4車線化に向けた動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 23:06 UTC 版)
「磐越自動車道」の記事における「4車線化に向けた動き」の解説
磐越道は1997年(平成9年)の全線開通以降も拡幅工事が順次進められ、会津若松IC以東では2008年(平成20年)に4車線化が完成した。一方で会津若松IC以西においては、区間の殆どがICや休憩施設周辺の本線合流部を除き暫定2車線区間であり、このうち事故の多い三川ICから阿賀野川SAにかけての一部区間(約1.5 km)で2013年(平成25年)11月から2017年(平成29年)11月まで4車線化整備が進められたほか、2019年度(平成31年度・令和元年度)からは土砂災害防止のため阿賀野川SAから安田ICにかけての区間(約5.1 km)で4車線化整備が始まったが、全線4車線化の見通しは立っていない。これは、4車線化整備の目安となる交通量が1日1万台とされるなかで、既に整備済みの猪苗代磐梯高原IC - 会津若松ICなど東側区間が1万3千台を数えるのに対し、未整備区間の会津若松より西側区間では最大となる新潟中央IC - 新津IC間ですら8千台余りという交通量の実績(いずれも2010年度)がそのまま反映された形となっている。路線全体で見ても対面通行区間の延長は約95.2 kmと道路全体の約半分にのぼるため、特に路面状況が悪化する冬季期間においては安全面の問題が指摘されている。 磐越道は太平洋と日本海を単独で結ぶ国内唯一の高速道路であり、東日本大震災や2011年の新潟・福島豪雨の際には指定道路として緊急車両や資材運搬車両の往来に活用され、被災地を支える“命の道”として機能したほか、震災以降新潟東港の取り扱いコンテナ量が増えたため磐越道を通行する大型車の数が増えるなど、その重要性も見直されている。 こうした状況を踏まえ福島県と新潟県の沿線の8つの商工会議所は、2012年(平成24年)5月7日に北陸地方整備局、同年5月10日に東北地方整備局に、それぞれ全線4車線化に向けた要望書を連名で提出した。これに対し北陸整備局長は「次の4車線化の候補にはなってくると思われる」「財源の問題、交通量を踏まえ今後の検討課題」と応じ、東北整備局長も「縦軸ばかりでなく、横方面の安定した交通軸は重要」と回答している。 また太田昭宏国土交通相(当時)は2015年(平成27年)9月8日の参議院国土交通委員会にて、常磐道暫定区間の4車線化とともに磐越道の4車線化にも言及し、「交通量は比較的少ないが、大雪で閉ざされる課題もある。優先順位を明確にした上で対策を検討」と述べ、国土交通省として同年10月の高速自動車国道法施行令の改正後の整備計画策定に向けて含みを残している。 その後、2019年(平成31年)には国交省より、全国約1600 kmの有料高速道路の対面通行区間の内、およそその半分にあたる約880kmの4車線化を優先する方針が出され、磐越自動車道の一部がそれに該当した。会津若松ICから安田ICの間約71kmを優先整備区間に選定して、10年から15年で完成を目指す方針が出されたが、安田ICから新潟中央JCTの間約25kmについては、4車線化を優先する区間に含まれなかった。
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