運転操作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/28 03:29 UTC 版)
運転者が行っている操作について解説すると、エンジンの回転数は、アクセルペダルを右足のつま先、親指あたりでそっと押すことで調整する。スロットルペダルを操作しない状態では、エンジンはアイドリング状態で回転しており、アクセルペダルを踏み込んでいる間はその量(スロットル開度)に応じて回転数が上がり、ペダルを戻すと回転は下がり、完全に離すとアイドリング状態となる。 マニュアルトランスミッション(MT車)では、運転者自身がトランスミッションの操作をしてエンジンから車輪に伝わるトルクを調整する。左足裏でクラッチペダルを踏むと、エンジンのトルクがトランスミッションから先に伝わらない状態になる(「クラッチを切る」などとも表現する)。この状態はまたトランスミッションのギヤ比を選択(変更)できる状態になっている。ギヤ比の選択はシフトレバーで行う。 走行中の車の制動は、車輪に備えられたブレーキやエンジンブレーキを用いて行う。ブレーキは床のブレーキペダルを踏むことで操作し、踏む強さに応じてブレーキが作動し、車輪の回転を止めようとする摩擦力がはたらく。エンジンブレーキとは、トランスミッションがつながった状態でスロットルペダルを踏む量を減らすと、ギヤ比に応じて車体を減速させる力が働く、というものである。 オートマチックトランスミッション車(AT車)では、アクセルペダルの踏み込み量(エンジンの回転数)や車速に応じ、加速や惰行、あるいはエンジンブレーキの状態となるよう、自動的にトランスミッションのギヤ比が選択される。運転者は基本的にアクセルペダルとブレーキペダルで速度を調整することになる。 自動車の進行方向の調整は、運転者の正面にあるステアリング・ホイール(単に「ステアリング」や「ハンドル」とも呼ぶ)を左右に回転させて前輪を操舵することで行う。進路変更や右左折の場合は操舵の前に周囲へ知らせる必要があり、事前に方向指示器(ターンランプ、ウィンカーとも呼ぶ)を操作する。方向指示器のレバーは一般的にはステアリングコラムにある。 ほかに、雨や雪が降り前方が見にくいときに窓を常時拭くワイパーや、夜間・トンネル内など周囲が暗いときに前方を照らす前照灯(ヘッドライト)の操作スイッチもステアリングホイール付近など運転中に操作しやすい場所に配置されている。 駐車して車を離れるなど、車を長時間完全に停止させておきたい場合はパーキングブレーキを用いる。また、坂道などで一時的に停止する場合でも、通常のブレーキに加えてパーキングブレーキを併用することがある。
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運転操作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 05:26 UTC 版)
「ノンシンクロトランスミッション」の記事における「運転操作」の解説
詳細は「マニュアルトランスミッション#ノンシンクロ式トランスミッション」および「シンクロメッシュ」を参照 ノンシンクロトランスミッションは、操作する者が構造を理解し適切な変速タイミングを訓練によって熟知していることを前提に設計されている。大型商用車のドライバーは自動車学校で教えられるダブルクラッチの技術を使用してノンシンクロトランスミッションの操作を行う。極めて熟練したドライバーになると、一度クラッチを踏まずに強制的にニュートラルレンジにシフトした後にシフトアップの場合にはインプットシャフトの回転数低下を見計らい、シフトダウンの場合にはヒール・アンド・トウなどの技術も併用してアクセルペダルを煽って回転数を正確に調整してからシフトを行うことで、クラッチを使用せずにシフトチェンジを行うことができる。この技術はフロートシフト(ノンクラッチシフト)と呼ばれる。フロートシフトは各段のギア比を完全に把握し回転数調整を完璧に習得している者であれば、全てのギアシフト方法の中で最も速く変速を行うことが出来るため、レーシングドライバーの中にはフルシンクロトランスミッションの車両であってもこの技術だけを用いてレースを行う者も存在する。 日本国外の運送業者が用いるノンシンクロトランスミッションを搭載した超大型輸送車両は積載重量がショートトレーラーであっても36.3トンから40トンを超える車両であり、最高速度70マイルまでの間に24段のギアを用いるようになっている。トラクターやコンバインなどの多くの農業機械で用いられるノンシンクロトランスミッションのギアは、はすば歯車(ヘリカルギア)が用いられる。建設機械では経験の浅いオペレータがフルパワーを用いるための低速ギアに変速できずに作業中に立ち往生したり、あるいは下り坂で変速しようとしてニュートラルに入れた後に他のギアに変速できずに暴走を起こす事故が発生する場合がある。これは彼らが変速時の回転同期技術を習得していないことや、機器のトルクとノンシンクロトランスミッションの特性などの問題に起因していて、多くの山岳道路では重機のオペレーターは登坂や下りの中途でシフトの変更を行わずに通過することが推奨されている。
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