小密儀
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 16:02 UTC 版)
小密儀は毎年2月、アッティカ暦のアンテステーリオーンに執り行われた。ケレーニイによると、小密儀は参加者が入信の資格を得るためのもので、デーメーテールとペルセポネーに子豚を犠牲として捧げ、イリソス川で浄めの儀式を行った。小密儀を終えると参加者たちは大密儀に立ち会うにふさわしい「密儀者たち(ミュスタイ)」と見なされた。小密儀に参加した入信者たちは、同じ年の大密儀には参加できず、翌年の大密儀に参加するしきたりとなっていた。 伝説によれば、小密儀はヘーラクレースに課された「12の難行」の最後の冒険と関わっている。ヘーラクレースは冥府の番犬ケルベロスを生け捕ってくることを命じられたが、人間が生きたまま冥府に下るには、エレウシスの秘儀に入信することが必要だった。当時の密儀は他国人にはまだ開かれておらず、ヘーラクレースは最高祭司のエウモルポスを訪ねてピュリオスの養子となり、イリソス川で沐浴してケンタウロス殺戮による「血の穢れ」を浄められたのち、入信を許されたという。
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