ミラージュ
イギリスのコンストラクター。1950年代にアストンマーティンのワークスチームの監督を務めたジョン・ワイアが67年に設立。初代(67年)はフォードGT40の改造マシンだったが、72年には2代目としてオリジナルのスポーツ・プロトタイプ(エンジンはフォード・コスワースDFV)を開発して耐久レースに出場した。しかし、フェラーリやマトラといった強力なライバルの前に、73年のスパでガルフ・ミラージュM6が1勝をあげたにとどまった。75年にはボディを空力に優れたものに変更したマシン、ガルフGR8でルマンに出場してこれを制し、その後もエンジンをルノーのターボV6に変更するなどして、79年まで出場しつづけた。
ミラージュ
ミラージュとは英語で蜃気楼、妄想、空中楼閣などを意味する。スタイリング、スペース、メカニズムに予感以上のものがあることから命名した。初代は1978年3月発売。3ドアハッチバックのFF車で、エンジンは1.2Lと1.4Lだった。6か月後の9月、5ドアハッチバック車を追加。3ドアのホイールベースは2300mmだが、5ドアのそれは2380mmに延びていた。副変速機付き4速MT。79年3月、1.4L搭載車に3速ATを新設定、同時に1600GT(2ドア)を発売した。
82年2月、マイナーチェンジでミラージュⅡへ。セダン型を追加したことが大きな変化で、エンジン関係では1.4Lターボと可変排気量(休筒)エンジン、MDを採用。
83年10月、フルモデルチェンジ、2代目。3ドアハッチバック、5ドアハッチバック、セダンの3ボディをそろえ、エンジンはガソリン1.3L、1.5L、1.5LMD、1.6Lターボの4種に加えて、初めてディーゼル(1.8L)を導入した。 85年2月、ワゴンを新発売。FF車で、1.5Lガソリンと1.8Lのディーゼルエンジンがあった。86年2月のマイナーチェンジでは、エンジンを新し<するとともにELC4速ATを採用。8月にはワゴンに1.8Lエンジン搭載のフルタイム4WD車を追加した。
87年10月、3ドアハッチバック車をフルモデルチェンジ、88年1月にはセダンも3代目に進んだ。ハッチバックはファビオ(英語で素敵なという意味。ラクラク装備の新感覚女性訴求車)、スウィフト(英語で速い、俊敏なという意味。キビキビ走る知的面白車)、ザイビクス(無限の可能性を秘めた新遊び提案車。おもしろ改装、2シーター車)、サイボーグ(英語で超能力人間の意味をもっか高感度・高性能車)というシリーズに分かれた。とくに個性的なのがザイビクス、2シーターでリヤ部分はオーナーの好みでいかようにもなるというもの(例えばオーディオリレームに)。性能面ではサイボーグが傑出しており、1.6L・DOHCターボ145psエンジンを積んでいた。これも含めてエンジンは全部で5種類。
3代目セダンのホイールベースは3ドアハッチバック車よりも70mm長い2455mmで、後席の居住性をよくしていた。エンジンはハッチバックと同じ5種のガソリンと、ディーゼルの1.8Lがあった。グレードはヴィー、サイボーグ、ファビオの3種。4WD仕様を設定したのも特色だった。
91年10月、4代目となるフルモデルチェンジがあった。このときは3ドアハッチバック、セダン両タイプが同時に衣替えした。スタイリングは前後部分が強い平面絞りの、全体に丸みを帯びたかたちになった。セダンのウインドウは、いわゆる6ライトであるのが新しかった。ホイールベースは3ドアハッチバック車が2440mm、セダンは2500mmに延びた。エンジンは1.3L、1.5L(通常型とMVV)、1.6Lの直4とV6、1.8Lのディーゼルターボと多種。駆動方式はFFと4WDがあった。
93年5月、クーペ型のアスティ(英語のASTIR=活気ある、からとったもの)がデビューした。1.3Lと1.5Lエンジンを積み、駆動はFF。94年1月には、1.6L・DOHCのMIVECエンジンを搭載したスーパーアスティを特別仕様車として発売した。同じ月、バンパーやリヤスポイラーなどのデザインを変え、技術面ではファジー4速ATの採用などがあった。
95年10月、フルモデルチェンジ。5代目。3ドアハッチバック車のテールはシャープな面となり、セダンはランサーと同一のボディになった。エンジンは1.3L、1.5L、1.6L・MIVECほか合計7機種と豊富だった。ミッションは一部にスポーツモード付きINVECS-Ⅱ・4速ATを採用。2か月遅れの12月、アスティも新型に生まれ変わった。エンジンは3機種、駆動はFF。この世代で、リヤサスペンションがマルチリンクに進化した。
98年10月に新類別モデル(3ドアモダークリミテッド、4ドアエクシード、アスティ・スポーツ1300/スポーツ1500/RXバージョンRなど)を追加したが、2000年4月をもって生産を中止、名前はディンゴへと引き継がれた。
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