三省堂 大辞林 |
を
(1)五十音図ワ行第五段の仮名。現在は「お」と発音上区別がなく、現代仮名遣いでは、助詞「を」以外には、この仮名を用いない。しかし、歴史的仮名遣いでは「お」と区別して用いる。
(2)平仮名「を」は「遠」の草体。片仮名「ヲ」は「乎」の初三画の変形。〔「を」は古くは「お」と発音上区別があったが、のち、両者は発音上の区別がなくなった〕
(2)平仮名「を」は「遠」の草体。片仮名「ヲ」は「乎」の初三画の変形。〔「を」は古くは「お」と発音上区別があったが、のち、両者は発音上の区別がなくなった〕
を
体言またはそれに準ずる語に付く。
(1)動作・作用の対象を表す。
「本―読む」「講演―終わる」「太刀が緒もいまだ解かずて襲(おすひ)―もいまだ解かねば/古事記(上)」
(2)使役表現において動作の主体を表す。
「子供―泣かせないようにして下さい」「今年こそ美しい花―咲かせよう」
(3)移動性の動作の経過する場所を表す。
「いつもの道―通る」「大空―飛ぶ」「新治筑波―過ぎて幾夜か寝つる/古事記(中)」
(4)動作・作用の行われる時間・期間を表す。
「この一年―無事に生きてきた」「今―盛りに咲く」「朝日照る佐田の岡辺に鳴く鳥の夜泣き反らふこの年ころ―/万葉 192」
(5)動作の出発点・分離点を表す。
「毎朝九時に家―出ます」「バス―降りてから五分ほど歩く」「故郷―離れる」「たらちねの母―別れてまこと我旅の仮廬(かりほ)に安く寝むかも/万葉 4348」
(6)希望・好悪などの心情の向けられる対象を表す。現代語では「が」も用いられる。
「水―飲みたい」「君―好きな人はずいぶんいるよ」「身―惜しとも思ひたらず/徒然 9」
(7)(サ変動詞とともに用いられて)「…を…として」「…を…にする」「…を…にして」など、さまざまな表現のしかたをつくる。
「首相―はじめとして、大臣がずらりと並ぶ」「ひとの失敗―他山の石とする」
(8)動詞と同じような意味をもつ名詞に付いて、一種の慣用句をつくる。
「白真弓斐太(ひだ)の細江の菅鳥の妹に恋ふれか眠(い)―寝(ね)かねつる/万葉 3092」「しのび音(ね)―のみ泣きて、その年もかへりぬ/更級」
活用語の連体形に接続する。
(1)逆接の場合。前件と後件とが内容上相応しないような関係で、前後を結び付ける。…のに。
「今はとてまかる―、何事もいささかなることもえせで遣はすこと/伊勢 16」
(2)順接の場合。前件が後件の原因・理由であるような関係で、前後を結び付ける。…ので。…だから。
「たえて宮仕つかうまつるべくもあらず侍る―、もてわづらひ侍り/竹取」
(3)単純な接続の場合。…したところ。
「この殿、大将にても、先を追はれける―、土御門相国(つちみかどのしようこく)、…と申されければ/徒然 196」
(1)文末にあって、活用語の連体形や言い切りの形、または体言を受け、詠嘆の気持ちを表す。
「八雲立つ出雲八重垣妻ごみに八重垣作るその八重垣―/古事記(上)」「宇治川を舟渡せ―と呼ばへども聞えずあらし梶の音もせず/万葉 1138」「老いらくの来むと知りせば門さしてなしと答へて逢はざらまし―/古今(雑上)」
(2)文中用法。
(ア)意志・希望・命令の文中にあって、詠嘆の気持ちをこめて、語調を整える。
「生ける者遂にも死ぬるものにあればこの世なる間は楽しく―あらな/万葉 349」「恋ひしくは下に―思へ紫のねずりの衣色にいづなゆめ/古今(恋三)」
(イ)情意の対象を詠嘆的に指示する。
「紫のにほへる妹―憎くあらば人妻ゆゑに我(あれ)恋ひめやも/万葉 21」
(ウ)〔「…を…み」の形で〕原因・理由を表す句をつくる。…が…ので。…が…さに。
「若の浦に潮満ち来れば潟(かた)―なみ葦辺(あしへ)をさして鶴(たづ)鳴き渡る/万葉 919」「しののめの別れ―惜しみ我ぞまづ鳥より先に鳴き始めつる/古今(恋三)」
〔上代からある語で、
新潟県田上町方言 |
大阪弁 |
(を)
| 大阪弁 | 訳語 | 解説 |
|---|---|---|
| (を) | を | 動作の対象や基点、通過する場所を表す。目的語の後につく「を」は省略される。水飲みたいねん、これ取ったって、あほなこと言いな、なにしてんねん、家出たんは五時前やねんけどまだ着いてへんのんかいな、橋渡って交番右曲がってちょっと走った左手の店や。九州や奥羽では「ば」、下野で「ごと」。 |
鳥取弁辞書 |
隠語大辞典 |
ウィキペディア |
を
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/02/01 11:53 UTC 版)
を、ヲは、日本語の音節のひとつであり、仮名のひとつである。[続きの解説]
「を」の続きの解説一覧
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出典:Wiktionary |
を
出典:『Wiktionary』 (2011/03/24 01:08 UTC 版)
発音
- 歴史的には/o/音と独立に、/ɰo/音を表していたと考えられるが、近世においては区別なく前者の発音となった。現代仮名遣いにおいては助詞としてのみ用いられ、/o/音が標準とされるが、最近は却って区別して発音する人も少なくない。
助詞
用法
一つの単文の中で、をは一つしか使われない。従って目的語と経路のをは共存できない。
派生語
- てにをは
- をば
- をして
翻訳
- ヘブライ語: את (he)
- 朝鮮語: 을 (ko) (ŭl)(パッチムのある場合)、를 (ko) (rŭl)(パッチムのない場合)
- スペイン語: a (es) (前置詞;目的語が人の場合のみ)
- 北京官話: 把 (zh)
文字コード
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