LET'S ONDO AGAIN
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/14 01:45 UTC 版)
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2016年11月) |
『LET'S ONDO AGAIN』 | ||||
---|---|---|---|---|
大滝詠一 の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 45 Studio, Fussa | |||
ジャンル | ロック ポップス 歌謡曲 |
|||
時間 | ||||
レーベル | NIAGARA/COLUMBIA NIAGARA/Sony Music Records(再発) |
|||
プロデュース | 大瀧詠一 | |||
大滝詠一 年表 | ||||
|
『LET'S ONDO AGAIN』(レッツ・オンド・アゲン)は、1978年11月25日に発売された大滝詠一のアルバム。正確なアーティスト名義はNiagara Fallin' Starsとなっているが、一般的には大滝詠一のオリジナル・アルバムのひとつとして挙げられる。
概要
数ある大滝のアルバムの中でも、最もノベルティ・ソング色の濃い作品である。大滝自身の解説によると、前年の『NIAGARA CALENDAR'78』が全くの不発に終わり、レーベルとしても会社としても「もはやこれまで」という状況で、最後に作り上げた作品だという。このアルバムも発売当時は「初回プレスが1500枚で、数百枚しか売れなかった[1]」という。結果的に、第一期ナイアガラ・レーベルとして最後のアルバムとなった[2]。
コミック・ソングやパロディ・ソング(替え歌)に加え、ヒット曲や洋楽ナンバーを音頭化した楽曲で構成されている。ゲストとして、ナイアガラ関連ではお馴染みの布谷文夫やオシャマンベ・キャッツに加え、漫才コンビの星セント・ルイスやプロデビュー前のシャネルズ(のちのラッツ&スター)なども参加している。
本作ではレコーディング・エンジニアを日本コロムビアの後藤博に任せ、笛吹銅次(大滝のエンジニアとしての変名)はミックスダウン作業のみ行った。これにより自身が楽曲制作に集中できた経験が、その後のCBS・ソニー時代に全て外部のエンジニアに任せる理由ともなったという[3]。
なお、収録曲のうちピンク・レディーのヒット曲「渚のシンドバッド」の替え歌である「河原の石川五右衛門」については、ピンク・レディーの事務所側からの発表許可が下りず、オリジナル盤では収録が見送られている(歌詞のみライナーノーツに掲載)[4]。
1987年にとして初CD化(スリムケース収納)された際は「SPECIAL」盤として発売されたため、オリジナル盤とは収録内容が大幅に異なったものとなっている。また、1996年の再発盤ではピーター・バラカンがライナーノーツを寄稿しており、「日本の音楽で一番好きなアルバム」と語っている。
ナイアガラ30周年事業においてリマスター盤が発売されなかったことについて、大滝は2010年1月の「山下達郎のサンデー・ソングブック」の新春放談にて、そのことを指摘されるまで「忘れていた」と話していた。その後、2011年3月21日発売のボックス・セット『NIAGARA CD BOOK I』にてリマスター盤が収録された。
収録曲
- 峠の早駕籠/多羅尾伴内楽団
- 作曲:海沼 実/編曲:多羅尾伴内
- 337秒間世界一周/多羅尾伴内楽団
- 作曲:大瀧詠一/編曲:多羅尾伴内
- オリジナルの演奏時間が5分37秒(337秒)であることにちなむタイトル。ライナーノーツに「演奏:駒沢裕城と世界一周パック団」と記されているように駒沢裕城のペダル・スティール・ギターをフューチャーして、世界各地の音楽の典型的なメロディー、イントロを繋ぎ合わせた曲。
- 2014年に公開された映画「わたしのハワイの歩きかた」挿入歌として使用されている。
- 空飛ぶカナヅチ君/宿霧十軒
- 作詞・作曲:大瀧詠一/編曲:多羅尾伴内
- 1977年発売のアルバム『NIAGARA CALENDAR'78』に収録されている楽曲「泳げカナヅチ君」の続編(「宇宙辺」)。
- 烏賊酢是!此乃鯉/イーチ大滝
- 作詞・作曲・編曲:多羅尾"Elvis"伴内
- 歌詞はすべてエルヴィス・プレスリーの曲名を繋ぎ合せて構成されている。元々大瀧のファースト・アルバムに収録されていた『いかすぜ!この恋』をリメイクしたもの。このバージョンを同じエルヴィスファンの西田敏行がカバーしている。
- アン・アン小唄/山形かゑる子(伊集加代の別名)
- 作詞:伊藤アキラ/作曲:大瀧詠一/編曲:矢野 誠
- ピンク・レディー/モンスター(ラッツ&スターの別名)
- 作詞・作曲・編曲:多羅尾伴内/Strings & Horn Arr. 井上 鑑
- 河原の石川五右衛門/オシャマンベ・キャッツ(シンガーズ・スリーの別名)
- 作詞:阿久悠/替え歌:大瀧詠一/作曲:都倉俊一/編曲:多羅尾伴内
- ピンク・レディーのヒット曲「渚のシンドバッド」の替え歌であるが、途中「S・O・S」「ウォンテッド (指名手配)」「カルメン'77」の一部も引用されている。オリジナル盤には未収録で、歌詞のみがライナーノーツに掲載されていた(曲名の表記は「河原のIxicavagoyemon」)。
- 2009年に渡り廊下走り隊が「簪(かんざし)」名義で、阿久悠のトリビュート・アルバム『Bad Friends』でカバーしている。
- ハンド・クラッピング音頭/イーハトブ田五三九
- 作詞・作曲・編曲:大瀧詠一/Horn Arr. 矢野 誠
- 1975年発売のアルバム『NIAGARA MOON』に収録されている楽曲「ハンド・クラッピング・ルンバ」を音頭調にアレンジしたもので、歌詞も変更されている。ゲストとして星セント・ルイスが参加している。エンディングで「もしもし亀よ」と力唱しているのは布谷文夫、それに続き「ハーイ、コンニチハ」と叫んでいるのは「ハワイ出身のDJ、ブノキア・チブメカ」としてラジオ番組ゴー・ゴー・ナイアガラにも何度か出演していた亀渕昭信(当時ニッポン放送編成部長)である。
- 禁煙音頭/竜ヶ崎宇童(鈴木雅之の別名)
- 作詞:新井武士/替え歌:大瀧詠一/作曲:宇崎竜童/編曲:多羅尾伴内
- 呆阿津怒哀声音頭/蘭越ジミー(布谷文夫の別名) ※「津」は小さいフォントが充てられている。
- 作詞・作曲:礼茶亜留守/編曲:多羅尾伴内
- レイ・チャールズのヒット曲「What'd I Say」を音頭調にカバーした曲。コーラスにはオシャマンベ・キャッツが参加しているほか、ガヤガヤのシーンでは星セント・ルイスが「ハンド・クラッピング音頭」に続き特別参加している。歌詞は元歌が日本語のように聞こえる一部分を除き、すべて表音による当て字の漢字(日常は使用することのない漢字も意図的に多く含まれている)になっている。
- Let's Ondo Again/アミーゴ布谷(布谷文夫の別名)
- 作詞・作曲:D. Appell,K. Mann/訳詞:大瀧詠一/編曲:多羅尾伴内
収録曲 (Let's Ondo Again SPECIAL)
収録曲はオリジナル盤とは大幅に変更され、オリジナル盤に収録されている「337秒間世界一周」、「空飛ぶカナヅチ君」、「ハンド・クラッピン音頭」は収録されておらず、新たに7曲が収録された。収録曲は全てリミックスされており、このうち「峠の早駕籠」、「禁煙音頭」、「河原の石川五右衛門」、「Let's Ondo Again」は、1986年にCD発売された『ナイアガラ・フォール・スターズ(2nd issue)』に収録されているバージョンと同じである。「ナイアガラ音頭」は、1981年に発売されたLP版『ナイアガラ・フォール・スターズ』に収録されていた、シングル・バージョンをベースにしたリミックス・バージョンで、CD版に収録されているバージョン(CD化の際、大野邦彦が再リミックス)とは全く違う。「Let's Ondo Again」はエンディング終了後に、「クリスマス音頭」のエンディング部分をつなげている。
- 峠の早駕籠/多羅尾伴内楽団
- ナイアガラ音頭/布谷文夫
- 禁煙音頭/竜ヶ崎宇童
- アンアン小唄/山田邦子
- 山田邦子によるカバー・バージョン。
- うなづきマーチ/うなづきトリオ
- スリラー音頭~ビート・イット音頭/片岡鶴太郎
- いかすぜ!この恋/西田敏行
- 西田敏行によるカバー・バージョン。
- 風が吹いたら恋もうけ/中原理恵
- ピンク・レディー讃歌/モンスター
- 河原の石川五右衛門/オシャマンベ・キャッツ
- ビックリハウス音頭/デーボ
- What'd I Say音頭/布谷文夫
- イエロー・サブマリン音頭/金沢明子
- Let's Ondo Again~クリスマス音頭/布谷文夫&横田基地GUY
脚注
- ^ 『大瀧詠一Writing & Talking』白夜書房、2015年、183頁。ISBN 978-4-86494-048-1。
- ^ 大滝自身による認識として、このアルバムは第一期ナイアガラ・レーベルの最後と位置付けられているが、実際にはナイアガラレコードの発売元であった日本コロンビアが、独断でナイアガラ在籍時代の山下達郎のコンピレーション・アルバム『TATSURO YAMASHITA FROM NIAGARA』をナイアガラのカタログとして1980年7月に発売しているため、表面上はこちらのアルバムが第一期ナイアガラ・レーベル最後のアルバムとなっている。
- ^ 1996年再発売盤での大滝自身の解説
- ^ 大滝は後に、オリジナルの作詞者である阿久悠と「熱き心に」の作詞でいっしょになった時、その件について聞こうと思ったがやめたという。後のアルバム『NIAGARA FALL STARS』(1981年4月発売)で初収録された。また、本作が1984年にLPボックスセット『NIAGARA BLACK VOX』で復刻された際、および1996年にオリジナル・アルバムの形態での初CD化として再発された際には、当初の構想の位置に収録されている。
|
- LET'S_ONDO_AGAINのページへのリンク