砕氷船
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 08:21 UTC 版)
砕氷能力の限界と氷山
どれくらいの厚さの氷を割って進めるかという砕氷能力は、砕氷船によって大きく異なる。米国の「ポーラスター」は通常の前進時は厚さ1.8m、ラミングでは厚さ6mの海氷を砕くことができる[8]。当然ながら、砕氷能力の限界を超える厚さの海氷が形成されているか、そのおそれがある海域は、砕氷船といえども航行できない。このため氷海で立ち往生した一般船舶だけでなく、砕氷船が他の砕氷船に救助されることもある。たとえば日本の「宗谷」は1957年、南氷洋でソ連の「オビ号」に救出された。
氷山は、国際海氷パトロール (IIP) や世界気象機関 (WMO) などの組織が大きさやタイプで分類を行っており、WMOでは以下のように分類している。
- Growler:グランドピアノの大きさに相当
- Bergy bit:小屋の大きさに相当
- Iceberg:商船の大きさに相当
たとえ砕氷船であったとしても、基本的にはIcebergやBergy bitは避けることが望ましいとされている。
出典
関連項目
- ^ a b 岸進; 山内豊; 水野滋也「砕氷船のラミング砕氷性能向上に関する研究」(PDF)『テクニカルレビュー』第1号、ユニバーサル造船、2008年1月。 オリジナルの2014年3月8日時点におけるアーカイブ 。2014年3月8日閲覧。
- ^ 野沢和夫『氷海工学 : 砕氷船・海洋構造物設計・氷海環境問題』(初)成山堂書店、2006年3月28日。ISBN 4-425-71351-6。978-4-425-71351-6。
- ^ “Coast Guard Polar Security Cutter (Polar Icebreaker) Program: Background and Issues for Congress”. Congressional Research Service. 2019年6月10日閲覧。
- ^ “MAJOR ICEBREAKERS OF THE WORLD”. U.S. Coast Guard. 2019年6月11日閲覧。
- ^ a b c d e 戦争を変える『現代の超兵器』(16)北極支配!世界唯一無双のロシア原子力砕氷船団,軍事情報研究会,軍事研究,2018年11月号,株式会社ジャパンミリタリーレビュー,P123-146
- ^ “世界最大の原子力砕氷船、沿海地方で建造へ”. 日本貿易振興機構 (2018年8月6日). 2019年6月10日閲覧。
- ^ “流氷観光船「おーろら2」引退 市民を無料招待 最後の航海”. NHK札幌放送局 (2022年3月22日). 2022年3月22日閲覧。
- ^ “南極海、ロシア船乗客救助の中国船も立ち往生”. フランス通信社 (2014年1月6日). 2014年1月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月22日閲覧。
砕氷船と同じ種類の言葉
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