2006年:ワンセグの開始
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「日本における携帯電話」の記事における「2006年:ワンセグの開始」の解説
2003年12月にVodafoneが投入したV601Nで、日本で初めてアナログテレビチューナー内蔵携帯電話が登場した。その後、地上波アナログテレビ放送が受信できる端末がVodafoneで数機種発売された。画面が表示されるアナログテレビ付き端末はVodafone以外には広まらなかったが、2004年からは、ドコモやauでも、放送が受信できる携帯電話として、ラジオチューナー内蔵携帯電話やマルチメディア放送のモバHO!(2009年3月停波)に対応した携帯電話が登場した。 そして、2006年4月には、2003年12月に開始された地上デジタルテレビ放送の携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービスであるワンセグがサービスが開始され、これに先立つ形で2005年12月に日本初のワンセグ携帯電話「W33SA」がauから登場した。 また、2006年5月には、Vodafoneからの譲受で、携帯電話事業に参入したばかりのソフトバンクモバイル(現・ソフトバンク)が、ワンセグが見やすいようにサイクロイド機構を採用した「AQUOSケータイ」の905SHを発売し、当時のソフトバンク社長であった孫正義が同機種発表時に使った「予想外」という言葉が注目を集めた。このサイクロイド機構を採用したシャープのAQUOSケータイは、ヒット商品となり、2007年春までに大手3キャリアで導入された。また、AQUOSケータイのヒットにより、パナソニック、カシオ日立モバイルコミュニケーションズ(日立製作所)、東芝、ソニー・エリクソンも、各メーカーのテレビブランドを掲げたワンセグ携帯電話を投入し、ハイエンドモデルから廉価モデルにまでワンセグが広く普及していった。 それとともに、ワンセグが登場する以前は、カシオ計算機のG'zOneシリーズなどアウトドアでのヘビーユースに特化した機種に限られていた防水携帯電話が、風呂でのテレビ視聴が想定されるようになったこの頃から広く普及し、さらに防塵にも対応した機種も増えていった。 ワンセグは、最大画面解像度が2005年当時主流だったQVGAであったため、2008年以降主流になったフルワイドVGA以上の高解像度画面の携帯電話では、画面の粗さが目立ったが、その後、スマートフォンが普及しつつあった2013年夏に、HD画質に対応したフルセグチューナー付きAndroidスマートフォン(NTTドコモ・富士通製のF-06E)が登場した。 なお、どこにでも持ち運べ、すでに「一世帯に1台」から「一人に1台」の状況にまで普及している携帯電話で、NHKのテレビ番組が視聴できるようになったことから、のちに家庭用のテレビを持たない世帯でのNHK受信料での扱いが問題となった。NHKは「ワンセグ携帯電話は、テレビ放送が受信できる機器である以上、所有者は受信料を支払わなければならない」という主張をしてきたが、大手携帯電話キャリアでは受信料についての案内をしてこなかったため、ワンセグ付き携帯電話の所有者の多くが受信料を支払わないまま、NHKのテレビ番組を視聴することになった。2010年代後半には、このワンセグ付き携帯電話のNHK受信料が争点となった裁判が行われ、2019年3月には最高裁判所で、NHKの主張が認められている。 しかし、2010年代後半以降は、動画共有サイトのYouTubeでの各テレビ局公式アカウントによる番組配信、VOD視聴に対応したスマートフォンアプリを使ったTVer、Hulu、Netflix、Amazonプライム・ビデオなどの普及、前述のワンセグ付き携帯電話のNHK受信料が争点の裁判が行われたことなどの問題から、日本メーカーの機種も含め、ワンセグチューナーが内蔵される携帯電話は減少してきている。 日本初のアナログテレビ付き携帯電話のVodafoneのV601N(NEC(当時)、2003年) 日本初のワンセグ搭載携帯電話のauのW33SA(三洋電機(当時)、2005年) 世界初のサイクロイド式折りたたみ携帯電話Vodafone 905SH(シャープ、2006年)
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