和田英作 評価

和田英作

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/23 23:09 UTC 版)

評価

和田英作君に就て、私の最も感じたことは、其技術の進歩の迅速であつたことである。私の関係した人の内では、和田君程進歩の早かつた人はない。(中略)其進歩の早いことは一種の天才だと思つた。 — 黒田清輝[7]
和田君は形を確かに視ることゝ、佳い色を出すと云ふことが両者共に巧みである。勿論形の方と色の方とを比べれば、色の方に優れては居るが、形の方も決して拙くはない。 — 黒田清輝[7]

近代洋画界を牽引した黒田清輝の忠実な後継者と見られることが多い[1]。後半生においては日本洋画壇の長老的存在だった[1]。生涯に渡って写実的で穏健な作風を守り続けたため、新しい芸術思潮を積極的に取り入れた若い作家の影響もあって、その活動後期における作品の評価は必ずしも高くない[1]。1959年の和田の死去によって「明治の洋画は終わった」と言われ、時代の推移の象徴として扱われた[7][1]

展覧会

1961年4月には三越日本橋店にて、生前・没後を通じて初となる大規模な個展(遺作展)が開催された[41]。1974年には和田の生誕100年と鹿児島市立美術館の創立20周年を記念して、鹿児島市立美術館で「和田英作展」が開催された[42]。1985年には鹿児島市立美術館の新館開館を記念して、「黒田清輝・藤島武二・和田英作 日本近代洋画史における郷土作家たち」が開催された[7]。1998年には和田が晩年を過ごした土地の静岡県立美術館と出身地の鹿児島市立美術館で「「近代洋画の巨匠 和田英作展」が開催された。2007年は戦後に7年間を過ごした知立に近い刈谷市美術館で「和田英作展 三河・知立と刈谷に残した足跡を中心に」が開催された。2016年には 「日本近代洋画の巨匠 和田英作展」が開催され、刈谷市美術館や佐野美術館などを巡回している。

個展[4]
  • 1929年 「個展」 三越本店
  • 1936年 「個展」 三越本店
  • 1938年 「個展」 三越本店
  • 1939年 「個展」 阪急百貨店
  • 1940年 「個展」 青樹社
  • 1941年 「個展」 三越本店
  • 1951年 「喜寿展」 美交社
  • 1952年 「個展」 美交社


出品した展覧会[4]
  • 1892年 明治美術会展『秋ノ景色』
  • 1893年 明治美術会展『人体習作』『景色』
  • 1895年 第4回内国勧業博覧会『海辺の早春』
  • 1895年 明治美術会展『新柳』『海辺早春』など
  • 1896年 第1回白馬会展『麦の秋』『虹』『矢口のわたし』など
  • 1897年 第2回白馬会展『快晴』『渡頭の夕暮』など
  • 1898年 第3回白馬会展『三保の富士』『物おもひ』『機織』など
  • 1899年 第4回白馬会展『甲板』『ミッドルス・バロオ』など
  • 1900年 パリ万国博覧会『渡頭の夕暮』『機織』
  • 1900年 第5回白馬会展『肖像』『風景』など
  • 1901年 第6回白馬会展『ルュクサンブール』『池』
  • 1902年 サロン『思郷』
  • 1902年 第7回白馬会展『冬の池畔』『半身』『婦人読書』など
  • 1903年 第5回内国観業博覧会『こだま』
  • 1903年 第8回白馬会『思郷』『肖像』『夕暮の三保』『夕凪』
  • 1904年 第9回白馬会展『有るかなきかのとげ』『箕作博士肖像』
  • 1904年 セントルイス万国博覧会『風景』
  • 1905年 白馬会創立十年記念展『くものおこなひ』『夕空』など
  • 1907年 東京府勧業博覧会『斜陽』
  • 1907年 第11回白馬会展『肖像』『風景』
  • 1908年 第2回文展『おうな』
  • 1909年 第3回文展『角田市区改正局長肖像』『原法学博士肖像』
  • 1910年 第4回文展『薔薇』『まとものあかり』『肖像』
  • 1911年 第5回文展『小金井博士肖像』『曇り日』『草花』
  • 1912年 第6回文展『石黒男爵肖像』『H夫人肖像』
  • 1914年 東京大正博覧会『筧の水』
  • 1914年 第8回文展『黄昏』『赤い燐寸』
  • 1914年 光風会展『漁村』
  • 1915年 第9回文展『佐用姫』
  • 1916年 第10回文展『あけちかし』
  • 1918年 第12回文展『壁画落慶之図』
  • 1919年 第1回帝展『読了りたる物語』
  • 1920年 第2回帝展『渋沢子爵像』
  • 1924年 第5回帝展『大住嘯風君肖像』『奈良人形』
  • 1925年 第6回帝展『森律子肖像』『野遊』
  • 1925年 光風会展『花』
  • 1926年 第7回帝展『松林』
  • 1926年 第1回聖徳太子奉讃展『父の肖像』
  • 1926年 光風会展『薔薇』
  • 1927年 明治大正名作展『こだま』『渡頭の夕暮』など
  • 1927年 燕巣会展『黒き瓶の薔薇』
  • 1928年 第9回帝展『肖像』
  • 1928年 燕巣会展『冬の日』
  • 1930年 第11回帝展『早春』
  • 1930年 第2回聖徳太子奉讃展『花』
  • 1930年 光風会展『初冬の湖畔』
  • 1931年 第12回帝展『黄衣の少女』
  • 1936年 青樹社洋画展『薔薇』
  • 1937年 明治、大正、昭和三聖代名作展『静物』など
  • 1938年 上弦会展『細流』『蘭花』など
  • 1939年 法隆寺上宮王院本尊大厨子建立奉讃展『琵琶湖畔の春』
  • 1944年 戦艦献納帝国芸術院会員展『山麓の春』
  • 1946年 第1回日展『上の御堂にて』
  • 1947年 第3回日展『曙』
  • 1947年 現代美術展『凉蔭』
  • 1950年 第6回日展『夏雲』
  • 1958年 高島屋美術部50年記念展『三保の不士』


回顧展

役職・会員・審査員

役職[4]
  • 1896年 東京美術学校西洋画科 助教授
  • 1903年-1932年 東京美術学校 教授
  • 1932年-1936年 東京美術学校 校長
  • 1936年 東京美術学校 名誉教授
会員[4]
  • 1919年 帝国美術院 会員
  • 1937年 帝国芸術院 会員
審査員など[4]
  • 1907年 東京府勧業博覧会 審査官
  • 1907年-1918年 文部省美術審査委員会 委員
  • 1910年 東京美術及美術工芸品 展覧会評議員、同展第2類出品鑑別委員
  • 1910年 伊太利万国博覧会 美術品出品鑑査委員
  • 1914年 東京大正博覧会 審査官
  • 1923年 フランス美術展 準備委員
  • 1923年 第2回朝鮮美術審査委員会 委員
  • 1933年 史蹟名勝天然記念物調査委員会 委員
  • 1934年 帝室技芸員
  • 1935年 美術研究所 所長事務取扱



  1. ^ a b c d e f g 静岡県立美術館 1998, p. 10.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 刈谷市美術館 2007, p. 83.
  3. ^ a b c d e 静岡県立美術館 1998, p. 114.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac 和田英作 東文研データベース
  5. ^ a b 静岡県立美術館 1998, p. 141.
  6. ^ a b c 薔薇: 和田英作 ポーラ美術館
  7. ^ a b c d e f g 鹿児島市立美術館 1985.
  8. ^ a b 和田 1974, p. 48.
  9. ^ a b c d e 刈谷市美術館 2016, p. 9.
  10. ^ a b 「東京藝術大学カレンダー・2014 所蔵名品絵画 近代編」販売のご案内 東京藝術大学, 2013年10月7日
  11. ^ a b 作品目録 三重県立美術館
  12. ^ a b c d 静岡県立美術館 1998, p. 142.
  13. ^ Aufbruch in eine neue Zeit:Die Gründung des Museums für Ostasiatische Kunst in Köln Museum für Ostasiatische Kunst Köln
  14. ^ a b 『明治日本美術紀行 ドイツ人女性美術史家の日記 』フリーダ・フィッシャー、安藤勉、講談社 (2002/7/10)
  15. ^ a b c d e 刈谷市美術館 2007, p. 84.
  16. ^ 静岡県立美術館 1998, p. 115.
  17. ^ 静岡県立美術館 1998, p. 116.
  18. ^ 静岡県立美術館 1998, p. 117.
  19. ^ 帝国劇場 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
  20. ^ 刈谷市美術館 2016, p. 10.
  21. ^ 手塚恵美子 東宮御所喫煙室(現迎賓館赤坂離宮東の間)壁画について 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部
  22. ^ 木下直之 100人の東京駅 Gallery A4, 2006年
  23. ^ a b 慶應義塾豆百科 No.72 図書館のスティンドグラス慶應義塾
  24. ^ a b c 福沢諭吉展+新春の風景 慶應義塾図書館, p.4
  25. ^ a b c d e f g h 刈谷市美術館 2007, p. 85.
  26. ^ 静岡県立美術館 1998, p. 120.
  27. ^ a b c d e 和田 1974, p. 7.
  28. ^ 刑部人 栃木県立美術館
  29. ^ 野口謙蔵 東京文化財研究所
  30. ^ a b c d 静岡県立美術館 1998, p. 145.
  31. ^ 摂政官と関東大震災: 宮内庁の記録から 改訂版 宮内庁書陵部図書課宮内公文書館, 2013年, p.8
  32. ^ a b c d e f 刈谷市美術館 2007, p. 86.
  33. ^ a b 静岡県立美術館 1998, p. 146.
  34. ^ a b 刈谷市美術館 2007, p. 9.
  35. ^ 刈谷市美術館 2007, p. 8.
  36. ^ a b c d 刈谷市美術館 2007, p. 88.
  37. ^ 刈谷市美術館 2007, p. 87.
  38. ^ 静岡県立美術館 1998, p. 122.
  39. ^ a b 静岡県立美術館 1998, p. 147.
  40. ^ 刈谷市美術館 2016, p. 11.
  41. ^ 和田英作遺作展 東文研データベース
  42. ^ 和田 1974, p. 3.


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