌の夕べ開催されステージにて「高田屋嘉兵衛」「北前船あゝ」が熱唱された。 この他にも、各寄港地に辰悦丸が入港した日に誕生した新生児(1寄港地につき5名)へ記念認定書記念品を贈る「日本海神聖児」と名付けられた行が行われ、さらに船上での結婚式出港地の津名と寄港先の下関浜田鳥取竹野輪島酒田秋田深浦江差行われて14組が成婚した。その内江差寄港時においては5組成婚し、その結婚式中では、江差町在住者含めて観世流能楽習得して趣味として嗜んでいた4名(当時)による「高砂」が披露されている。

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