k3脱走事件とは? わかりやすく解説

K3脱走事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 19:28 UTC 版)

大牟田4人殺害事件」の記事における「K3脱走事件」の解説

2004年11月13日午前9時30分ごろ、被疑者被告人K3は拘置されていた福岡県久留米警察署から福岡地検久留米支部久留米市篠山町)に移送された。この時、護送車運転していたのは大牟田刑事課巡査長当時27歳)で、大牟田警備課巡査部長当時49歳大牟田警備課巡査長(同25歳)がそれぞれK3に付き添っていたが、3人はいずれ留置管理担当者ではなかった。 その後K3は同所検察官による取り調べ受けていた。元力士大柄なK3の逮捕後は、機動隊員2人大牟田署に派遣し護送などの応援に当たらせていた。 K3は福岡県警から「特別要注意者」に指定され留置場では機動隊員監視に加わることになっていたが、護送業務通常体制だった。またK3は機動隊員同行嫌がり反抗することが多かったため、護送担当した3人はこの日、同行断っていた。 17時過ぎ、K3と大牟田署員3人の計4人は夕食摂るため被疑者待機休憩使われる検察庁3階の「同行室」に移動した。この時、同行室の鍵を開けたのは地検支部事務官だった。事務官から鍵を手渡されなかったことなどから3人は「扉は施錠しないでおくものだ」と思い込み誰も鍵を取りにいかなかった。地検支部当時建て替え中で仮庁舎移転していたが、旧庁舎同行室の扉は施錠できない構造だった。 K3は両手から手錠外され正面奥に座り、その左隣に巡査部長、扉の左右に巡査長2人それぞれ椅子座った。この時、巡査長1人室外右足出した状態だったがK3の腰縄誰も持っておらず、床に放置していた。 17時40分ごろ、K3は大牟田署員3人の付き添いの下、同行室にて夕食弁当食べていた。弁当食べ始めた当初署員1人室外にいたが、K3から「一緒に食べよう」と誘われ全員室内入ってしまった。 弁当食べ始めてから約10分後、署員より早く弁当食べ終えたK3は室内うろつき始め部屋が暑い。エアコン調整したいと言った。そしてまだ食事中巡査長2人の間をすり抜け、いったんオートロック扉の外出たエアコンリモコンは隣の事務室にあったため、大牟田署員1人がK3に付き添い隣室向かったエアコンリモコン取り近く戻ったところ、K3が「(操作は)1人でできる」と言ったため、警察官先に隣室出て同行室に戻った。 K3は脚を出していた巡査長対し眼鏡貸してくれ」と言った巡査長眼鏡差し出すと、K3は眼鏡をかけるふりをして同行室内投げ入れ巡査長が足をひっこめた瞬間同行室のオートロック鉄格子扉を閉め3人を閉じ込めた福岡県警の被留置管理規定によれば食事をする間を含め同行室に被留置者を入れた際は警察官自動的に施錠される同行室の扉を閉め、隣の小部屋待機し外から監視続けることとなっていた。 しかし警察官は鍵を持たず3人とも同行室に入った上、扉を完全に閉めていなかった状態で、室外待機していた者はいなかった。その上同行室から退出することなくK3と一緒に食事を摂るという「内規違反油断重なる」事態逃走つながった2004年11月26日、K3が福岡地検久留米支部の仮庁舎から逃走した際の詳細な経緯判明した警察官室内から解錠する鍵を持っていなかったためドア越し説得したが、K3は腰縄外しながら「担当者さん、悪い」「俺は(強盗殺人などを)やっていない死刑になるかもしれないから逃げる」「3日経った戻ってくる」と言い残し階段降り履いていたスリッパ1階残したまま裸足検察庁舎から逃走した。これを受け、警察官携帯電話110番通報しK3が逃走したことを知らせた。 K3は脱走から約15分後の17時55分、地検支部から南へ800m久留米市本町福岡県道23号久留米柳川線待機中のタクシーに客を装って乗り込んだ。そしてタクシー運転手対し3日ほど暴力団監禁されていて脱走してきた。金は知人持ってこさせるから柳川市方面行ってくれ」と指示した。 このタクシー運転手裸足だったK3の「ヤクザから逃げてきた」という言葉信じ込み、「組から逃げてきたな」と思っただけで特に不審には思わなかったという。運転手普段車中ラジオ流していたが、後述のようにK3に自分携帯電話貸し通話させていたため音量小さくしていた。そのため運転していたタクシー後述のように警察官取り囲まれるまで、客だと思って乗車させたK3の正体にまったく気づかなかったという。 また、タクシー運転手によればこの時のK3は「タクシー料金のみならず途中立ち寄ったコンビニエンスストア運転手購入したペットボトルお茶代なども含めきちんと料金払おうとしており、普通の客より丁寧な口ぶりだった」という。 柳川市沖端川河口付近到着後、K3は運転手対し熊本県玉名郡南関町経由大牟田市向かってくれ」と指示した上で「(大牟田市内の幹線道路見張りいるから行けない裏道知らないか」と尋ねたその後K3は運転手携帯電話借り知人数十回にわたり「金を貸してくれ」「もうすぐ着く」などと連絡取りタクシー料金として現金届けるように要請していた。 逃走から約3時間後の2050分ごろ、地検支部から南に約35km離れた熊本県荒尾市上井手駐車場到着した際、タクシー料金が20400円に達していた。そのような中、K3はタクシーからいったん下車し車外電話をかけた。 しかしK3が車内戻ったところ数人捜査員がタクシー取り囲んだ。K3は当初後部座席ドア開けさせまい抵抗したが、観念した様子車外出て警察取り押さえられた。 福岡県警通話記録など調べた結果携帯電話でK3とやり取りしていた相手は、父K1の配下暴力団組員だった。K3は2005年平成17年1月4日大牟田署から単純逃走罪福岡地検久留米支部書類送検され、2005年1月11日福岡地検久留米支部からへ福岡地裁久留米支部追起訴された。

※この「K3脱走事件」の解説は、「大牟田4人殺害事件」の解説の一部です。
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