関係者たちの反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 06:41 UTC 版)
「Formula 1: 栄光のグランプリ」の記事における「関係者たちの反応」の解説
ドライバーや関係者たちの多くは、この作品を契機としてアメリカからのF1への注目度が高まり、ファン層の拡大を実感していると述べている。同時に、この作品内で描かれている事柄には脚色が含まれ、事実とは異なっている点があるとも多くの関係者が指摘している。この点については、作品そのものの反響が大きく、その恩恵があることから「エンターテインメント」として受け入れている関係者が多いものの、マックス・フェルスタッペンのように明確に否定的な反応を示す関係者もいる。 以下、主な反応を基本的に時系列に沿って記載する。 2020年ケビン・マグヌッセンはシーズン2について、ロマン・グロージャンがあたかも自分の敵であるかのように描かれていると指摘し、実際には家族ぐるみで付き合いがあり、良い関係を築いていたと述べている。グロージャンも、作品そのものについては高く評価しつつ、真実が描かれているわけではないと述べている。 カルロス・サインツは2020年に作品そのものについては称賛しつつ、シーズン2で描かれた自分とダニエル・リカルドとの関係が「ライバル関係」として誇張されて描かれていると指摘している。また、2021年にはシーズン3のエピソード4(サインツ加入前のスクーデリア・フェラーリ内の不協和音を描いている)に言及し、実際のフェラーリはこの話で描かれているものよりもクールで素晴らしいものだと語った。 作品内で大きく取り上げられているギュンター・シュタイナーは2020年にインタビューに答え、自身はこの作品を視聴していないが、撮影スタッフはすでに「家具のように」そこにあるのが自然な存在となっており、気にすることもなくなっていると述べている。シュタイナー個人が人気を得てしまったことについては関心はなく、レースで結果を出すことのみが自分の目的であり、そのために働いている姿を撮影してくれればよいと語っている。 2021年トト・ヴォルフはメルセデスチームがシーズン2から参加することを決めた理由について、シーズン1にはヴォルフ自身が普段認識しているF1の姿とは異なる角度からの視点があり、これは新たな視聴者層を魅了するのに役立つだろうと考えたため、と述べている。ヴォルフ自身の感想として、シーズン1のエピソード1、2を見た時点では好ましいものとは思わなかったが、反響の大きさを見て、ビジネス上の判断から考えを改めたとも述べている。 レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナーは、この作品がF1のレース中継からは窺い知れない側面を捉え、新たなファンを開拓している点を高く評価した。ホーナー自身の14歳の娘とその友人たちも以前はそれほどF1に関心を持っていなかったが、この作品の開始以降は全てのF1ドライバーを覚えるまでになったとも述べている。 マクラーレン・レーシングのCEOであるザク・ブラウンはこの作品について「北米においてF1に最もインパクトを与えた出来事であり、米国から来るほぼ全てのコメントは『栄光のグランプリ』に関するもので、それまでF1を観たことがなかった人たちにF1を絶対見逃せない存在として認知させた」と称賛している。シーズン3でサインツとランド・ノリスの「ライバル関係」が描かれたことについて、実際にはそうした緊張関係はなく、エンターテインメントに過ぎないと述べた。 マックス・フェルスタッペンはこの作品について、米国における人気を高めるために必要な作品であることは認めつつ、演出が過剰であり、自分は次シーズン(シーズン4)以降の出演を望まず、インタビューにも応じないと語った。特に(シーズン3のサインツとノリスの描かれ方のように)「実際には存在しないライバル関係」を作り上げている点に不快感を示し、それが作品に参加しないことを決めた要因になったと述べている。シーズン4については最初の2話と最後の2話(タイトル争い最終盤を描いている)だけ視聴したとした上で、全体的な描写について「全てではないが、とても多くのことが間違っている」と述べた。 2022年ランド・ノリスはシーズン4のエピソード2(マクラーレンに移籍したリカルドの不振に焦点を当てており、リカルドとノリスの関係は若干険悪なものとして描かれている)に言及し、自身の発言が編集によって切り取られ、本来の文脈から外れた場所で使用されていることを指摘し、問題視した。 シーズン4の公開開始後、フォーミュラワン・グループのCEOステファノ・ドメニカリは、本作品がF1に与えたメリットが大きい一方で、本作品における描写の手法を好まないドライバーがいることを認識していると表明した。同社としては全てのドライバーが作品に快く協力できるようにすることを望んでおり、対策として、作品の内容が現実から乖離しないよう、Netflixと話し合いを行なうと述べた。
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