電車特定区間における例外
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 00:44 UTC 版)
「列車番号の付番方法」の記事における「電車特定区間における例外」の解説
東京近辺の電車区間は、運転本数が非常に多い。このため、1から順に番号を付けると番号が重複してしまう可能性がある。そこで、以下のような独自の規則が採用されている。なお、この符番は、電車特定区間以外の路線やJR以外の鉄道社局でも採用しているケースがある。 上2桁(百・千の位)、始発駅の発車時刻の「時」が使用される(12時台始発であれば12)。他線区から直通してくる列車である場合の基準は、路線によって異なり、線区ごとに個別に設定している場合(この場合、厳密には列車番号が変わるので別の列車扱いであることが多い)もあれば、直通元の始発駅発車時間をもとにほぼ共有している場合もある。成田線成田駅発の常磐快速線直通列車の場合は、常磐線内の列車番号は直通運転の境界の我孫子駅発の時刻が基準となる(成田線の初電820M列車は成田駅4時47分発、我孫子駅5時31分発である。この電車の常磐線内の列車番号は580Hである)。中央線快速電車の中央本線(大月駅・河口湖駅)からの直通列車も同様に、高尾駅の発車時刻を基準に設定されている。相鉄線からの埼京線・川越線直通列車も同様に、新宿駅の発車時刻が基準となるが、千の位に4が付与される。一方、横須賀・総武快速線の直通列車、京葉線直通列車は成田空港駅・君津駅・上総一ノ宮駅など実際の始発駅の発車時刻が基準となる。 常磐線各駅停車の場合は、東京メトロ千代田線・小田急小田原線・多摩線からの直通列車の場合でもその直通元の始発駅の発車時刻を基準としている。例えば、向ヶ丘遊園駅平日10時56分発の準急我孫子行きは、代々木上原駅11時19分発、綾瀬駅12時00分発であるが、小田急小田原線内の向ヶ丘遊園駅の発車時刻を基準に列車番号は1027Kである(千代田線内はB1027K)。中央・総武緩行線の東京メトロ東西線・東葉高速鉄道東葉高速線からの直通列車、埼京線の東京臨海高速鉄道りんかい線からの直通列車についても同様である。 JR・相鉄直通線の場合、新宿~羽沢横浜国大駅間の列車番号は相鉄線内付番される番号の下3桁にMを付けたものを付番し、新宿駅以北に直通する列車は新宿駅で従来の埼京線内で付けられる列車番号に変更がされる。 深夜0時台始発の列車の上2桁は24だが、1時台始発の場合は1である。山手線内回りの品川行(1つ手前の大崎駅で番号が改められるため)や、東京メトロ千代田線→JR常磐緩行線の松戸行き最終電車、埼京線の赤羽駅発池袋駅行き最終電車などに見られたが、2021年3月13日のダイヤ改正で全てなくなった。千代田線→常磐線の例では東京地下鉄線内(北千住 - 綾瀬間)での上2桁は25であった。また、山手線で大崎駅以外の途中駅を始発駅として運転する場合は、大崎駅以降も同じ番号になってしまうのを避けるため、上2桁を-1する。このため、池袋駅や品川駅を4時台に発車する列車には、列車番号が300番台の列車がある。 下2桁は、その列車の運行番号を示す。運行とは、平たく言えば人間で言う「勤務シフト」にあたる。つまり、一つの運行について、何時にどの駅を発車し、終点に到着したら折り返し何の列車になるか、その一日の流れがすべて決められている。その各々に番号が付けられている。たとえば、「01K」という運用番号の編成が4時台上りの電車になる場合は「400K」、その電車が折り返し5時台発の下り列車になる時は「501K」というように変化し、これを延々と繰り返す。運行番号は、「下りは奇数、上りは偶数」という前提があるため、上り方向に運転する時には1を減じて偶数化する。このため、1, 3, 5, …の順に与えられる。 同じ「時」のうちに同一編成が2本以上の列車になる場合、例えば鶴見線では、末尾に「B」をつける(例:6時台に鶴見発下り「601」列車となった編成が、6時台のうちに再度下り列車となるときは「601B」となる)。南武支線では、一の位が運用番号(列車運行上は、尻手方面が下り)で、十の位を運用番号ごとの連番 (0, 1, 2)としている(例:702H列車となった編成が、7時台に2回目に浜川崎行きになるときは「712H」、3回目は「722H」)。同様の付番方法を用いる東京地下鉄では、末尾に1、2と順に数字を付している。 末尾のアルファベットは、たとえば中央線快速であれば、途中駅で分割併合を行う列車を含む運用には「H」、含まない列車には「T」を付すなど、運転上の細かい違いを表すために付されるもので、種類は多岐に渡る。一部の線区では、数字のみの場合もある。この場合は表記上、「レ」ではなく「デ」となる。
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