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三省堂 大辞林

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じょうかく 0 【乗客】

じょうきゃく(乗客)

じょうきゃく 0 【乗客】




物語要素事典

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乗客

★1.汽車乗り合わせた男から、物語聞く

押絵と旅する男江戸川乱歩)  「私」が乗った汽車二等車には、「私」のほかに一人老人が乗っているだけだった。老人は額(がく)入り大きな押絵を持っており、「三十数年前二十五歳の青年だった兄が、この押絵になった」と言って不思議な物語を語った→〔絵〕2。 

クロイツェル・ソナタトルストイ)  長距離列車車室で、結婚愛について数人議論するのを「わたし」は聞く一人の男が「結婚制度肉欲正当化にすぎない」と主張し、「私は妻を殺した男だ」と告白する。男の妻は音楽家トルハチェフスキーと、ベートーベンクロイツェル・ソナタ合奏するなどして親密な関係になった。男は嫉妬苦しみ妻を刺殺したが、無罪になったのだという。男は「性愛は悪である」と、語り続けた。

高野聖泉鏡花)  「私」は帰省のため、新橋から敦賀へ向かう汽車に乗った。尾張の駅で多くの客が下り車両中には四十五~六歳の僧と「私」の二人だけになった。それから「私」と僧は言葉を交わすようになり、その夜二人敦賀同宿した。僧は青年時代飛騨山越えをした折の、不思議体験談を語った→〔宿〕7b。

*偶然汽車乗り合わせたように見せかけ、実は意図的に集まった十二人の乗客→〔演技〕6の『オリエント急行殺人事件』(クリスティ)。

★2.汽車乗り合わせた娘を見る。

蜜柑芥川龍之介)  冬の日暮れ汽車の中、「私」の前に十三~四歳の小娘座りトンネル直前で窓を開けた。黒煙入り、「私」は小娘を叱ろうとした。その時汽車トンネル抜け小娘は窓から数個蜜柑投げた。これから奉公先に赴く小娘は、蜜柑投げて、踏切まで見送りに来た弟たちの労に報いのだった。 

雪国川端康成)  十二月初旬雪国へ向かう汽車の中で島村は、病気青年世話する娘葉子を見た。これから島村逢いに行く芸者駒子は、その青年いいなずけだった。何日か後、島村雪国から東京帰る日に、青年危篤に陥り、死んだ→〔異郷訪問〕9。

★3.汽車乗り合わせ人妻と話をする。

網走まで志賀直哉)  八月の暑い日の夕方、「自分」は上野から汽車に乗った。二十六~七歳の女の人が赤児背負い、七歳ほどの男児連れて、そばの席にすわった。赤児はおむつを濡らし男児はわがままを言って、女の人(=母)を困らせた。女の人は、夫が大酒をすること・これから遠い網走まで行くこと、などを語った。女の人は車中二枚葉書書き宇都宮降りる自分」に、ポストへの投函を頼んだ。

汽車乗り合わせ人妻から誘惑される→〔閨〕4bの『三四郎』(夏目漱石)。

★4.死者生者が同じ汽車乗る

銀河鉄道の夜宮沢賢治)  ジョバンニとカムパネルラが、銀河鉄道に乗って星界を旅する。乗客の一人を捕る人」は、瞬時に外の河原降りを捕って、また瞬時車室に戻って来る。家庭教師青年男女二人の子連れて乗り込み、「海難事故で海に沈んだと思ったら、ここに来た」と言う。カムパネルラは窓外野原を指さし、「あすこにいるの僕のお母さんだよ」と言って姿を消すジョバンニは丘の上で目を覚まし、「夢を見たのだ」と思う。走って町まで行くと、「カンパネルラ水死した」と聞かされる。

ブラック・ジャック手塚治虫)「人生という名のSL」  機上ブラック・ジャックが、うたた寝をして夢を見る。彼はSLに乗っている。乗客の中に、かつて恋人だった如月恵(*→〔病気3a)や、老人安楽死させようとするドクター・キリコがいる。亡くなったはずの恩師本間丈太郎先生が、子供時代ブラック・ジャック手術ようとしている。ピノコ八頭身美女となって、ブラック・ジャック寄り添う。彼は目覚め、「死ぬ前に過去夢を見るというが・・・・」とつぶやく。

★5.初対面他人どうしの乗客たちが、運命をともにする。

横光利一)  真夏宿場から街に向けて馬車出発する。危篤息子のもとへ急ぐ農婦駆け落ちの若い男女母親男の子大金を手にした田舎紳士の、合計六人が馬車乗る一疋馬車屋根止まり馭者の頭や馬の背飛び移る馭者居眠りをし、馬車崖下墜落する。馬車から離れ悠々と青空飛んで行く。 

★6.乗客の一人犠牲にする。

脂肪の塊モーパッサン)  フランス民間人たちを乗せた一台の馬車が、プロシア軍占領下の町から脱出する。道中宿駅プロシア士官が、乗客の一人・「脂肪の塊」とあだ名される娼婦に目をつけて、馬車出発許可与えない。乗客たちは、「どうせ娼婦なんだから」と言って、「脂肪の塊」がプロシア士官と寝るよう仕向ける。「脂肪の塊」の犠牲的行為によって馬車出発するが、乗客たちは礼を述べることもせず、「脂肪の塊」はすすり泣く

古来荒れる海を静めるため船中一人が海に入って犠牲になる物語いくつもあり(*→〔くじ〕2aの『ヨナ書』、*→〔入水〕4の『古事記』中巻など)、『脂肪の塊』はその近代的変型といえる

★7.消えた乗客。

バルカン超特急ヒッチコック)  東欧からロンドン旅するアメリカアイリスは、特急列車内で老婦人ミス・フロイと親しくなる。しかしアイリスがうたた寝をして目覚めると、ミス・フロイの姿がない。まわりの乗客たちは口をそろえて「そんな人は、はじめからいなかった」と言う。ミス・フロイはイギリススパイで、対立国の諜報員たちが彼女を捕らえて隠し、金で雇われた乗客たちが、ミス・フロイの存在否定したのだった〔*アイリス音楽学者ギルバート協力して、ミス・フロイを救出した〕。

★8.長距離列車乗り合わせ人々人生模様

夜行列車(カワレロウィッチ)  満員夜行列車。若い娘マルタ中年男が、一等車二人客室乗り合わせるマルタの愛を求め青年が別の車両乗り連絡を取ろうとするが、マルタ無視する。彼女は昔の恋人から手紙をもらい、逢いに行くのである警官隊が現れ中年男を殺人犯誤認する(*真犯人別にいて、列車から飛び降りところを逮捕される)。中年男は外科医で、その日、手術中に患者を死なせてしまったことを思い悩んでいた。朝になり、列車終点到着する。駅には、中年男の妻が迎えに来ていた。マルタには出迎えの人はなかった。

ホテル泊まり合わせ人々人生模様→〔宿〕9の『グランド・ホテル』(グールディング)。



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旅客

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/12/24 08:33 UTC 版)

(乗客 から転送)

旅客(りょかく)とは、目的地に移動するために航空機旅客機)・鉄道バスタクシー旅客船)等の交通機関に搭乗・乗車・乗船する人間のこと。




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