G∴D∴(黄金の夜明け)団
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「銀の星」の記事における「G∴D∴(黄金の夜明け)団」の解説
新参者(Neophyte、ニーオファイト) (1°=10□):この位階の名称はギリシャ語の neophytos(「新たに企てられた」という意味)に由来する。「新参者」位階は真の秘儀参入が行われる最初の位階であり、志願者は成長の場である肥沃な霊的土壌に身を置く。「新参者」は「自己存在の本性と能力の制御」を達成するという課題を科せられる。これは「界層の上昇」技法の習得と活用、換言すれば星幽界の完全な制御を獲得することによって遂行される。「熱心者」の位階への参入は最短で8ヶ月後に受けられ、The Passing through the Tuat という儀式を通じて行われる。この位階は生命の樹のマルクトに対応する。 熱心者(Zelator、ジーレイター) (2°=9□):「熱心者」の主な作業はアーサナ(座法)とプラーナーヤーマ(調息)の完全な成功をおさめることである。彼はまた、薔薇十字の術式の学習を開始する。"Zelator" という言葉はおそらくギリシャ語の zealos (熱意)から派生している。これは、この位階の主要訓練を特徴づけている、エネルギー形成的技法であるアーサナとプラーナーヤーマに関連している。この位階の誓約書では、「熱心者」は「自己存在の基礎を制御することを達成すること」となっている。それはこの位階がイェソドのセフィラに関連づけられているからである。「実践者」への昇進は書類上のみで参入儀式は要求されず、与えられる時期の制約はない。この位階は生命の樹のイェソドに対応する。 実践者(Practicus、プラクティカス) (3°=8□):「実践者」は知的訓練を完了すること、特にカバラを学習することが期待される。この位階の名称は、それ以前の位階で獲得した技能を「実際に」活用するということを示唆している。「実践者」は「自己存在の制御を達成すること」が要求される。それは自身の思考を制御することを会得するということであり、思考・言葉・行為を一点に集中させることができるようになるということである。「哲学者」への昇進は「実践者」への昇進同様、書類上のみで時期の制約なく与えられる。この位階は生命の樹のホドに対応する。 哲学者(Philosophus、フィロソファス) (4°=7□):「哲学者」は道徳的訓練を完了することを期待される。「哲学者」は団に対する忠誠が試される。特にこの位階は、『アスタルテの書』で概説されているような様々な神格への崇拝に専心することを重視している。この位階の誓約は次のように特徴づけられる。「哲学者」は「自己存在の誘引と反発の制御を達成」しようと決意する。この努力はまず第一に、自身の好きなものと嫌いなものを超越すること、意図的に道徳を無視すること、といったようなことに向けられる。この目的は、自己に組み込まれた固定観念を脱却し、完全に平静を保った観点に達することである。この過程の完成をもって「境界の主」への昇進となる。昇進の時期の指定も所定の儀式もない。この位階は生命の樹のネツァクに対応する。 「煩悩」も参照 境界の主(Dominus Liminis、ドミナス・リミニス) (中継位階):「境界の主」位階は、イェソドを中心とする外陣であるG∴D∴団と、ティファレトを中心とするR∴C∴団をつなぐ「橋」である。「境界の主」の作業は、それ以前の位階の作業を拡張し精錬させ、これを整合性の取れた統一体へと統合することである。「新参者」の自己統制、「熱心者」のエネルギー、「実践者」の一点集中、「哲学者」の中立性は融合して、熱望の力を強化し精錬させる作業へと転ずる。実際、この位階の誓約はまさにそれで、「自己存在の熱望の制御を達成すること」となっている。Dominus Liminis という名称は「境界の主」(Dominus:ラテン語の主格「主」、Liminis:ラテン語の所有格「境界の」)を意味し、マグレガー・マサースの旧・黄金の夜明け団の「門の主」(Lord of the Portal、予備門の小径の主)を置き換えたものである。ここで言う「門」(入り口)ないし「境界」(敷居)とは、秘儀参入者がまさに外陣であるGDの小密儀から内陣であるRR & AC(紅薔薇=黄金十字)の大密儀へと通過しようとしているという事実を指し示すものである。
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