風立ちぬ_(松田聖子の曲)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 風立ちぬ_(松田聖子の曲)の意味・解説 

風立ちぬ (松田聖子の曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/21 14:55 UTC 版)

「風立ちぬ」
松田聖子シングル
初出アルバム『風立ちぬ
B面 Romance
リリース
規格 EP盤
ジャンル ポップ・ミュージック
歌謡曲
時間
レーベル CBS・ソニー
(8cmCD含む)
ソニー・ミュージックレコーズ
(12cmCD)
作詞 松本隆
作曲 大瀧詠一
プロデュース 若松宗雄
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 1981年10月度月間6位(オリコン)
  • 1981年11月度月間2位(オリコン)
  • 1981年12月度月間13位(オリコン)
  • 1981年度年間34位(オリコン)
  • 2位(ザ・ベストテン
  • 1981年度年間32位(ザ・ベストテン)
  • 1位(ザ・トップテン
  • 松田聖子 シングル 年表
    白いパラソル
    (1981年)
    風立ちぬ
    (1981年)
    赤いスイートピー
    1982年
    収録アルバム風立ちぬ
    いちご畑でつかまえて
    (4)
    風立ちぬ
    (5)
    流星ナイト
    (6)
    テンプレートを表示

    風立ちぬ」(かぜたちぬ)は、1981年10月7日CBS・ソニーからリリースされた松田聖子の7枚目のシングル。規格品番:07SH 1067(レコード[1]2004年に紙ジャケット仕様の完全生産限定盤12cmCDとして再びリリースされている。

    概要

    同タイトルのアルバム風立ちぬ』からの先行シングルで、大瀧詠一作曲による唯一のシングル曲である。編曲の多羅尾伴内は大瀧の変名。当時、同年リリースのアルバム『A LONG VACATION』がヒット中であった大瀧の起用は、かつて同じグループ ″はっぴいえんど″ のメンバーであった松本隆の発案によるものである。メロディーはジミー・クラントンの楽曲「ヴィーナス・イン・ブルー・ジーンズ」が元になっている。本作は大瀧が作曲家として初めてチャート一位を記録した作品であり、その後一位を取った作品は薬師丸ひろ子の「探偵物語」のみである。

    A面曲「風立ちぬ」は松田自身が出演したグリコポッキー″、B面曲「Romance」は資生堂(現・ファイントゥデイ)″エクボ 洗顔フォーム・ミルキィクリーム″ のそれぞれCMソングとして使用された。

    背景

    A面曲「風立ちぬ」はCBS・ソニーのプロデューサー、若松宗雄が大好きだったと語る堀辰雄の小説『風立ちぬ』を題材として企画された曲で、松本によれば、中学の修学旅行の時に見かけた軽井沢にある万平ホテルの風の抜けるカフェテラスをイメージして歌詞を書いたという[2]。繊細な陰のある作品を目指したが、意図に反して大瀧によって完成した曲は「ものすごいゴージャスな大作」になったという。セールス面についてもヒットはしたものの若松が期待したほどではなかった[3]。書き上げられた譜に手直しを要求することも多い若松であったが、大瀧は自分の音楽を貫くこだわりの強い人で、妥協はしなかったという。「聖子の娯楽性に、松本さんの文学的な才能と大瀧さんの音楽性が加り、間違いなく松田聖子のアーティスト性がぐっと広がったエポックな作品で、大瀧さんには今もとても感謝しています」と後に語っている[4]

    本作のヒットにより、大瀧が編曲者の名義として“多羅尾伴内”の名前を無断で使っているのを初めて知った原作者の比佐芳武の親族が、名前の使用を止めるよう大瀧に求めた。以降、大瀧の編曲者名義は金延幸子の「時にまかせて」のシングルバージョンを編曲した際に用いた「CHELSEA」(当初はひらがなの″ちぇるしぃ″)を使用する事になった。大瀧はこの件を通じ、松田の人気ぶりの凄さを感じたと言う。

    『大瀧詠一 Song Book I 大瀧詠一 作品集 Vol.1(1980-1998)』の大瀧本人の解説によるライナーノーツでは、「(松田が)『いい曲だが、自分には向いていない』と言った為、なかなかボーカルダビングが行われませんでした。取り敢えずCMだけでも、という事でCMバージョンの録音がされましたが、たぶん1回か2回しか歌わなかったと思いますが、嬉しそうにスタジオを出てきて『歌えました!』と言っていた笑顔が印象的でした」と回顧している。その後のシングルバージョンの録音では6テイク録ったが、全て見事に歌い切ったと綴られている。また、このレコーディングの際、大瀧は遊び心で松田の歌唱と自身の歌唱を繋いで編集したデュエットバージョンを制作した[5]。この音源は永らく発表されることなく秘蔵音源として保管されていたが、大瀧の没後10年となる2023年10月25日、松田のベストアルバム『Bible -milky blue-』に『風立ちぬ(duet version)』として収録された[6][7]

    大瀧は、自身のコンサートにて「今日歌ったらもう一生、二度と歌う事はない」というMCを添えてセルフカバーしている。公に歌われたのはこの1回限りでありスタジオ録音もされていないため(1981年に松田のレコーディングの際に歌ったものを除く)、ファンの期待に反して音源化はなかなか実現されなかった。しかし、大瀧自身がこの時のライブ音源をマスターテープ化して保管していたことが死後に明らかとなり、2016年のセルフカバーアルバム『DEBUT AGAIN』にて初収録された。すでに動画サイト等で当時のライブ音源が出回っていたが、途中が欠損していたり後日FMにて放送された実況が混ざったものであったりしたため、完全な状態での現存は知られていなかった。

    収録曲

    全作詞:松本隆

    1. 風立ちぬ(4分35秒)
      作曲:大瀧詠一/編曲:多羅尾伴内/ストリングスアレンジ:井上鑑
      • グリコ ″ポッキー″ CMソング。
    2. Romance(3分27秒)
      作曲:平井夏美/編曲:船山基紀

    関連作品

    カバー

    風立ちぬ

    その他

    脚注

    1. ^ ディスコグラフィ|松田聖子オフィシャルサイト”. www.seikomatsuda.co.jp. 2022年10月16日閲覧。
    2. ^ 「普通のアイドルに決別--松田聖子《風立ちぬ》」(朝日新聞2009年9月5日付 e1面)
    3. ^ 大久保達朗「DIRECTOR'S INTERVIEW 松田聖子の歌手としてのすごさは"勘の良さ"と"ブレない"信念 若松宗雄 松田聖子ディレクター」『洋泉社MOOK 80年代アイドルカルチャーガイド』洋泉社、2013年、p.160
    4. ^ 大滝詠一の80年代伝説<前編> 唯一無二のナイアガラ・サウンドで革命をもたらした 『A LONG VACATION』と松田聖子の『風立ちぬ』 GINZA 2021年3月31日
    5. ^ 松田聖子×大滝詠一「風立ちぬ(duet version)」10/15(日)音源解禁!”. ソニーミュージック. ソニー・ミュージックエンタテインメント (2023年10月13日). 2023年10月29日閲覧。
    6. ^ 松田聖子ベスト盤「Bible」シリーズ新作:秘蔵音源「風立ちぬ(duet version)/大滝詠一×松田聖子」初収録の完全生産限定アナログ盤、2023年10月25日(水)発売決定! 数々のヒット曲満載のCDも同時発売!”. ソニーミュージック. ソニー・ミュージックエンタテインメント (2023年9月1日). 2023年10月29日閲覧。
    7. ^ 松田聖子ベスト盤はオリジナルライトブルー2枚組、大滝詠一との「風立ちぬ」デュエット音源を初収録”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2023年9月21日). 2023年10月29日閲覧。
    8. ^ 真心ブラザーズ、聖子&明菜ら昭和の女性アイドルカバー「歌うの楽C」”. ORICON (2015年7月10日). 2015年7月10日閲覧。
    9. ^ 稲垣潤一、デュエットカバーアルバム第5弾が発売”. 映画.com (2015年9月22日). 2015年9月24日閲覧。
    10. ^ 大滝詠一が「快盗ルビイ」「風立ちぬ」など提供曲を歌うアルバム3月発売”. 音楽ナタリー (2016年1月8日). 2016年1月8日閲覧。

    関連項目


    「風立ちぬ (松田聖子の曲)」の例文・使い方・用例・文例

    Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


    英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
    英語⇒日本語日本語⇒英語
      

    辞書ショートカット

    すべての辞書の索引

    「風立ちぬ_(松田聖子の曲)」の関連用語

    風立ちぬ_(松田聖子の曲)のお隣キーワード
    検索ランキング

       

    英語⇒日本語
    日本語⇒英語
       



    風立ちぬ_(松田聖子の曲)のページの著作権
    Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

       
    ウィキペディアウィキペディア
    All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
    この記事は、ウィキペディアの風立ちぬ (松田聖子の曲) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
    Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
     Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
    この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
    浜島書店 Catch a Wave
    Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
    株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
    Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
    研究社研究社
    Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
    日本語WordNet日本語WordNet
    日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
    WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
    日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
    Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
    「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
    EDRDGEDRDG
    This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

    ©2025 GRAS Group, Inc.RSS