8-12世紀 北西ヨーロッパとは? わかりやすく解説

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8-12世紀 北西ヨーロッパ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 15:46 UTC 版)

ミニアチュール」の記事における「8-12世紀 北西ヨーロッパ」の解説

西ヨーロッパ写本彩飾画派は、写本装飾のみを目的としていた。メロヴィング朝時代写本北イタリア(ロンバルディア)・フランク王国周辺画派による写本スペイン写本ブリテン諸島インスラ美術(en:Insular art)による作品、これらのいずれにも人物描写はほとんど見つからずミニアチュール人体写実よりも装飾中心としての役割果たしている。 アングロサクソン画派カンタベリーウィンチェスターで特に盛んであったが、彼らはおそらくビザンティン美術影響をほとんど受けずローマ古典原型にして人物の自由な描写作り上げた思われる10~11世紀、この画派ミニアチュール最大特色は、はっきりとした輪郭描写にある。これはこの後世紀わたってイギリスミニアチュール影響与えたが、西ヨーロッパミニアチュール発展本筋からは外れていた。 カロリング朝君主らの下では、古典原型元にする画派生まれたが、これは主にビザンティン美術元にしていた。カール大帝奨励起源とする画派において、ミニアチュール2つ様式分かれた。ひとつはビザンティン美術様式に基づくきわめて因習的なミニアチュールで、題材は主に福音伝道者や皇帝といった、決まった人物の肖像であった紙面豪華に彩り・縁どりが行われ、通常は自然の風景用いられず、決まったパターン構造的な背景用いられた。この画派縁取り飾り文字装飾加わり、後の大陸西方画派原型となった一方で写本挿絵目的とするミニアチュールもあり、聖書各シーンなどが題材であった。こちらのミニアチュールにはより自由な描写認められており、ビザンティン風の因習的なものとは違う、ローマ倣った写実主義見受けられる南方アングロサクソン芸術家によるミニアチュールは、肌色いっぱいに塗る手法や金を惜しまず使う装飾などカロリング朝画派からの影響受けたウィンチェスター司教の聖エセルワルドの聖別書(英語版)(963年-984年)などでは、一連のミニアチュール土着の技法描かれながらも、外部技術影響とみられるくすんだ色の顔料彩色されている。とはいっても彩色の手自体は、本質的にはやはり土着のものであった。これは人物の扱い方・服の襞をはためかせる傾向などからうかがえる。この技法改良加えられ手足不自然に強調することが多くなった。ノルマン・コンクエストによって、この土着の画派姿を消した12世紀美術目覚めにともない写本装飾は強い衝撃受けた当時芸術家描線飾り文字優れていたが、ミニアチュールでは、太い輪郭と服の襞の注意深い観察による力強い筆致特徴のひとつである。芸術家たちは人物描写により習熟し、まだ因習沿って同じ描写繰り返し用い傾向はあったものの、個々努力によって高貴な人物のミニアチュール多く生まれたノルマン・コンクエストによってイングランド大陸美術中に組み込まれることになった。フランス・イングランド・フランドルの画派交流深めて成長し、共通の情熱によって活動したその結果12世紀後半以降北西ヨーロッパ格調高い写本装飾作品生まれた。 だが、自然の風景についていえば、岩や木といった紋切り型記号見受けられる以外はほとんど描かれなかった。12世紀からの数世紀ミニアチュールは、人物をさらに強調した装飾手段となったのである。この流れから、(大抵つや出しされた)金で空白全体埋めてしまう技法生まれたビザンティン画派でも行われていた豪奢な装飾法である。この後時代にも受け継がれる神聖視される人物の扱い定型化特徴。これらの人物敬意を示すために古い時代伝統的なローブ着込んでおり、同じシーン他の人物は、当時の普通の服を着ている。

※この「8-12世紀 北西ヨーロッパ」の解説は、「ミニアチュール」の解説の一部です。
「8-12世紀 北西ヨーロッパ」を含む「ミニアチュール」の記事については、「ミニアチュール」の概要を参照ください。

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