W125の開発
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「ルドルフ・ウーレンハウト」の記事における「W125の開発」の解説
詳細は「メルセデス・ベンツ・W125」と「メルセデス・ベンツ・W154」を参照 1936年のグランプリ・シーズンにメルセデスチームはメルセデス・ベンツ・W25のホイールベースを短縮するなどの変更を施したW25ショートカーを投入したが、この車両は開発に失敗し、ライバルのアウトウニオン勢に対して劣勢が明らかだった。 そのため組織再編が行われ、同年半ばにナリンガーのテスト部門の下にレーシングカーの開発を専門に扱う「レース部門」(Rennabteilung)が新設されることになり、ウーレンハウトはその責任者に抜擢された。 レース部門の最初の仕事はW25ショートカーの問題箇所の分析となり、同年8月にニュルブルクリンク(北コース)でテストを行った。チームのレギュラードライバーであるルドルフ・カラツィオラ、マンフレート・フォン・ブラウヒッチュがテスト日程を終えて去った後もウーレンハウトはサーキットに留まり、自らW25のステアリングを握って周回を重ねた。ウーレンハウトはそれまでレースカーの設計経験こそなかったものの、ニュルブルクリンクは市販車のテスト走行で走りなれており、高速走行についても経験は豊富だったためレーシングカーの操縦も可能であり、自ら走り込みを行ってカラツィオラとブラウヒッチュが報告していた問題点の洗い出しを行った。 このテストにより、ウーレンハウトは同車の欠点がシャシー剛性の低さとサスペンションにあることを見抜き、「新型車を開発したほうが良い」という結論をナリンガーに報告し、翌年に向けた新車を設計するにあたり、シャシー剛性とサスペンションの路面追従性の向上を焦点とした開発が行われることになった。 こうして完成した新たな“シルバーアロー”メルセデス・ベンツ・W125は、1937年のグランプリ・シーズンを席巻し、前年の雪辱を果たすことに成功した。その翌年は、エンジン規則改正があったこともあり、新車W154を用意し、同車も1938年と翌1939年の選手権を圧倒した。 なお、W125に搭載されていたスーパーチャージャー付き直列8気筒5.6リッターエンジン(M125)はレース仕様でも600馬力近い出力を発揮していたとされており、そのため、W125はその高出力について特筆されることが多く、サーキットレースカーとしては1960年代中盤にグループ7カー(Can-AM)が登場するまで、グランプリカーとしては1980年代のターボ時代になるまでの期間、レース史上でも最もパワフルな車だったと特記される。
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W125の開発
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「モータースポーツにおけるメルセデス・ベンツ」の記事における「W125の開発」の解説
詳細は「メルセデス・ベンツ・W125」を参照 1934年に始まった「750㎏フォーミュラ」は元々の予定では1936年で終了し、1937年からは新しい車両規則が適用されるはずだった。しかし、新規定の「3リッターフォーミュラ」の内容が1936年半ばを過ぎてもまとまらなかったことから、「750㎏フォーミュラ」は1年延長され1937年も使用されることになった。 1935年8月、車両試験部門のナリンガーはウーレンハウトによる報告からW25ショートカーの改善すべき点をまとめ、「車体剛性の向上」、「フロントサスペンションのストローク確保」、「リアサスペンションの前後振れの規制」、「ホイールベースの延長」の4点を改善の骨子として、これを基にマックス・ヴァグナーが新たな車体を設計した。車体の剛性確保のため、フレームは鋼管の断面形状を従来の箱型断面から楕円断面に変更し、材質もニッケルクロムモリブデン鋼に変更した。この変更により捻じれ剛性はシャシーのみの状態で従来の3倍、エンジンを搭載した状態でも従来の2倍にまで強化された。 レース部門では1937年の新規定の導入が延期されるであろうことを技術陣は予想していたため、新規定車(W154)の設計と並行して、750㎏フォーミュラが延長された場合を想定した開発計画もあらかじめ温めていた。W125は1937年の1年のみの使用となることを承知の上で開発されたわけだが、そこには、新規定向けに構想していたコンセプトを先行投入して実戦で実験することは無駄にはならないという計算も働いていた。 ナリンガーが立てた方針は正しく、W125ではW25ショートカーで起きていた不具合は発生しなくなった。
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