2008-2011年:Black Gives Way to Blue及びマイク・スターの死去
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「アリス・イン・チェインズ」の記事における「2008-2011年:Black Gives Way to Blue及びマイク・スターの死去」の解説
2008年10月にロサンゼルスのフー・ファイターズのスタジオである606で4枚目のスタジオアルバムのレコーディングを始めるが、当時はどこのレコード会社とも契約していなかったためアルバム制作の資金はカントレルとキニーが調達した。Revolver Golden God Awardsにて、レコーディングは2009年3月18日に終了し、現在は9月の発売に向けてミキシング作業がおこなわれているとカントレルが話している。レコーディング作業はカントレルの43歳の誕生日に完了し、この日はデュヴァールの息子が産まれた日でもあった。2009年4月にニューアルバムはヴァージン・レコード/EMIレコーズからリリースされると報じられ、それはバンドの20年以上のキャリアの中で初めてのレーベルの変更であった。 2009年6月11日のBlabbermouth.netの報道によると、ニューアルバムのタイトルはBlack Gives Way to Blueになる予定で、2009年9月29日に発売されることが正式に決定された。バンドからは何の先触れも無かったものの、タイトルが初めて掲載されたのはAmazon.comであった。また、レイン・ステイリーへのトリビュートとしてカントレルが作曲し、ボーカルをとっているタイトル曲でエルトン・ジョンがピアノを演奏していることが発表された。このアルバムは新しくボーカル及びリズムギターを担当することとなったウィリアム・デュヴァールをフィーチャーしており、デュヴァールはリードギター兼ボーカルであるカントレルと共にボーカルを担当している。 2009年6月30日にアルバム収録曲の「A Looking in View」がiTunesとAmazonで販売が開始され、7月の初めには期間限定でアリス・イン・チェインズの公式ホームページから無料でダウンロードが可能であった。ラジオ局向けのアルバムからのファーストシングルではないものの、アメリカ国内のロック系ラジオ番組はこの曲を流し始めた。「A Looking in View」のミュージックビデオはバンドの公式ホームページに2009年7月7日に掲載された。この曲はグラミー賞の最優秀ハード・ロック・パフォーマンス賞にノミネートされた。 「Check My Brain」はアルバムからの初めての公式シングル曲として2009年8月14日にラジオで放送が始まり、同年8月17日に販売開始となった。ミュージックビデオは翌月の14日に公開された。この曲もグラミー賞の最優秀ハード・ロック・パフォーマンス賞にノミネートされた。 キニーは今回のニューアルバム及びバンドがステイリーの逝去後に活動を再開したことへのファンの様々な反応について、以下のように述べている:「見ろよ、大きな動きがあったぜ。一部の人々はアリス・イン・チェインズの音楽と彼ら自身が非常に強い繋がりがあると感じていて、今回のことをどのように思うか色々な意見があったり…彼らがそんな繋がりを持っているなんて驚いてしまうよ-でも彼らはそのことがあたかも自分自身に実際に起きたかのごとく振る舞っているように俺には見えるんだ。これは俺達とレインの家族に起こったことであって、彼らにじゃない。これは俺達の人生なんだ。もし俺達がそのことに対して大丈夫なのだったら、なんでお前達は駄目なんだ?これは俺達に降りかかったことで、お前らに対して起こってはいない。けれどこのアルバムはそういうことについてのものじゃなく、もっと大きな普遍的なポイントがあるんだ。俺達は全員いつか死んじまうし、この先俺達の誰もがいつの日か誰かを失うことになり、それは耐え難い痛みとなる。それからどうやって先に進んでいくのか?ニューアルバムは俺達を前進させるし、それには痛みを伴うんだ。それは、俺にとって、勝利なんだ。すでに俺は勝ったという気分でいるんだよ。時々“俺達の今回の行動に対してレインが腹を立てるんじゃないか?”と訊かれるんだが、それとは逆だろうなって答えるんだ。あいつは俺達が再始動するまでこんなにも時間がかかったことに怒るだろうってな。金のためにやってるんじゃないんだ-もう音楽業界で金なんて見込めないんだからな。ジェリーと俺がアルバム制作費を調達したし、自分達の金をかなり費やしたんだよ。なんたって俺達は今回のことを信じているからな。」 そしてカントレルが以下の通り付け加えている:「俺達は世界中をツアーで回り、何人かの友を失くし、愛する友人を埋葬した。そいつと誰かをただ入れ替えるなんて出来なくて、状況を選んで俺達はもう一度一緒にやることになったんだ。それが「多分やれるだろう」となって今回のことにつながったんだ。」 2008年9月にナイン・インチ・ネイルズとラム・オブ・ゴッドと共にオーストラリアの音楽フェスティバルであるSoundwave 2009のヘッドライナーを務めることが発表された。2009年2月には、ロックフェスティバルであるRock on the Rangeへの参加も発表となった。2009年8月1日にはマストドン、アヴェンジド・セヴンフォールド及びグライダーと共にダブリンのマーレイ・パークでのメタリカの公演でサポートアクトを務めている。 ヨーロッパツアー中に、次のシングル曲となる「Your Decision」を2009年11月16日にイギリスで、同年12月1日にアメリカでリリースした。アルバムからの最後のシングル曲となった「Lesson Learned」はロック系ラジオ番組で2010年6月22日に発表された。 Black Gives Way to Blue(邦題:ブラック・トゥ・ブルー)はBillboard200に初回5位でチャートインした。このアルバムはアメリカ国内で50万枚以上のセールスを記録し、2010年5月18日にアメリカレコード協会からゴールドディスクの認定を受けている。シングル曲の「Lesson Learned」がビルボードのMainstream Rock Tracksのチャートで4位の時に「Check My Brain」と「Your Decision」が同チャートで首位となっている。「Check My Brain」はバンドにとってAlternative Songs chart及びHot Rock Songsチャートで初めて首位を獲得した曲である。ビルボードのHot 100では92位にランクインし、アリス・イン・チェインズのシングル曲が当該チャートにランクインするのは初めてのことであった。 2011年3月8日に、バンドの前任のベーシストであったマイク・スターがソルトレイクシティの自宅にて遺体で発見された。ロイター通信によると、警察は午後1時42分に通報を受けて駆け付けたところスターの遺体を発見した。スターは44歳であった。後の報道では、スターが亡くなる数時間前にメサドンと抗不安薬を混合しているところをルームメイトが目撃していたことが明らかとなった。スターの死は、医師から処方された2つの異なるタイプの抗鬱剤を摂取したことが関係しているのではないかと報じられた。公の追悼式典は2011年3月20日にシアトル・センターのインターナショナル・ファウンテンで催された。私的な追悼式もおこなわれ、アイネズによるとカントレルとキニーが参列している。
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