操作スイッチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 21:34 UTC 版)
乗客がタクシーに乗り込み、走り出す際や目的に到着したときなどに操作する。現在はほとんどのタクシーメーターがボタン式で、機種により操作確認音を発するものもある。また、夜間の操作性向上のため、ヘッドライト操作スイッチと連動して、ボタンのバックライトも点灯する機種が多い。かつてのタクシーメーターは機械式であり、レバー式の操作スイッチが主流であった。 タクシー事業者やメーターの製造者によって異なるため、主なボタン(スイッチ位置)のみ列記する。また、操作については、ボタン式のタクシーメーターを前提とした説明とする。 空車(くうしゃ) 乗客から運賃を収受し、車内が空車になったときに操作する。これが押されると、メーターがリセットされ、料金表示がゼロクリアされる。支払の状態で押さないと空車に切り替わらない機種もある。スーパーサインは「空車」を表示する。 賃走(ちんそう)・実車(じっしゃ) 乗客が乗り込み、運送を開始するときに操作する。これが押されると、運賃のカウントが開始される。現行の機種は時計を内蔵しており、設定された割増時間帯になると、通常運賃で実車中でも自動的に割増に切り替わり、逆に割増時間帯を過ぎると、割増中でも自動的に通常運賃に戻るものが多い。時計が内蔵される前は、割増(わりまし)スイッチが別に設置されていた。ただし、地域や事業者によっては冬期間などの割増料金が設定されていることがあるため、時計内蔵機種であっても別途割増スイッチを装備する場合がある。また、2度押しすることで割増に切り替わる機種や、支払の状態で押すと通常運賃に戻る機種もある。スーパーサインは「賃走」、「実車」、消灯、黒幕のいずれかに切り替わる。なお、スーパーサインが「回送」のときにこれを押すと、サインには「予約車」あるいは「予約」が表示される。 支払 目的地に到着したときに操作する。乗客が支払う運賃を確定するボタンだが、機能的には時間距離併用運賃の計算から、距離制運賃の計算に切り替えるボタンである。そのため、何らかの事情で支払ボタンを押した後にタクシーを走行させると、ボタンを押す前の距離を引き継いで運賃が加算される。後述する「高速」ボタンのない機種では、高速道路を走行するときにこのボタンを押す。スーパーサインは「支払」を表示するか、消灯のままである。実際に運賃を支払う際、「支払」ボタンを押しただけでクレジットカードなどの決済端末や領収書(レシート)の印字プリンターに運賃の情報が送られる場合とさらに「合計」ボタンを押さないと送られない場合が機種や事業者によって異なる。 高速 高速道路や都市高速道路を走行する場合に操作する。時間距離併用運賃から距離運賃に切り替わり、渋滞や停車していても運賃が上がらない。スーパーサインの表示は、「高速」か「賃走」、消灯のいずれかに切り替わる。デジタルタコグラフの機能を併せ持つ機種では高速ボタンを押すことで速度超過として警告・記録される値が高い値に切り替わる。 迎車 無線などにより配車依頼を受けた場合に押されるボタン。迎車料金を収受する事業者の場合は、迎車料金が表示されている。スーパーサインは「迎車」を表示する。 待 「迎車」のサインを掲示して現着し、客を待つ際に押すボタン。客待ちの間、料金は時間制で加算され、スーパーサインは「無線予約」、「予約車」、「予約」を表示する。客を乗せて走り出したら、直ちに「賃走」ボタンを操作する。事業者やメーターの機種、スーパーサインの機種によっては、サインの設定を「回送」にした上で、メーターを実車に入れ、客が乗車したらサインの設定を「空車」に戻す場合もある。 自家使用 個人タクシー向けの機種にのみ設定がある。タクシーを運転手やその家族が自家用車として使用する場合に表示する。メーターにこのボタンを持たない場合、あるいはスーパーサインにその表示を持たない場合は板をサインの前に掲出する。 客扱いをする上で操作すべきボタンは概ね以上であるが、その他、乗務員が日計(水揚げや走行距離など)を確認するためのボタンもついている。また、スーパーサインを操作するための「貸切」ボタンなどが、メーターに実装されている場合もある。
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