ジミー・クラントンとは? わかりやすく解説

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ジミー・クラントン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/16 13:52 UTC 版)

ジミー・クラントン
クラントン(1975年)
基本情報
原語名 Jimmy Clanton
生誕 (1938-09-02) 1938年9月2日(86歳)[1]
出身地 アメリカ合衆国 ルイジアナ州レイスランド[1]
ジャンル R&Bスワンプ・ポップ
職業 歌手
活動期間 1956年 - 現在
レーベル エイスフィリップス、マラ、インペリアル、ローリー[2]
公式サイト jimmyclanton.com
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ジミー・クラントンJimmy Clanton1938年9月2日 - )は、アメリカ合衆国スワンプ・ポップR&B歌手。ティーンエイジ・アイドルとして有名になった[3]

彼は1958年、自身のバンド、ロケッツと共に自作曲「Just A Dream」をエイス・レコードよりリリースした。この曲はビルボードのR&Bチャートの1位となり、ポップ・チャートでも4位を記録[4]。100万枚を売り上げる大ヒットとなった[5]

クラントンはディック・クラークのテレビ番組「アメリカン・バンドスタンド」へ出演し、またファッツ・ドミノジェリー・リー・ルイスザ・プラターズといった人気アーティストたちとツアーを行なっている[6]

来歴

クラントンはバトンルージュ高校在学中の1956年に、自身のバンド、ザ・ロケッツを結成した[6]

ニューオーリンズのR&B、ロックンロールのアーティストとしては数少ない白人歌手の一人であった彼は、1950年代から1960年代にかけて、ティーン・ミュージックの波の頂点に立った。彼がエイスからリリースしたシングル・レコードは全米トップ40に7回ランクインしている。トップ10を記録した彼のヒット曲としては、「Just A Dream」が1958年8月にポップ・チャート4位、R&Bチャートの1位となったのを始め、「Go, Jimmy, Go」が1960年初頭にポップ・チャート5位、「Venus In Blues Jeans」(ハワード・グリーンフィールドジャック・ケラーの作詞作曲)が1962年10月6日に同7位となっている[7][8]。1961年初頭にクラントンは徴兵され、米軍でその後の2年間を過ごしたが、「Don't Look At Me」、「Because I Do」、そして前述の「Venus In Blue Jeans」とリリースは続いた。英国で彼がチャート入りした唯一のヒット曲は、グリーンフィールドとニール・セダカのペンによる「Another Sleepless Night」で、1960年7月に50位を記録している[9]

クラントンは、DJのアラン・フリードがプロデュースしたロックンロールの映画『Go, Johnny, Go!』(1959年)にスターの一人として出演し[5]、続いて『Teenage Millionaire』(1961年)にも出演した。この映画は音楽のアレンジととプロデュースをドクター・ジョンとトランペット奏者のチャーリー・ミラーが担当している[10]

ニューオーリンズのスタジオ経営者であり、エンジニアのコズィモ・マタッサが1950年代末から1960年代初頭にかけて、クラントンのマネージャーを務めた。1960年5月、エイス・レコードはビルボード誌に「フィラデルフィアが5月16日の週を『ジミー・クラントン・ウィーク』と宣言した」との発表を行なっている[11]

1963年、アメリカン・バンドスタンドがクラントンをディック・クラークの「キャラヴァン・オヴ・スターズ」の全米ツアーのメンバーにクラントンを加えた。テキサス州ダラスのメモリアル講堂で1963年11月22日の晩に予定されていた15回目のコンサートは、直前にジョン・F・ケネディ大統領がダラスで暗殺されたため、中止となった[12][13]

クラントンは1972年から1976年の間、ペンシルベニア州コロンビアのラジオ局WHEXでDJを務めた。また同じく1970年代に、彼はオールディーズ・レヴュー『Masters Of Rock 'n' Roll』でトロイ・ションデル、レイ・ピーターソン、ロニー・ダヴと共に演奏をしている。彼は1980年8月、キリスト教新生福音派に入信している[14]。クラントンは、1995年のニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバルに出演し、フランキー・フォードと共演した[15]

2022年、クラントンはサンディ・ウィークスとの共著の形で『Just A Dream From Singer to Servant of God! The Story of Jimmy Clanton』を出版した。彼のスターとして名声と1980年に始まった信仰の人生を綴った内容となっている[16]

受賞と表彰

クラントンは、メキシコ湾沿岸博物館の殿堂入りを果たした。同博物館にはテックス・リッタージャニス・ジョプリンZZトップB・J・トーマスといったアーティストも殿堂入りしている[17]

2007年4月14日、ルイジアナ州マンデヴィルで開催された「レジェンズ・オヴ・ルイジアナ・セレブレーション&インダクションズ」コンサートで、ジミー・クラントンはルイジアナ音楽の殿堂入りをした[18]

クラントンのシングル「Just A Dream」、「A Letter To An Angel」、「Ship On A Stormy Sea」、「Venus In Blue Jeans」は、それぞれ100万枚以上を売り上げ、ゴールドディスク認定を受けた[5]

私生活

クラントンは1962年12月8日、ロクサン・フェイ・エドミラーと結婚し、3人の子供を設けている[19]

ディスコグラフィー

アルバム

  • 1959年『Just A Dream』(Ace)
  • 1960年『Jimmy's Happy』(Ace)
  • 1960年『Jimmy's Blue』(Ace)
  • 1960年『Jimmy's Happy/Jimmy's Blue』(Ace)
  • 1961年『Teenage Millionaire』(Ace)
  • 1961年『My Best To You』(Ace)
  • 1962年『Venus In Blue Jeans』(Ace)
  • 1964年『The Best Of Jimmy Clanton』(Philips)
  • 2007年『Born Again』(Snailworx)
  • 2014年『Everybody Needs Love』(no label)

シングル

タイトル(A面、B面)
特筆がない限り、両面とも同じアルバム収録
レーベル チャート最高位 アルバム
米国ポップ 米国R&B カナダ[20]
1957 「I Trusted You」
b/w「That's You Baby」(アルバム未収録曲)
Ace 537 『My Best To You』
1958 「Just A Dream」
b/w「You Aim To Please」(アルバム未収録曲)
Ace 546 4 1 5 『Just A Dream』
「A Letter To An Angel」/ Ace 551 25 46
「A Part Of Me」 Ace 551 38 28
1959 「My Love Is Strong」
b/w「Ship On A Stormy Sea」
Ace 560
「My Own True Love」
b/w「Little Boy In Love」
Ace 567 33 24 『My Best to You』
「Go, Jimmy, Go」
b/w「I Trusted You」
Ace 575 5 19 1
1960 「Another Sleepless Night」A
b/w「I'm Gonna Try」
Ace 585 22 22 『Jimmy's Blue』
「The Slave」
b/w「Rambling Girl」
Ace S1860 アルバム未収録曲
「Come Back」/ Ace 600 63 『My Best to You』
「Wait」 Ace 600 91
1961 「What Am I Gonna Do」
b/w「If I」
Ace 607 50 36
「What Am I Living For」
b/w「Wedding Bells」
Vin 1028 アルバム未収録曲
「Down The Aisle」
b/w「No Longer Blue」
(両面ともジミー・クラントンとメアリー・アン・モブリー名義)
Ace 616
「I Just Wanna Make Love」
b/w「Don't Look At Me」(『Jimmy's Blue』より)
Ace 622 『Venus in Blue Jeans』
「Lucky In Love With You」
b/w「Not Like A Brother」
Ace 634
「Twist On Little Girl」
b/w「Wayward Love」
Ace 641
1962 「Just A Moment」
b/w「Because I Do」
Ace 655
Venus in Blue Jeans
b/w「Highway Bound」(『Jimmy's Blue』より)
Ace 8001 7 5
「Darkest Street in Town」
b/w「Dreams Of A Fool」
Ace 8005 77
1963 「Another Day, Another Heartache」
b/w「This Endless Night」
Ace 8006 アルバム未収録曲
「Cindy」
b/w「I Care Enough (To Give The Very Best)」
Ace 8007
「Red Don't Go With Blue」
b/w「All The Words In The World」
Philips 40161 115
1964 「I'll Step Aside」
b/w「I Won't Cry Anymore」
Philips 40181
「A Million Drums」
b/w「If I'm A Fool For Loving You」
Philips 40208 『The Best Of Jimmy Clanton』
「Follow The Sun」
b/w「Lock the Windows, Lock the Doors」(アルバム未収録曲)
Philips 40219
1965 Hurting Each Other
b/w「Don't Keep Your Friends Away」
Mala 500 アルバム未収録曲
「Everything I Touch Turns To Tears」
b/w「That Special Way」
Mala 516
1967 「C'mon Jim」
b/w「The Absence Of Lisa」
Imperial 66242
「I'll Be Loving You」
b/w「Calico Junction」
Imperial 66274
1969 「Curly」B
b/w「I'll Never Forget Your Love」
Laurie LR-3508 97
「Tell Me」
b/w「I'll Never Forget Your Love」
Laurie LR-3534
1971 「The Coolest Hot Pants」
b/w「The Coolest Hot Pants」(Piccolino Pops)
Spiral GS-3406
1976 「Old Rock'n Roller (Will It Happen Again)」
b/w「Old Rock'n Roller (Will It Happen Again)」
Starcrest GRT-078
1978 「You Kissed A Fool Good-bye」
b/w「I Wanna Go Home」
Star Fire S-104

[2]

  • A 英国シングル・チャートでも最高位50位を記録
  • B カナダRPMトップ・トラックスでも最高位88位を記録[21]

脚注

  1. ^ a b Bruce Eder. “Jimmy Clanton Biography”. Allmusic. 2025年7月16日閲覧。
  2. ^ a b Jimmy Clanton Discography: Vinyl, CDs, & More”. Discogs. 2025年7月16日閲覧。
  3. ^ Jimmy Clanton - Songs”. 2025年7月16日閲覧。
  4. ^ Jimmy Clanton songs Top songs / Chart singles discography”. MusicVF. 2025年7月16日閲覧。
  5. ^ a b c Joseph Murrells (1978). The Book of Golden Discs (2nd ed.). London: Barrie and Jenkins Ltd. pp. 98–144. ISBN 0-214-20512-6. https://archive.org/details/bookofgoldendisc00murr/page/98 
  6. ^ a b Jimmy Clanton”. Museum of the Gulf Coast. 2025年7月16日閲覧。
  7. ^ Jimmy Clanton's Story”. 2010年5月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月16日閲覧。
  8. ^ Joel Whitburn. The Billboard Book of Top 40 Hits. ISBN 0-8230-7690-3
  9. ^ David Roberts (2006). British Hit Singles & Albums (19th ed.). London: Guinness World Records Limited. p. 107. ISBN 1-904994-10-5 
  10. ^ Jimmy Clanton”. IMDb. 2006年11月24日閲覧。
  11. ^ Billboard, May 23, 1960, p.30
  12. ^ Fuentes, Jerry (2012年6月4日). “A Rock n' Roll Historian: Caravan of Stars Fall 1963 Tour”. Rnrhistorian.blogspot.com. 2025年7月16日閲覧。
  13. ^ American Bandstand 1963 -All Time Hits Day- A Little Bit Of Soap, The Jarmels”. YouTube. 2021年12月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月15日閲覧。
  14. ^ Bryan Hay (1988年2月1日). “Vintage Rocker Now Preaches The Gospel”. The Morning Call. 2020年6月7日閲覧。
  15. ^ Swag. “Swag's Cube Rescue - 1995 - Sunday, April 30”. Swag's Jazzfest FAQ. 2025年7月16日閲覧。
  16. ^ Jimmy Clanton and Sandy Weeks's newly released "Just a Dream: The Story of Jimmy Clanton: From Singer to Servant of God!" is a fascinating biographical work.”. Christian Faith Publishing (2022年6月22日). 2025年7月16日閲覧。
  17. ^ Museum of the Gulf Coast - Music Legends”. Museumofthegulfcoast.org. 2005年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年7月21日閲覧。
  18. ^ Jimmy Clanton”. Louisiana Music Hall Of Fame. 2025年7月16日閲覧。
  19. ^ Jimmy Clanton Biography”. IMDb. 2025年7月16日閲覧。
  20. ^ CHUM results”. 2006年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月24日閲覧。
  21. ^ RPM Top 100 Singles - September 20, 1969”. 2012年10月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月16日閲覧。

外部リンク




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