2017年 -7度目の角番で大関陥落-
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「琴奨菊和弘」の記事における「2017年 -7度目の角番で大関陥落-」の解説
7度目の角番ながら前年の初場所に続いての連覇と横綱への昇進を目指し稽古場でも稀勢の里を圧倒すなど好調な様子を見せ、歴代10位タイとなる32場所目の大関在位で挑んだ初場所は初日勝利。しかし、翌日に早くも黒星。3日目は勝利するもその後連敗。早くも初場所連覇を目指していた優勝争いから脱落しそれどころか6日目で4敗と角番脱出に苦しい星になる。琴奨菊は「しっかり自分を立て直して、一つ良い相撲を取れば違ってくると思う。それまで我慢ですかね」と話し気持ちを切り替えていた。また、7日目に西横綱の日馬富士が休場したため対戦機会が消滅し角番脱出に追い風が吹いた。しかし、7日目の高安戦は故障を抱える足がついていかずはたきを残せずバッタリと土俵に落ちて敗北し5敗といよいよ苦しくなり、翌日も松鳳山に小手投げで敗戦し4日目から5連敗で6敗目。これに佐渡ケ嶽親方は角番で関脇に陥落しても引退はさせない考えで「すぐに10勝すれば大関に戻れる。諦めたら終わり。はい上がった姿こそが尊い」と奮起を促した。その甲斐あってか9日目に全勝だった大関・稀勢の里を寄り切りで倒し連敗をストップさせ3勝目をあげた。この白星について琴奨菊は「やるべきことをやった。よく我慢できた」と手ごたえを口にし連敗を止めるため安易な張り差しで墓穴を掘るなどしていた相撲内容を反省し、この日の立合いは部屋の若い衆の考えを聞いて決めたとのこと。そして残り6日での逆転角番脱出へ気合いを入れていた。だが、翌日大関・豪栄道に7敗目を喫し、いよいよ大関陥落へ後が無くなった。琴奨菊は風呂場で思わず「あーっ!」と叫び、支度部屋では「まあしゃあない。うーん。はあ…強くならんとアカン。それだけ。我慢して、我慢して、強くならないと」「よっしゃよっしゃ、明日頑張ろう」と自分に言い聞かせ最後まで諦めない様子を見せていたが、11日目は横綱・鶴竜が休場したため不戦勝となり幸運な形で4勝目をあげた。しかし、翌12日目に新関脇・玉鷲に押し出しで破れて力尽き、ついに32場所在位した大関から関脇への陥落が決定し、前年初優勝した初場所とは明暗がはっきりわかれる場所となった。対戦相手の玉鷲はこの一番が琴奨菊の大関陥落を決定させる8敗目となる取組相手となり、玉鷲が大関からの引導を渡す形になった。この取組について玉鷲は「涙が出そうだった」と声を詰まらせ、二所ノ関一門である大関とは「十数年一緒に戦ってきた」という間柄だが「勝負の世界」と情け無用で一番に臨んだとのこと。玉鷲は「悲しいより、いい方に考える」と前向きに捉え、琴奨菊については「次の場所頑張って、絶対また上がってくる」と話した。琴奨菊は「まあ、これが今の力だと思う。まだ場所中ですから、気持ちをしっかり切り替えて、やるべきことをやる。負けて終わりじゃないから。辞めたら終わりだから。しっかりと気持ちを立て直してやっていきたい」と引退や休場はせずに残りの3日も相撲を取り続ける考えを示した。この日の解説は大関特例復帰を2度果たしている栃東の玉ノ井親方であり「腰が高い。土俵際で体が伸びあがっている。満身創痍だろう」と語り、それでも「土俵の感覚を整えて、挑戦者の気持ちで行った方がいい」と来場所のために残り3日間の出場を勧めていた。佐渡ケ嶽親方は「落ちるのは恥ずかしいことじゃない。はい上がる方が格好いいじゃないか」と来場所へ向けて鼓舞した。また、4年前の1月19日は二所ノ関一門の元横綱・大鵬の納谷幸喜が死去した日で琴奨菊は朝稽古で「自分の相撲を見せられたら」と語っていたが厳しい結果になってしまった。大関陥落は琴欧洲(途中休場により大関陥落決定)以来3年2ヶ月(19場所)ぶり16人(19度)目で、相撲を取っての大関陥落決定は2009年11月場所10日目の千代大海の対朝青龍戦以来7年2ヶ月(42場所〈2011年3月場所は八百長問題で中止のため〉)ぶりとなった。なお大関陥落が決定した場合でも、次場所の番付発表の前日までは大関として扱われる。先代師匠の元横綱・琴櫻は大関在位32場所で横綱になったが、琴奨菊は史上10位タイの同じ32場所を務めて降格となっている。この場所は結局休場せず最後まで大関として相撲をとり、13日目は横綱・白鵬に下手出し投げ、14日目の勢に寄り切りで敗れ3連敗。千秋楽の照ノ富士との大関対決で勝利し、最終的に5勝10敗で場所を終えた。なおこの場所は稀勢の里は14勝1敗で優勝し、琴奨菊戦が唯一の黒星だった。
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