阪大真空管計算機とは? わかりやすく解説

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阪大真空管計算機

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 14:46 UTC 版)

城憲三」の記事における「阪大真空管計算機」の解説

引き続いて1950年から2進方式の阪大真空管計算機の研究試作進めた研究進めるうち、EDVAC報告書マイクロフィルム1952年購入EDSACプログラミングについて詳解した、世界初プログラミング書籍であるウィルクスらの "The Preparation of Programs for an Electronic Digital Computer" も1951年出版される入手し、2進演算採用プログラム内蔵方式など、いわゆるノイマン型コンピュータとすることが固まったこのころ岡崎もこれらの資料交換のために何度訪れていた。 次の開発では全面的に2進演算取り入れることを考えたが、それにはダイオード大量に入手することが不可欠であった当時最新ダイオードゲルマニウムダイオード[要出典]で、国産品にはなかったため輸入する必要があった[要出典]が、輸入理由書作成や国への申請など面倒な手続多かったプログラム内蔵方式のためにはそれなりの容量記憶装置が必要である。真空管の0と1の2値状態で記憶させる方法考えられるが、これでは多く真空管要することになる。そこで高速大容量蓄積できるハード、すなわちメモリが必要であった当時メモリ用としては、ウィリアムス管水銀遅延線などが知られていた。前者ブラウン管帯電利用するのである後者戦時中レーダーのために作られ装置応用で、水銀媒体詰めた管の一端から音波パルス信号順次入れて一定の遅延時間稼いだ後に他端受信して増幅して再び信号列を戻して循環させることにより記憶保持する方式であった。しかしどちらも開発途中であり安定性乏しかった[要出典]。城らは水銀遅延線当初開発したが、水銀温度変化する密度変わり超音波伝播時間違ってくるので、水銀温度誤差を0.3[要出典]と厳しくコントロールさせた。また水銀中毒にも注意して実験繰り返した。以上の検討の後、さらに完全なるコンピュータ目指し開発続けられた。[要出典]1953年には、それまで研究成果まとめて科学研究費申請し80万円を得ることができた。( ← 水銀遅延線開発1953年以前のことですか?) こうして1959年まで開発続けられ阪大コンピュータはほぼ完成した。それは、2進演算方式採用しメモリには媒体水銀からガラス変更した超音波遅延記憶装置使用し記憶容量1024であった使用真空管は約1,500本、ゲルマニウムダイオードは約4,000本が使われていた。それを幅4m・高さ2.1mのパネルに、狭い実験室置けるようコの字型配置し、2台の扇風機冷却した計算速度は、クロック周波数を1MHzと、日本当時の他のコンピュータ比べてかなり高くしている(FUJICは30kHz、TACは330kHz)ため、加減算実行時間は0.04ミリ秒高速であった(これは遅延記憶装置1ビットぶんのパルスそのまま本体クロックにしているためである。水銀遅延線使ったFUJIC記憶装置には1MHzほどのクロック使っている)。城はこうして開発したコンピュータ使って円周率小数点以下10万まで計算し、その10万目の数が「6」であることを知っているのは日本で私だけだと自慢していた。[要出典] なお、文献等では「各装置はほとんどでき上がり計算機全体調整を行う段階には到達した」(『日本コンピュータの歴史』p. 88)、「加減乗除うまくいった」(『計算機屋かく戦えり』ハードカバー版 p. 190)、「ついに完成をみなかった.」(情報処理学会コンピュータ博物館ウェブサイト)とある。

※この「阪大真空管計算機」の解説は、「城憲三」の解説の一部です。
「阪大真空管計算機」を含む「城憲三」の記事については、「城憲三」の概要を参照ください。

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