電車特急「こだま」の誕生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 09:23 UTC 版)
「こだま (列車)」の記事における「電車特急「こだま」の誕生」の解説
「こだま」は、日本国有鉄道(国鉄)で初めての電車による有料特急として1958年より東海道本線で運行を開始した。それまで長距離の優等列車は、機関車が客車を牽引する形(動力集中方式)で運転する列車しかなく、騒音が大きく乗り心地の悪い電車は長距離列車には不向きであると考えられていた。 しかし電車の性能は次第に向上し、短距離から中・長距離の輸送へ進出しつつあった。これに空気ばね台車の採用などの乗り心地を改善する新しい技術を組み合わせて、電車による初めての特急列車を運転する計画が打ち出された。機関車方式の列車では機関車の重量が大きいので、大きな出力を持った機関車を製造して高速化しようとすると、さらなる軌道の強化に多大な費用が必要となるため、軽量な電車方式での高速化が有利であるとされたのである。さらに機関車方式では、終点の駅で反対方向に機関車を付け替える手間がかかり、ホームの長時間占有が列車を増発するネックとなっていた。市街地にある駅ではホームの増設(増線)は困難で、電車方式により折り返しの時間を短縮し、これにより列車の増発を実現することも目的であった。 国鉄部内の保守的な勢力の抵抗は強かったが、機関車方式と電車方式とで所要の高速化と列車本数を実現するために必要な費用の試算がなされ、電車方式の圧倒的な優位性が確認されて、1957年(昭和32年)11月12日の国鉄常務理事会で電車方式による特急列車の設定が決定された。
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