4両編成化および各種改良
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 07:10 UTC 版)
「名鉄3400系電車」の記事における「4両編成化および各種改良」の解説
1953年(昭和28年)8月にはさらに中間付随車サ2450形2451 - 2453が増備され、全編成とも4両固定編成化された。これは当時の最新型車両である3850系および3900系と合わせて、本線特急運用に充当する4両編成の車両を確保するための措置である。 サ2450形の新製に際しては、モ3450形新製当時に作成された設計図面「組-2-ハ-9368」がそのまま流用され、車体設計・外観ともモ3450形と同一仕様である。ただし、台車が3900系ク2900形と同一のボルスタアンカー付一体鋳鋼製軸ばね式台車の住友金属工業FS13に変更されたほか、車内照明が蛍光灯式に改良され、40 Wの管型蛍光灯2本を1つの角型カバーに収めた照明機器を車内天井中央部に設置した。座席はモ3450形と同様に全席転換クロスシート仕様である。また、車体塗装は本系列落成以来の下半分緑色・上半分淡緑色の2色塗装から、3850系および3900系と同一の下半分マルーン・上半分ピンクの2色塗装(スカート部は赤みがかった薄黄土色)という、3850系の新製以来採用された当時の名鉄の優等列車用車両における標準塗装に変更された。 4両編成化後の3401編成 車内整備施工後の3400系車内 サ2450形の組み込みに際しては、既存のモ3400形・モ3450形・ク2400形についてサ2450形と仕様を統一するため塗装変更と車内照明の蛍光灯化が施工されたほか、モ3400形・ク2400形については側窓構造を従来の一段上昇式から二段上昇式に改造し、さらに戦中にロングシート化された車端部座席の転換クロスシート化が施工された。 1953年(昭和28年)8月までに全3編成が4両編成化および各種整備を完了し、本系列は再び本線系統の優等列車運用へ充当された。 その後、1955年(昭和30年)に名鉄初のカルダン駆動車である5000系(初代)が導入され、1957年(昭和32年)に5000系(初代)の改良版である5200系が、さらに1959年(昭和34年)には特別料金を不要とする列車用の車両としては日本初の量産型冷房車である5500系が順次導入されたことに伴って、本系列をはじめとした吊り掛け駆動車が本線系統における特急運用に充当される機会は減少した。そして1961年(昭和36年)には7000系「パノラマカー」が導入されたことに伴い、本系列は本線系統における特急運用から撤退し支線区直通の特急・急行運用に転用された。 なおこの間、1956年(昭和31年)にモ3400形・ク2400形のパンタグラフが東洋電機製造PT-42Fに換装され、1957年(昭和32年)には不具合を頻発した停止用発電制動の使用停止措置が取られた。さらに本線系統の特急運用から撤退した後の1963年(昭和38年)10月以降、多客時の収容力増大を目的として客用扉周辺のクロスシート撤去による立席スペースの拡大が施工された。先頭車モ3400形・ク2400形で計2脚、中間車モ3450形・サ2450形で計4脚のクロスシートが撤去されたほか、モ3400形・ク2400形については前位側客用扉後部の側窓2枚分に相当する部分をロングシートとした。また、同時期には車体断面と同一形状の大型貫通幌を廃止して貫通扉幅に合わせた一般的な貫通幌に交換され、車内では天井部照明機器の蛍光灯カバーが撤去された。 3400系 車両形式図(1964年当時) モ3400形(ク2400形も同一) サ2450形 モ3450形
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