連続式蒸留機(れんぞくしきじょうりゅうき)
連続式蒸留機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/22 05:19 UTC 版)

*A 醪塔(analyser) *B 精留塔(rectifier) *1 醪(wash) *2 加熱用の水蒸気 *3 蒸留残渣 *4 アルコールを含む蒸気 *5 精留塔で凝縮した成分は醪と混合され再び醪塔に送られる *6 蒸留酒 *7 凝縮器(condenser)
連続式蒸留機(れんぞくしきじょうりゅうき、連続式蒸溜機、英:Column still)とは、アルコール発酵した酒の醪を連続的に蒸留することで、不純物を除去しエタノールを精製する装置。化学工業の様々な分野に用いられ、蒸留酒の製造にも用いられている。
イギリス統治下のアイルランドの税官吏だったアエネアス・コフィ(カフェ)が1830年に特許を取り、スコットランドのウィスキー業者が採用したことでスコッチ・ウイスキーの増産に繋がったと言われている。
ギャラリー
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シドニー・ヤング著「fractional distillation」による、カフェ式連続式蒸留機の図解
(1903年) -
連続式蒸留機、Stella Matutina博物館、レユニオン
(2004年11月) -
Mount Gay Rum蒸留所博物館に展示されているカフェ式連続式蒸留機、バルバドス
(2009年3月)
参考文献
- 『焼酎の事典』菅間誠之助編著、三省堂、1985年。ISBN 4-385-15574-7。
脚注
関連項目
連続式蒸留機
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「スコッチ・ウイスキー」の記事における「連続式蒸留機」の解説
連続式蒸留機は、基本的に粗留塔(モロミ塔、アナライザー)と精留塔(レクティファイアー)の2つの塔からなる、高さ10数mの装置である。発酵の工程を終えた温度約20℃ほどの発酵もろみは、精留塔の中を通るパイプ(ウォッシュ・パイプ)の中を通り、粗留塔に至る。粗留塔の内部には数十段の棚があり、棚には無数の穴があいている。発酵もろみは棚を上から下へと落ちていくが、その際粗留塔の下部から立ち上る蒸気とぶつかる。すると発酵もろみのなかのエタノール分が蒸気に取り込まれ、蒸気パイプと呼ばれるパイプを通って精留塔へと運ばれていく。理屈としては棚の穴一つが単式蒸留器一つに相当する。蒸気パイプを通って精留塔に至ったエタノールを含む蒸気は、精留塔の中を下から上へ移動する途中でウォッシュ・パイプにぶつかるが、ウォッシュ・パイプの中は温度約20℃ほどの発酵もろみが移動中であるため徐々に冷却されていき液化する。この時、純度の高いエタノールは精留塔内の高い位置に至ってエタノールを回収するためのパイプに入り、一方純度の低いエタノールはパイプに届かずに精留塔底部で回収されて再び蒸留にかけられる。連続式蒸留機では発酵もろみと蒸気を供給し続ける限り永久に蒸留が行われる。
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連続式蒸留機と同じ種類の言葉
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