6月1日の誕生花

実用日本語表現辞典

6月1日の誕生花

誕生花は生まれた月日にちなんだ花であり、それぞれの月日ごとに異なる品種が決められている。国や年代ごとに誕生花の種類は異なるが、もっとも広く知られているのが古代ギリシア・ローマの神話に基づいた誕生花だ。神話では自然界だけではなく時間という概念にも神が存在していると描写され、該当する月日に咲く花はその時間を司る神のお告げが込められていると信じられていた。誕生花の設定は神のお告げを理解し、幸せに暮らすことを目的とした研究の結果と言える。6月は結婚や出産を司る神が守護する月であり、1日はその月の最初の日という特別な時間だ。そのため、6月1日の誕生花は結婚や出産、家族愛に関する強い意味を持つ花が選ばれている。

6月1日の誕生花一覧

6月1日生まれの誕生花は「赤いバラ」「カスミソウ」「マトリカリア」などがある。

■赤いバラ
バラは人類の歴史に深く関わる花であり、紀元前1500年頃には古代オリエントで観賞用に栽培されていた。古代ギリシア・ローマでは赤いバラが愛の女神ヴィーナスの化身とされ、イスラム教の教えでは唯一神アッラーのシンボルと解釈された。バラの赤い色は血の色と同じであり、ここから赤いバラはその人の本心を示すとも言われている。決意や覚悟を意味する花であり、男女の愛はその人のすべてを懸けるほどに尊いものとされていた。そのため、赤いバラは愛を象徴するのに相応しい花と見なされたのである。

#赤いバラの花言葉
赤いバラの花言葉は「情熱」「美」「あなたを愛します」である。

いずれも恋愛に関する意味があり、赤いバラが流行した中世から近代のヨーロッパでは男女の愛、特に結婚を祝福する意味で解釈された。「情熱」は恋に燃える心、「美」は愛する人を称える言葉、「あなたを愛します」はプロポーズ及び、永遠の伴侶となる誓いの言葉である。


■カスミソウ
カスミソウは一つの茎から幾つもの小さい花を咲かせる品種であり、白色などの淡い色合いと控えめな形状から他の花を引き立てる飾りとして用いられることが多い。一方で激しい自己主張をしない素朴な雰囲気が気品と優雅さを感じさせることから、世界的に愛されている花でもある。ひと口でカスミソウとまとめられることが多いものの、実際は様々な近縁種が存在している。

#カスミソウの花言葉
カスミソウには「無垢の愛」「幸福」「清らかな心」などの花言葉がある。男女の愛は汚れのない無垢なものとされ、そのような愛の心を抱くのは幸福なことと解釈される。また、相手を想う愛を感じるのは清らかな心を持っていることの証でもあった。カスミソウは派手ではないものの気品のある美しさが特徴的な花であり、その点が無垢で清らかなイメージを生んだとされている。


■マトリカリア
マーガレットに似た白い花弁の花を咲かせるマトリカリアは解熱作用のある薬草としても知られ、ラテン語の読みを由来としたフィーバーフューの別称もある。生命力が強い常緑性の品種であることから、永遠に続くことが望まれる男女の愛を象徴する花として尊ばれた。寒さに強い一方で暑さにはやや弱い性質を持つマトリカリアは、周囲の迫害には耐えるが他の人からのアプローチには揺れやすい恋心の象徴と見なされることもある。そのため、一部の地域では夫婦にマトリカリアを贈るのは失礼な行為とされている。

#マトリカリアの花言葉
マトリカリアの花言葉には「鎮静」「集う喜び」「楽しみ」がある。

「鎮静」の花言葉はマトリカリアが薬草として使われていたことに由来する他、不安や怒りなどで心が揺れていても愛する人を想えば落ち着くことから用いられた説もある。夫婦は愛する男女が常に集う間柄であり、他の何物にも代えがたい喜びとされる。愛する男女は肩を並べるだけでも楽しみであり、愛の心を抱くことが人生の喜びと解釈される。

（2022年5月25日更新）