777-8X(開発中)/777-9
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「ボーイング777」の記事における「777-8X(開発中)/777-9」の解説
詳細は「ボーイング777X」を参照 ボーイング社は、現行の777型からさらなる改善を検討している。その改善として検討されている型式であり、概要は以下の通り。 目標は、翼の大型化による揚抗比の改善、新型エンジンGE9Xによる10%の比燃費改善、機体全般での材質変更などと合わせて、1席当たり15%の燃費改善である。機体としては、新大型翼周りの胴体の最適化と、777-300ER型(3クラス365席仕様)比で胴体の延長と短縮を計画している。777-8は777-300ERより胴体を短縮、777-9は777-300ERより胴体を延長する。対抗機種としては、A350-1000XWB。2013年後半の787-9の就航に続くワイドボディ機の就航として時期を見計らっている。なお、標準座席仕様は777-8Xが353席、-9Xは407席を見込んでいる。 777ファミリーとしては、777-200型から777-300型への増席以来、2回目の大幅の座席数変更となる。具体的な変更点として、主翼幅が777-300ER型が64.8mであるのに対し71.3mとなる(747-8より3m広がる)。しかし2014年現在の各主要空港施設設計では駐機スペースの間隔が狭く、隣在する施設の使用にも制限する必要があるので、主翼に折り畳む機能を装備して地上では全幅を64.8mにし従来機のサイズに対応できる計画である。この主翼折りたたみ方式は従来の777でもオプション装備できる計画があったが、折りたたみ機構装備による機体重量増やメンテナンス性の低下を恐れた航空会社側から導入を敬遠された経緯があったり、また、この主翼折りたたみ方式は離陸前に必ず展開する必要があるがどの時点で展開するか、展開忘れを防止する装置を追加したり、検討する課題も多く、今後機体製造の過程でこの方法が標準装備されるかは不透明である。 主翼の素材が777-300ER型が金属製であるのに対し炭素繊維となること、が挙げられる。一方で、使用エンジンは777-300ER型と同様にGE90が検討されているが、スケールダウンがなされる予定である(計画名:GE9X)。このエンジンはGEnxを基盤とした技術を導入し、タービンセクションにはセラミック母材の複合材が使用される。エンジンの仕様は777-300ER型に搭載されている直径3.43m・推力115000ポンドのGE90-115Bに対し、GE9Xは直径3.25mそして15500ポンド減の推力99500ポンドと、GE90-115Bに対して直径・推力共にダウンサイジングとなる予定である。この計画が実現に至れば、777ファミリーで初めて複合材料が使用そして製造されることとなり、777の歴史で大きな変化が遂げられることとなる。 加えて検討の一部ではあるが、747-8や737ファミリーでも実施したように、新しい787スタイルのLED照明と大型手荷物入れなどの内装を取り入れることを予定している。コクピットではボーイングは将来型航空管制管理システムに合わせた電子機器を考えており、787のARINC 629基準を取り入れ、777にも電子化が進められる予定である。なおバッテリーは2013年1月以降に787のバッテリートラブルが多発したことを受け、従来のB777シリーズで販売されているタイプと同じくニッケルカドミウム電池が搭載される。777-8/-9が開発されることにより、ボーイングは、標準座席仕様・330席の787-10から同仕様・467席の747-8までの全ての座席仕様を網羅することが可能となる。 2013年9月19日、ルフトハンザドイツ航空が777-9を34機確定発注(オプション7機、最大64機)。 2013年11月17日、ドバイ・エアショーで、現777ファミリーを全て所有するエミレーツ航空から150機、エティハド航空から25機、カタール航空から50機の発注を受けて、正式にプログラムローンチを決めた。 2014年3月27日、全日本空輸はボーイング777-300ERの後継機として、20機の777-9の導入を決めた。2016年1月に全日空が発表したA380及びB787シリーズと共に、777-9が同社の次世代主力ワイドボディ旅客機となる。「B777-9」は2017年製造開始、2020年初号機引渡しを目指す。 2020年1月26日(現地時間1月25日午前10時9分頃)にB777-9が、初飛行に成功した。
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