連続式蒸留機の発明とスコッチ・ウイスキーの多様化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 04:38 UTC 版)
「スコッチ・ウイスキー」の記事における「連続式蒸留機の発明とスコッチ・ウイスキーの多様化」の解説
1826年、スコットランド人のロバート・スタインが連続式蒸留機を発明。これを改良したアイルランド人のイーニアス・コフィーが1831年に特許を取得した。連続式蒸留機はコフィーの名をとってコフィー・スチル、あるいは特許を意味する英語パテントからパテント・スチルと呼ばれるようになった。それまで用いられていた単式蒸留器では蒸留が終わる度に発酵もろみを投入するのに対し、連続式蒸留機では連続的に蒸留を行うことができた。連続式蒸留機の登場でウイスキーの大量生産が可能となった。エジンバラやグラスゴーなどローランド地方の生産者は連続式蒸留機を積極的に活用し、さらに原料をトウモロコシなど、大麦麦芽より安価な穀物に切り替えた。こうしてグレーンウイスキーが誕生した。一方、ハイランド地方の生産者は連続式蒸留機を採用せず、従来通り大麦麦芽を原料とし、単式蒸留器を使って蒸留する製法を維持した。この製法によるスコッチ・ウイスキーをモルトウイスキーという。1853年、エジンバラの酒商アンドリュー・アッシャーが、熟成年が異なるウイスキーを混ぜ合わせることを考案。その後1860年に、それまで異なるウイスキーを混合させてはならないと定めていた法律が改正され、保税貯蔵庫内であれば混合が可能となったことで、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混合したブレンデッドウイスキーと呼ばれるスコッチウイスキーが誕生した。ブレンデッドウイスキーの考案以降、「スコッチの歴史はブレンデッドの歴史」と評される。
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