観世流とは? わかりやすく解説

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かんぜ‐りゅう〔クワンゼリウ〕【観世流】

読み方:かんぜりゅう

能のシテ方流派の一。大和猿楽結崎座(ゆうざきざ)の流れで、幕末まで観世座といった。観阿弥清次流祖とする。江戸時代には四座一流筆頭とされた。

能の小鼓方流派の一。16世紀中ごろに、宮増弥左衛門親賢と観世右衛門豊次が創始代々観世九郎を名のることが多い。

能の太鼓方流派の一。音阿弥の子観世与四郎吉国流祖とする。左吉流。

能の大鼓方流派の一。昭和61年1986宝生三郎派が観世流と改められた。


観世流

読み方:カンゼリュウ(kanzeryuu)

能の流儀シテ方五流の一。

別名 はじめ結崎座


観世流

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/01 14:24 UTC 版)

観世流(かんぜ-りゅう)は能楽における流派の一つである。シテ方、小鼓方、大鼓方、太鼓方がある。


  1. ^ a b 『申楽談儀』
  2. ^ 国史大辞典による。
  3. ^ 音阿弥については在世中から「当道の名人」「今の世の最一の上手といへる音阿弥」等の賛辞が当時の資料類に見え、没後も「希代の上手、当道に無双」と讃えられた。これは観阿弥・世阿弥まで世代の能役者が『風姿花伝』『申楽談義』など役者自身による専門的な伝書類を別にすれば、ほとんどその世評が記録されていないことと好対照を成す。音阿弥の時代には相対的に能や猿楽役者の地位が向上していたこともその一因と考えられるが、同時期に活動していた晩年の世阿弥にはこのような賛辞が見られないことを考慮すると、音阿弥はその最盛期にすくなくとも世評においては世阿弥を上回っており、それに相応した技量の持ち主であったものと思われる。このような推測は『能・狂言事典』の「音阿弥」の項(表章執筆)などが主張するところである
  4. ^ 足利義持の代までは、観世座のほかに近江猿楽日吉座、田楽新座などにも幕府の後援があり、犬王、増阿弥などのように世阿弥と人気を二分するような役者が活躍していた。ところが音阿弥の観世大夫就任と前後して、諸種の資料から田楽や近江猿楽の演能が次第に減少してゆく傾向が認められる。音阿弥に対する高い世評や、足利義教の熱心な後援を考えあわせると、世阿弥ですら不可能であった京都能界の独占が音阿弥によってはじめて現実のものになったと考えるのがもっとも自然であろう。『能・狂言事典』の「音阿弥」の項(表章執筆)参照。
  5. ^ 信光の能作には、華麗な扮装、登場人物の増加、奇抜な作り物など、視覚面の派手さを重視したものが多い。これらの傾向が作能における大衆性のあらわれであり、時の好尚を生かしたものであるとする説は、「古典文学大系」「古典文学全集」等各種の謡曲注釈類にも記された、いわば学界の通説と言ってよい。
  6. ^ 『当代記』
  7. ^ 当時はワキが地頭を兼ねていたため、地謡はシテ方とワキ方両方の職掌であった。現在でも観世流と福王流の謡の技法はほとんど同じである(大成版謡本)。
  8. ^ しかしながら、「明和改正謡本」はすこぶる不評であった。観世座の一員らしい松井某が翌年に元章を批判してひそかに書いた『砭観録』なる書に「これを用ゐば此道これ限りなん」と慨嘆しているのが、玄人筋の評価で、素人も同様だったらしい。不評の第一の原因は、改訂の度合いが大きすぎたことである。…(中略)…大成期の世阿弥の発言を350年後の能にそのまま適用しようとする無謀さに、彼は気付かなかったらしい。(表章・天野文雄『岩波講座 能・狂言 I 能楽の歴史』(岩波書店、1987年)より引用)
  9. ^ 能・狂言事典、前西芳雄「観世左近」の解説より
  10. ^ 『サライ』小学館、2009年3月5日号、129頁。
  11. ^ 観世流史参究、83〜86頁
  12. ^ 観世流史研究、118〜124頁
  13. ^ 22(清孝)の子、23(清廉)の弟で元滋の父(元義)の兄である観世真弘の子・観世某の子。
  14. ^ 實川紀プロフィール
  15. ^ 能の雑学”. www.nohbutai.com. 2023年2月1日閲覧。


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「観世流」の例文・使い方・用例・文例

  • 観世流という,能の流派
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