RCX
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 21:30 UTC 版)
「MINDSTORMS」の記事における「RCX」の解説
レゴマインドストームの第一世代は、RCX(Robotic Command eXplorersのアクロニム)という名前のブロックを含むセットである。RCXにはCPUが内蔵されており、ルネサス テクノロジ社の16MHzの8ビットCPUであるH8/300マイクロコントローラが採用されている。32KのRAMにファームウェアと利用者のプログラムを保存する。 外部通信用のIRポートを持ち、ウィンドウズかMacのパソコンから専用の赤外線インタフェースを通して、内蔵されたRAMに後述の対応言語で書かれたプログラムを5種類までダウンロードし登録できる。プログラムをスタートさせれば、その内容に従い内外の刺激に基づいて接続されたモーター等をコントロールする。これによりRCXを搭載した制作物を単体で自立動作させることができる。 また、複数のRCX同士で互いにIRポートを通して番号付きのメッセージの送受信を行うことができ、これを用いて協調動作や競争をさせる事も可能。 上面には3つのセンサー用入力ポートと3つのモーター用出力ポート(モーター以外に電球を灯したりすることも可能)があり、中央に電池の残量や入力・出力ポートの動作状況、プログラムの動作状況などの情報を表示する液晶ディスプレイを持つ。 一般向けのセットには対応センサーとして接触センサーと光センサーが同梱されている他、製品としては回転センサー、温度センサーも存在する。また出力ポートからはランプなどの電飾部品の制御も可能。 RCXの赤外線インターフェースはスパイボット、スカウト、レゴトレイン、NXT(サードパーティーの赤外線リンクセンサーを使用)とも通信可能だった。RCX 1.0 IR 受信機の搬送波の周波数は38.5 kHzだったが、RCX 2.0 IR では搬送波の周波数は76 kHzだった。両方のバージョンはどちらの周波数でも送信できる。 信号はRCXに内蔵されたタイマーの一つで生成される。RCXはシリアルポートやUSB IR タワーを介してコンピュータと通信できる。タワーはWindows 98、MeとXP (32ビット)に対応する。ハイパースレッディング/マルチコアCPUのためのパッチが入手可能である。Windows Vista (32ビット)への公式サポートは無いが機能するという報告はある。USB タワーは64ビットのOSでは使用できないが32ビットのOSは仮想環境上で使用できる。シリアルタワーは通常64ビットのWindows 7でサードパーティー製のUSB-シリアルアダプターを介して使用できる。 全てのバージョンのRCXは固有の番号が印刷されていて技術サポートを受ける時や今では廃止されたマインドストームのウェブサイトでID番号としてアカウントとして必要だった。最初に製造されたRCXは"000001"でマインドストーム10周年イベントで展示された。 電源は一般的な単三乾電池6本だが、RCXバージョン1.0にはそれ以外にACアダプタ用の電源ジャックが搭載されており、家庭用コンセントからの電源供給も可能でそれにより長時間の使用が可能だった。製品自体にはACアダプタは含まれていないが、電圧さえ合えば他製品のACアダプタを極性や交流・直流に関係なく利用可能であり、ファミコン用の製品などが流用できる。バージョン1.5以降では電源ジャックは取り除かれている。電源ジャックを搭載したRCXは電池使用時と違い持続的な動作を可能にするため、固定ロボットアームのようなロボット工学プロジェクトやレゴモデルトレインへの使用に人気がある。レゴモデルトレインではRCXに電車モデルの動作を自動化するデジタルコマンドコントロール(DCC)ソフトウェアをプログラムする必要がある。 2008年現在では既に生産終了しており、取扱店も在庫のみの状態であり新品の入手は困難である。教育機関向けの正規代理店では一部販売しているようである。今後価格高騰が予想される。
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