Concerto pour piano et orchestre f-Moll Op.21 CT48とは? わかりやすく解説

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ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調

英語表記/番号出版情報
ショパンピアノ協奏曲第2番 ヘ短調Concerto pour piano et orchestre f-Moll Op.21 CT48作曲年: 1829-30年  出版年1836年  初版出版地/出版社Leipzig, Paris and London  献呈先: Comtesse Delphine Potocka n&eacutee de Komar

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 第1楽章 Mov.1 Maestoso1400 No Image
2 第2楽章 Mov.2 Larghetto9分30秒 No Image
3 第3楽章 Mov.3 Allegro Vivace8分30秒 No Image

作品解説

2010年3月 執筆者: 岡田 安樹浩

ショパン最初ピアノ協奏曲第2番)は、1829年着手され翌年完成された。ショパンは既に『ラ・チ・ダレム・ラ・マノの主題による変奏曲』や『クラコヴィアク』といった管弦楽伴ってピアノ技巧披露する作品作曲しており、ワルシャワのみでなくウィーンでも成功収めていた。しかし彼は、自身更なる成功のためには3楽章構成の「協奏曲」が必要だ感じていた。それは、フンメルフィールドといった当時ヴィルトゥオーゾたちが、古典的な形式によるピアノ協奏曲によって圧倒的な成功収めていたことに大い影響されてのことであり、ショパンピアノ協奏曲は、当然ながら彼らの作品様式延長線上に位置づけられる。
しばしば指摘されるオーケストラ部分貧弱さは、ショパンピアノ協奏曲シューマンブラームスといったシンフォニー作曲家のそれとは本質的に異なっているためであり、これを議論することは無益である。またヤン・エキエル指摘しているように、作曲者自身オーケストレイション行ったという確かな証拠はなく、別人の手によって行われた可能性も高い。他方で、作品の構成面での薄弱さもつとに指摘されるところである。近年は、こうした作品弱点を、若き天才独創性などとして肯定的にとらえる傾向認められるが、それは作品本質見誤ることになる。
例えば以下で述べるように、この協奏曲第1楽章調性構造は、ソナタ形式基本原理矛盾している。ショパンはこの協奏曲以前に、ハ短調の『ピアノ・ソナタ』や『ピアノ三重奏曲』などのソナタ形式をもつ楽曲を、習作という位置づけ作曲しているが、いずれにおいても調の設定古典的なソナタ形式規範無視している。
このことは、ヘ短調協奏曲や、次作ホ短調協奏曲における調性構造薄弱さと無関係ではなく当時ショパン未だ形式和声の面で、古典十分に消化できていなかったことを反映している。従って、こうした点を安易に独創性」と肯定的に捉えることは、若きショパンの姿を歪めることになると言える。すなわち、ワルシャワ時代ショパン美徳は、何よりもまずベルカント的な旋律美、そして華やかなヴィルトゥオーゾ・パッセージであって楽曲の構成二の次のである
このような理解は、作曲家としてのショパン貶めるものではなく演奏者認識しておかなければならない重要な点であろう


第1楽章 ヘ短調 4分の4拍子
しばしば協奏曲風のソナタ形式として説明されるが、ソナタ形式前半における調性対立後半において解決するという調性的な枠組み前提として理解する以上、この楽章2つ主題の提示とそれらの再現をもつ3部形式、ないし2部形式である。
まずオーケストラのみによって、ヘ短調変イ長調による2つ主題提示が行われ、続いて独奏ピアノが、装飾加えながら両主題繰り返すこうした構成法は、たしかに協奏曲風のソナタ形式典型的なのである。そして推移部が拡大され独奏ピアノ技巧的パッセージ見せ場となる。
展開部風の第2部(第205小節~)は、ヘ短調主題動機を主とした推移的部分である。オーケストラがこの動機ゼクエンツ風に繰り返すなか、独奏ピアノ即興的なパッセージ展開するオーケストラ総奏楽章頂点を築くと、すぐに沈静化して冒頭主題ピアノ再現される(第268小節~)。この楽章3部形式とすするならば、ここから第3部ということになる。
ヘ短調主題続いて、すぐに変イ長調主題調性を移すことなくあらわれる。そして、技巧的パッセージによる推移部となり、冒頭主題回帰するコーダをもって楽章閉じられる

第2楽章 変イ長調 4分の4拍子
1・3楽章先立って成立した叙情的な楽章作曲者自身言説によれば、彼が当時理想の人」と呼んだコンスタンツヤを思って作曲したのだという。
弦楽合奏の短い導入続いて独奏ピアノによってノクターン風の主題歌われる
楽章全体通して独奏ピアノ様々な装飾駆使して旋律歌ってゆく。最後に導入部主題回帰して楽章閉じる。

第3楽章 ヘ短調 4分の3拍子
ロンド説明されることが多いが、舞曲形式拡大した2部形式みるべきだろう。
クヤヴィアク風の主題独奏ピアノによって提示されるオーケストラエピソード続いて独奏ピアノによる技巧的パッセージ連鎖始まりマズルカリズムにのって次々と楽想展開してゆく。とりわけ、8分3連音符付点リズム特徴的なユニゾン楽想(第145小節~)は、この楽章全体民俗音楽的な雰囲気を一層高めることに貢献している。
冒頭主題回帰して後半部分となるが(第325小節~)、オーケストラによるエピソード末尾変形されヘ長調(同主長調)へと転じるピアノ技巧的パッセージ経てマズルカ風の楽想回帰して楽曲閉じる。




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