三省堂 大辞林 |
ほん 【本】
[一]
(1)書物。書籍。
「―を読む」「漫画の―」「書いたものを一冊の―にまとめる」
(2)脚本。台本。
「キャストより、―のよしあしが問題だ」
[二]
(1)もとになるもの。もとのもの。
「物語・集など書き写すに―に墨つけぬ/枕草子 75」
(2)てほん。模範。
「これをこそ今生にさとりをひらく―とはまうし候へ/歎異抄」
(3)基本。根本。
「人は正直を―とする事、是神国のならはせなり/浮世草子・永代蔵 4」
(4)本当であること。
「徳様は何やら訳(わけ)の悪いこと有て、たんとぶたれさんしたと聞たが、―か/浄瑠璃・曾根崎心中」
名詞に付く。
(1)いま現に問題にしているもの、当面のものである意を表す。
「―席」「―事件」
(2)それが話している自分にかかわるものであることを表す。
「―大臣」
助数詞。
(1)細長い物の数を数えるのに用いる。
「一―杉」「棒が三―」「牛乳五―」
(2)剣道・柔道などで、技(わざ)の数を数えるのに用いる。
「三―勝負」「一―とる」
〔「さんぼん」「いっぽん」などのように、撥音に続くときは濁音に、促音に続くときは半濁音になる〕
もと 【本/元】
(1)(多く「元」と書く)物事が生ずるはじめの物や所。ことのおこり。はじめ。
「―へさかのぼって考え直す」「火の―」「出版―」
(2)物事の根本をなすところ。根幹。基礎。土台。⇔末。《本》
「―が枯れる」「農は国の―」「資料を―にして議論する」
〔基礎の意では「基」とも書く〕
(3)(「因」とも書く)原因。理由。
「失敗は成功の―」「けんかの―はささいなことだった」「間違いの―」
(4)(「素」とも書く)原料。材料。《元》
「大豆を―にして作る」「―を仕込む」
(5) 0 もとで。もとね。元金。原価。《元》
「―を取る」「―を割る」「―がかかる」
(6)草木の株または幹。
(7)和歌の上の句。
⇔末
「歌どもの―をおほせられて、『これが末いかに』と問はせ給ふに/枕草子 23」
助数詞。
(1)草木の株の数を数えるのに用いる。ほん。《本》
「菊一―を植える」
(2)鷹狩りに使う鷹の数を数えるのに用いる。羽(わ)。
「鷹一―」
» (成句)本が切れる
» (成句)本が取れる
» (成句)本はと言えば
» (成句)本も子もない
» (成句)本を正す
物語要素事典 |
本
『悪霊』(ドストエフスキー)第2部第10章 知事レンプケは、時たま当てずっぽうに本をあけ、右のページを上から三行読んでみて、占いをすることがあった。
『悪霊』(ドストエフスキー)第3部第7章 老学者ステパンは、聖書売りのソフィヤに、偶然に目に入った一節を読んで欲しいと請い、「僕は聖書で僕らの未来を占っているんです」と言う。
『オリヴァー・トゥイスト』(ディケンズ)第3巻第44~45章 悪漢サイクスの情婦ナンシーが、ある夜本を読んでいると、どのページにも「棺桶」という字が書いてあるので不吉に思う。翌日の早朝、ナンシーはサイクスに殴り殺される。
『月長石』(コリンズ)「物語」第1期「ベタレッジの手記」・第2期第8話「ベタレッジの寄稿」 七十歳を越した執事ベタレッジは、窮境に立った時・忠告が欲しい時には、愛読書『ロビンソン・クルーソー』の適当なページを開き、そこに書かれてある文章から、行動の指針と将来の予言を読み取るのだった。
『パンタグリュエル物語』第三之書(ラブレー)第12章 家臣パニュルジュが結婚の希望を持ちながらも迷っているので、パンタグリュエルはウェルギリウスの書物を三度開き、そこに現れる詩句をもとに結婚の吉凶を占う〔*しかし詩句の解釈がパンタグリュエルとパニュルジュで異なり、結局彼らは徳利明神の神託を求めて船出する〕。
★2.焚書。
『華氏451度』(ブラッドベリ) 未来社会では、人々は超小型ラジオを耳にはめ、巨大なテレビ画面に没頭して、幸せに暮らしていた。人を思索に導く書物は危険視され、焼き捨てられた。焚書官モンターグは、書物を隠し持つ家を捜し、火炎放射器で書物を焼く職務に従事していた。
『史記』「秦始皇本紀」第6 始皇帝三十四年、丞相李斯が「史官の所蔵する書籍のうち、秦の記録でないものはみな焼き捨てるべし。また、天下にある儒家・諸子百家の書をすべて提出させ、焼き捨てるべし」と建言した。始皇帝はこれを是とし、命を下した。
『一九八四年』(オーウェル) 一九八四年、世界は三つの超大国に分割されていた。その一つ、全体主義国家オセアニアでは、党の命令で、革命以前の書物の没収と焚書が徹底的に行なわれ、一九六〇年以前に発行された書物が残っている可能性はなかった。
『ドン・キホーテ』(セルバンテス)前編第1~7章 騎士道物語を読みふけったドン・キホーテは、自らも遍歴の騎士をこころざして第一回目の旅に出、怪我をして三日後に帰る。友人たちは、本がドン・キホーテを狂わせたと考え、百冊余りの蔵書を点検して、何冊かを自分たちのものにし、残りの本はすべて家政婦が焼き払う。
★3.不思議な本。
『聴耳草紙』(佐々木喜善)1番「聴耳草紙」 年の暮れに貧乏な爺が、死馬に群がる犬を追い払い、痩せたびっこの狐に馬肉を投げ与える。返礼に爺は、聴耳草紙という、古暦のような冊子をもらう。これを耳に当てると、鳥・獣・虫の声が人間の言葉に聞こえるのだった。
『砂の本』(ボルヘス) 「わたし」が手に入れた、未知の言語で書かれた聖書は、無限のページを有しており、初めも終わりもない本だった。表紙のすぐ次のページを開こうと試みても、開いたページと表紙の間に、何枚ものページがはさまってしまう。まるで本からページがどんどん湧き出てくるようだった。最後のページも同様であった。一度見たページは、いったん本を閉じると、二度と捜し出すことができなかった。
*呪いの本を開いた人が神隠しにあう→〔一人三役〕3の『古書の呪い』(チェスタトン)。
★4a.眠るための本。
『ペルシア人の手紙』(モンテスキュー)第143信 三十五日間眠れぬ病人が、主治医の勧める阿片剤を断り、不眠症の特効薬として本屋に信仰書を注文する。コーサン神父の著書『聖廷』が届けられ、病人の息子が朗読するが、息子自身、早くも二ページ目で呂律が回らなくなり、周囲の人はいびきをかきはじめ、ついに病人もぐっすり眠りこむ。
『不思議な島』(芥川龍之介) 船の甲板にいる「僕」は、彼方に見えるサッサンラップ島について、英国の老人から説明を聞く。島では皆が野菜を作り、文芸作品の論評のごとくに、野菜についてのさまざまな品評が行なわれるという。老人の名刺に「ガリヴァー」とあったので「僕」は驚き、昼寝から目覚めると、読みかけの『ガリヴァー旅行記』が置炬燵の上にあった。
★4c.本を読んで眠ったが、本の内容とは全然関係のない夢を見る。
『小説の面白さ』(太宰治) 「私」は眠れぬ夜に、島崎藤村の『夜明け前』を、朝までかかって全部読み通したことがあった。そうしたら眠くなってきたので、その部厚な本を枕元に投げ出し、うとうと眠って夢を見た。その夢は、『夜明け前』とはまったく何の関係もない夢だった。あとで聞いたら、藤村は『夜明け前』完成までに十年間かけたということだった。
『金瓶梅』の伝説 『金瓶梅』の著者・笑笑生とは、明代の文豪・王世貞のことである。王世貞の父はある人物に殺され、王世貞は父の仇(かたき)を討つため、淫書『金瓶梅』を書いた。父の仇は、指をなめて本のページをめくる癖があったので、王世貞は『金瓶梅』のページに毒を塗って贈った。しかし塗った毒が薄く、仇を殺すことはできなかったという。
『千一夜物語』「イウナン王の大臣と医師ルイアンの物語」マルドリュス版第4~5夜 イウナン王が、病気を治してくれた医師ルイアンを厚遇する。大臣が妬んで、「あの医師は王様の命をねらっています」と讒言する。王はこれを信じ、医師を斬首しようとする。医師は王に秘密の本を贈り、「この本を三枚めくって左ページの第三行を読めば、私の斬られた首が、王様のあらゆる質問に答えます」と言う。王は本の内容をはやく知りたく、医師の処刑前にページをめくる。ページには毒が塗ってあり、王は死ぬ。
『ドラえもん』(藤子・F・不二雄)「のび太シンデレラ」 『浦島太郎』の絵本を読むたびに悲しくなる、とのび太が言うので、ドラえもんはのび太と一緒に「絵本入りこみ靴」をはいて、本の中に入り、タイムフロシキを浦島にかぶせて若返らせる。次にのび太が一人で『シンデレラ』の絵本に入るが、誤ってガラスの靴を割り、その上、自分の靴を片方落とす。王子は「この靴の主と結婚する」と言い、のび太は王子の花嫁になる。
『はてしない物語』(エンデ) 少年バスチアンは、古本屋で見た本『はてしない物語』に心引かれ、それを盗んで、学校の屋根裏の物置で読みふける。物語の中ではファンタージエン国が危機に陥り、作中人物たちが、外部世界の人の子の救いを求める。バスチアンは「今ゆきます」と叫び、本の中の世界であるファンタージエン国に入りこむ〔*ファンタージエンを救ったバスチアンは、高慢になり自分を見失うが、「愛」こそ最も重要なものであることを知り、人間世界へ戻る〕。
『処方』(星新一『ボンボンと悪夢』) 物語を読むと夢中になり、作中人物になりきってしまう女性がいた。読み終わって本を閉じると、われにかえるのである。ある時、女性は乱丁のある本を読み始めた。本の終わりの所に、初めの方のページがまぎれこんでいた。女性はそこまで読んでくると、また本の初めに戻り、作中人物になったまま、いつまでたっても本を閉じることができなかった。
*本の世界に入り込み、作中人物に殺される→〔作中人物〕5の『続いている公園』(コルタサル)。
『聊斎志異』巻11-415「書癡」 三十男の玉桂は毎日、読書にふけっていた。ある夜彼は、読みかけの本の中に、紗を切り抜いた美女の姿が、栞としてはさまれているのを発見する。栞の背面には、細字で「織女」と書かれていた。何日かの後、栞の美女は動き出し、人間と同じ大きさになる。玉桂は美女と結婚し、子供も生まれる。しかし県知事が美女の噂を聞き、拘引しようとしたので、彼女はどこかへ身を隠してしまった。
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本
| 名字 | 読み方 |
| (田又)本 | うねもと(田へんに又で一文字) |
| (木奈)本 | ならもと(木へんに奈で一文字) |
| 本 | もと |
JMnedict |
ウィキペディア |
本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/12/05 16:38 UTC 版)
本(ほん、英: book)は書物の一種であり、書籍・雑誌などの印刷・製本された出版物である。
狭義では、複数枚の紙が一方の端を綴じられた状態になっているもの。この状態で紙の片面をページという。本を読む場合はページをめくる事によって次々と情報を得る事が出来る。つまり、狭義の本には巻物は含まれない。端から順を追ってしかみられない巻物を伸ばして蛇腹に折り、任意のページを開ける体裁としたものを折り本といい、折本の背面(文字の書かれていない側)で綴じたものが狭義の「本」といえる。本文が縦書きなら右綴じ、本文が横書きなら左綴じにする。また、1964年のユネスコ総会で採択された国際的基準は、「"本"とは、表紙はページ数に入れず、本文が少なくとも49ページ以上から成る、印刷された非定期刊行物」と、定義している。5ページ以上49ページ未満は小冊子として分類している。 [1]
- ^ http://www.mext.go.jp/unesco/009/004/028.pdf 「図書、新聞及び定期刊行物の出版及び配布についての統計の国際的な標準化に関する改正勧告(仮訳)1985年11月1日 第21回ユネスコ総会採択」
- ^ 日本雑誌協会 & 日本書籍出版協会 2007, p. 92
- ^ 書籍コードの構成、構造については、次の論文の別表に詳しい記述がある。田中実 (1969), “出版業界における統一書籍コードの設定”, ドクメンテーション研究 (情報科学技術協会) 19 (1): 2-7, 1969-01-15, ISSN 00125180, NAID:110002729102 NCID:AN00172819
- ^ 日本雑誌協会 & 日本書籍出版協会 2007, p. 93
- ^ 神崎正英 (2004), NBNあるいは書籍の識別, The Web KANZAKI ちょっとしたメモ, 神崎正英 (2004-03-09発行) 2009年9月23日閲覧。
漢字辞典 |
出典:漢字辞典 |
本
本 |
- 本下野新聞
- 本:天神ウォーカーウォーカープラス
- エンタメ ランキング・本四国新聞
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