RCA、NBC、トスカニーニとは? わかりやすく解説

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RCA、NBC、トスカニーニ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/05 15:18 UTC 版)

NBC交響楽団」の記事における「RCA、NBC、トスカニーニ」の解説

NBC交響楽団設立とその運営の実態については、以下のような証言報告がある。 1937年11月8日トスカニーニ自分と契約のため多く従業員解雇されるという報告を受け、NBCに関する契約破棄申し出たNBC側の交渉役サミュエル・チョチノフ(Samuel Chotzinoff)は驚き、「契約際し1名の音楽家解雇されません。それどころか、貴殿との契約によりNBCはフルオーケストラの創設にたどり着き需要増した技術広報報道各部署数名人員採用することとなりました」と虚偽返電送ったトスカニーニはチョチノフを友人考えていたため、(おそらく真実知らないまま)契約破棄思い留まったが、実際新規採用61名の代わりに局内オーケストラ多く楽員解雇されたと推測されている 。 また、NBC響を説明する際、決まり文句のように「トスカニーニひとりのために交響楽団設立」という表現使用されることが多いが、この点に関する疑義もある。すなわち、事実従来からの局内オーケストラ内に「NBC交響楽団」として活動するグループ組織しただけではないかという指摘である。 ハギンによると、楽員トスカニーニ指揮による週末コンサートリハーサル本番以外に、他の多く番組のための演奏参加せねばならず、その状態は1945年1月にブルーネットワーク(Blue Network)と呼ばれるラジオ放送系列NBC売却するまで続いたという。1945年以降半数局内オーケストラとの掛け持ち半数エキストラであり、後者にはジャズ演奏家含まれていたという。ハギンは、1950年までのNBC響の演奏最上と言えない理由として、楽員このような不安定な就労形態挙げている。 サックスによると、1938年時点局内オーケストラ人員115名であり、週30時間契約時間を「トスカニーニ用」と「その他の番組用」で折半することになっていたが、このことをトスカニーニには意図的に知らせなかったという。しかし1940年冬には、トスカニーニもこれらの事実の概要知った。 では、なぜNBCさまざまな無理を重ねて交響楽団持とうとしたのか。その背景として「ラジオ音楽を楽しむ」という放送文化当時発達途上であったという指摘がある。当然生じた同士競争優位に立ち、ラジオ受信機蓄音機レコード販売促進するという要請があったはずである。そこで、(トスカニーニへの敬意愛情でなく)この競争勝ち抜く戦略ひとつとして専属交響楽団設立企画されネームバリューのあったトスカニーニをひとつの有力な「駒」として起用したのだと推測されるサックスは、「(以下要約RCAトスカニーニを“資産”であると見なしたが、彼の存在に社の将来かかっているなどというばかげた考えをする者は社内にいなかった。むしろ、NBC響は費用対効果悪く全面的に解体すべきである考え取締役多かったと書いている。 事情明らかになるにつれ、トスカニーニにも不満が募ってきたが、NBC響は巨大企業RCA末端過ぎず要求出そうにもそれを聞くべき理事会そもそも存在しなかった。トスカニーニそれまで気に入らないことがあれば要求出し、それが受け入れられなければ去る」という態度歌劇場オーケストラ対峙してきたが、そのやり方20世紀米国大企業には通用しなかった。 山田治生は、「NBC響はトスカニーニのために用意されオーケストラであったが、トスカニーニオーケストラではなかった」「ある意味NBC響は親会社であるRCAという大企業アクセサリーに過ぎなかったともいえる。トスカニーニにしてもNBC響の音楽監督ではなく人事権もなく、組織の中で確固としたポジション持っているわけでもなかった」と述べている。

※この「RCA、NBC、トスカニーニ」の解説は、「NBC交響楽団」の解説の一部です。
「RCA、NBC、トスカニーニ」を含む「NBC交響楽団」の記事については、「NBC交響楽団」の概要を参照ください。

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