ササゲ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/28 03:03 UTC 版)
ササゲ | ||||||||||||||||||||||||
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![]() ササゲ(黒目豆)
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Vigna unguiculata (L.) Walp. | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Cowpea Black-eyed pea |
100 gあたりの栄養価 | |
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エネルギー | 336 kcal (1,410 kJ) |
55.0 g | |
デンプン 正確性注意 | 36.3 g |
2.0 g | |
23.9 g | |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 |
(0%) 19 µg |
チアミン (B1) |
(43%) 0.50 mg |
リボフラビン (B2) |
(8%) 0.10 mg |
ミネラル | |
カルシウム |
(8%) 75 mg |
鉄分 |
(43%) 5.6 mg |
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%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース(英語) |
特徴
語源は、莢が上を向いてつき物をささげる手つきに似ているからという説[2]、莢を牙に見立てて「細々牙」と言ったという説、豆の端が少々角張っていることからついたという説など諸説ある。
藤色、紫、ピンクなど様々な色の花をつける。花の形は蝶形花である。
穀物用種は、さやが10-30 cmで固く、豆は1 cm程度の腎臓形で、良く知られる日本で一般的な赤褐色の他に、白・黒・淡褐色・紫色など様々な色をもつ。白い豆には一部に色素が集中して黒い目のような姿になるため、ブラック・アイ・ピー(黒い目を持つ豆)と呼ばれる。つる性種は草丈が2-4mになるのにたいし、つるなし種の草丈は30-40 cm。ナガササゲと呼ばれる品種は100 cmに達する。耐寒性は低いが、反面暑さには非常に強い。
ササゲの子実は、カメムシ類によって食害される。他方で、莢の柄の基部付近には蜜が出る場所があり、この花外蜜腺はアリを呼び寄せる。そのうち大型のクロヤマアリが近くにいるカメムシを攻撃し、結果としてカメムシを追い払ってササゲの実を守ることが確かめられている[3]。
歴史
日本では、平安時代に「大角豆」として記録が残されている[4]。江戸時代の『農業全書』には「豇豆」という名前で多くの品種や栽培法の記述がある[2]。
また、江戸の武士の間では赤飯に小豆の代わりに使われるようになった。小豆は水に浸して戻すための浸漬時間を長くするほど加熱中に割れる「胴切れ」が起きやすくなる[5]。そのため、関東地方などでは、小豆は「切腹に通じる」として武家では忌避され、皮が破れにくく煮崩れしにくいササゲを用いる地域がある[6]。
- ^ 池上文雄、加藤光敏、河野博、三浦理代、山本謙治『からだのための食材大全』 NHK出版 2018 ISBN 978-4-14-011360-8 p.197.
- ^ a b 青葉高『日本の野菜』八坂書房、2000年、pp. 97-98頁。ISBN 4-89694-456-9。
- ^ 小さなアミメアリでは追い払う行動が観察されず、他の種のアリには研究が及んでいない。小澤朗人「ササゲの花外蜜腺に集まるアリはカメムシから莢果を守れるか?」、『関西病虫害研究会報』第54号、41-45ページ、2012年。
- ^ 『新猿楽記』
- ^ “第3章 調理室における衛生管理&調理技術マニュアル”. 文部科学省. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “ささげ”. 東海農政局. 2020年6月6日閲覧。
- 1 ササゲとは
- 2 ササゲの概要
- 3 ササゲを用いた料理
- 4 出典
- ササゲのページへのリンク