電車特定区間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/29 06:26 UTC 版)
電車特定区間(でんしゃとくていくかん)とは、 JRの旅客営業規則第78条第2項に規定する区間である。東京附近及び大阪附近の幹線区間のうち利用者が特に多い線区・区間について、この区間内の駅を相互発着する場合、普通旅客運賃の計算において幹線区間よりも割安な対キロ賃率を適用するものと規定されている。また、定期旅客運賃についても幹線区間よりも割安な値段が設定されている[注 1]。入場券料金についても、独自の料金設定がなされている。
注釈
- ^ 定期旅客運賃は普通旅客運賃と違い、旅客営業規則に運賃の算出法が規定されていない。具体的な運賃額が示されている別表があり、それを参照する形となる。
- ^ 制定以降、国鉄およびJRは各路線の状況に応じて柔軟に使用車両を変えてきたため、電車特定区間と使用車両についてはもはや相関性はない。
- ^ 後述の「東京山手線内」および「大阪環状線内」区間相互間では「電車特定区間」に基づく規則は適用されず、さらに割安な運賃を適用する。
- ^ a b 「均一乗車券」類の適用区間や、特定都区市内の制度に準ずる扱いをする場合等に使用。
- ^ よって、必然的に「東京山手線内」相互区間ないし「大阪環状線内」相互区間は「電車特定区間」相互区間でもある。ゆえに「電車特定区間」と対象とした規則については、原則「東京山手線内」相互区間ないし「大阪環状線内」相互区間に対しても適用される。
- ^ 品鶴線の追加事例のみ例外である(国電区間制定時品鶴線は旅客線として既に存在したが含まれず、制定1年後に追加された)。
- ^ 支線名についてはその限りではない。
- ^ 路線案内上は品川駅 - 鶴見駅間が横須賀線、鶴見駅 - 羽沢横浜国大駅間が相鉄線直通またはJR埼京線直通。
- ^ 路線案内上は埼京線。
- ^ 路線案内上は京都駅 - 大阪駅間がJR京都線、大阪駅 - 神戸駅間がJR神戸線。
- ^ 路線案内上はJRゆめ咲線。
- ^ 路線案内上はJR神戸線。
- ^ 路線案内上は大和路線。
- ^ 路線案内上は学研都市線。
- ^ ここでは、電車特定区間内で最短経路の設定がある140kmまでを記す。
- ^ a b c 鉄道駅バリアフリー料金は「運賃」ではなく「料金」に該当するが、旅客営業規則第66条により常に運賃額とともに収受されるものであるため、ここでは運賃と一体化したものとして扱う。
- ^ 旅客営業規則第84条[6]、東日本旅客鉄道株式会社ICカード乗車券取扱規則第37条[7]など。
- ^ JR東日本管内のみで適用(JR西日本管内では普通運賃と同額)。
- ^ 乗車全区間が、東海道新幹線:東京 - 品川、東北新幹線:東京 - 上野および「東京山手線内」を合わせた区間に収まり、かつ合計の営業キロが11km以上となる場合は、「東京山手線内」の運賃形態が適用される。
- ^ 入場券料金は鉄道駅バリアフリー料金制度の対象ではないが、電車特定区間における鉄道駅バリアフリー料金を合わせた初乗り3km運賃と金額が揃えられている。
- ^ 前述通り、すでに別の目的で定義されていた区間で、この時点に制定されたものではない。
- ^ 「国電区間」の運賃が値上げされる形となった。
- ^ 同時に同線千葉港駅 - 蘇我駅間も開業したが、同区間は電車特定区間に含まれなかった。
- ^ 大人普通旅客運賃においては、「東京附近」が一律10円値上げされた(「大阪附近」の値段は据え置かれた)。
- ^ 「東京山手線内」区間内で完結する場合を含む。
- ^ 「大阪環状線内」区間内で完結する場合を含む。
- ^ それぞれの駅の山手線からの距離は大船駅39.7km・高尾駅42.8km・武蔵五日市駅45.2km・取手駅37.4km・千葉駅38.7km・千葉みなと駅39.0kmである。
出典
- ^ 『2019年10月1日、消費税率引上げに伴う運賃・料金改定について』(プレスリリース)東日本旅客鉄道 。2020年11月4日閲覧。
- ^ 『消費税率引き上げに伴う運賃・料金改定について』(プレスリリース)西日本旅客鉄道 。2020年11月4日閲覧。
- ^ 『バリアフリー設備の整備を促進します~ホームドアは整備を拡大・加速~』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道株式会社、2022年4月5日 。2023年3月22日閲覧。
- ^ 『東京地区・関西地区における鉄道駅バリアフリー料金制度の活用等に伴う普通運賃・新幹線定期券「FREX(通勤用)」発売額の一部見直しについて(2023 年春)』(PDF)(プレスリリース)東海旅客鉄道、2023年2月6日 。2023年3月22日閲覧。
- ^ a b 『鉄道駅バリアフリー料金制度を活用してバリアフリー設備の整備を加速してまいります』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2022年8月19日 。2023年3月22日閲覧。
- ^ “JR東日本:旅客営業規則>第2編 旅客営業 -第3章 旅客運賃・料金 -第2節 普通旅客運賃”. 東日本旅客鉄道. 2023年5月10日閲覧。
- ^ “東日本旅客鉄道株式会社ICカード乗車券取扱規則 第2編 旅客営業|Suicaに関する規約・特約|Suica:JR東日本”. 東日本旅客鉄道. 2023年5月10日閲覧。
- ^ “入場券:JR東日本”. 東日本旅客鉄道. 2023年11月29日閲覧。
- ^ “旅客営業規則の一部改正(消費税率の引上げによる運賃・料金改定等に伴う改正)” (PDF). 東海旅客鉄道 (2014年4月1日). 2023年5月13日閲覧。
- ^ “東海旅客鉄道株式会社旅客営業規則の一部改正(消費税率の引上げによる運賃・料金の改定等に伴う改正)”. 東海旅客鉄道. p. 8 (2019年9月9日). 2023年5月13日閲覧。
- ^ 『「オフピーク定期券」のサービスを開始します』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2022年12月27日、2頁 。2023年5月13日閲覧。
- ^ “青春18きっぷ|お得なきっぷ詳細情報|JR東海”. 東海旅客鉄道. 2023年4月20日閲覧。
- ^ 川辺謙一『東京総合指令室―東京圏1400万人の足を支える指令員たち』交通新聞社〈交通新聞社新書〉、2014年。ISBN 9784330507149。
- ^ 『運転席にカメラを置いてみた!大月駅社員が企画・撮影・編集をした映像を発売します!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2022年9月29日 。2023年5月10日閲覧。
- ^ “北海道&東日本パス|JR北海道のおトクなきっぷ”. 北海道旅客鉄道. 2023年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月29日閲覧。
- ^ “三たび!JR東日本の運賃格差について”. 埼玉県. 2014年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月9日閲覧。
- ^ 『JR東日本帰省応援キャンペーン お正月は列車でふるさとへ』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2010年11月18日、4-5頁 。2023年5月31日閲覧。
- ^ 『JR東日本帰省応援キャンペーン お正月は列車でふるさとへ』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2011年11月15日、4-5頁 。2023年5月31日閲覧。
- ^ 『JR東日本帰省応援キャンペーン お正月は列車でふるさとへ』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2012年11月16日、5-6頁 。2023年5月31日閲覧。
- 1 電車特定区間とは
- 2 電車特定区間の概要
- 3 沿革
- 4 その他
- 5 脚注
- 電車特定区間のページへのリンク