軌道の特徴と起源とは? わかりやすく解説

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軌道の特徴と起源

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 23:47 UTC 版)

彗星」の記事における「軌道の特徴と起源」の解説

短周期彗星エッジワース・カイパーベルト、またはそれに隣接する散乱円盤天体起源に持つと考えられハレー彗星以外に大型彗星少ない。一方長周期彗星起源オールトの雲にあると考えられ大彗星になるものが多い。特に、以前観測記録がない大型彗星は、太陽系の起源を知る上で重要な手がかりとなると考えられている。 小惑星比較的円に近い楕円軌道描いているものが多いのに対して彗星は非常に細長い楕円放物線双曲線軌道をとるものが多い(軌道離心率の値が大きい)。彗星がなぜ極端な楕円軌道になるような摂動を受けるのかを説明するために、さまざまな説提唱されてきた。有名なものとして、銀河系の中の恒星太陽近く通過したことにより、オールトの雲を含む太陽系外縁天体軌道がかき乱され、その一部太陽へと落下してくるとする説や、ネメシスという太陽連星、あるいは未知惑星X存在仮定して、その重力影響よるものだとする説などがある。 1950年天文学者ヤン・オールトは、長周期彗星軌道計算行い遠日点太陽から1万天文単位 - 10万天文単位(約0.1光年 - 1光年)の距離のものが多いことを発見した。そこでオールトは、小天体が多く集まるオールトの雲呼ばれる領域太陽系の最外縁部に存在するという仮説提唱した。この仮説広く受け入れられ、それ以後彗星オールトの雲起源を持つと考えられるようになったオールトの雲存在する天体は、ときどきお互いに重力相互作用摂動)を起こし一部太陽引力とらえられ極端な楕円軌道を描くようになり、太陽に非常に接近するうになるオールトの雲エッジワース・カイパーベルトはいずれも、太陽系の形成と進化過程において原始惑星系円盤形成され微惑星、または微惑星集まった原始惑星残っていると考えられている領域である。太陽から3AU以遠では比較凝固点の高い物質がすべて凍り岩石質の物質総量上回るため、微惑星主成分は氷になる。オールトの雲は、主として木星土星形成される付近軌道にあった小天体が、形成後の木星土星弾き飛ばされたものと考えられ太陽系を球殻状に取り巻いている。エッジワース・カイパーベルト太陽系外縁部の氷小天体が惑星にまで成長できずに残ったもの考えられており、黄道面取り巻くようにして環状広がっている。したがってオールト雲起源彗星の方がエッジワース・カイパーベルト起源のものより形成温度が高いと考えられている。 2009年11月時点までで、3,648個の彗星知られており、そのうち約1,500個がクロイツ群彗星、約400個が短周期彗星である。この数は増え続けているが、本当に存在するはずの彗星のうちのごく一部である。太陽系外部に存在する彗星元になる天体はおよそ1兆存在するかもしれない地上から肉眼見えるようになる彗星の数はおおまかに1年に1個程度だが、その大部分暗く目立たない歴史上、非常に明るく肉眼でもはっきり見え多くの人に目撃されたような彗星大彗星呼ばれることがある彗星質量小さく軌道楕円であるため、周期的に巨大な惑星接近しその度彗星軌道摂動を受け変わる。短周期彗星は、遠日点までの距離が、巨大な惑星軌道半径同じになるような強い傾向見られる。これらはその惑星名を取って木星族、土星族、天王星族、海王星族の彗星などと呼ばれるその中でも、木星軌道付近に遠日点を持つ木星族の彗星が特に多い。オールトの雲からやってきた彗星は、しばしば巨大な惑星接近し重力の強い影響を受ける。特に木星は、ほかの惑星をすべて合計したより2倍以上大きな質量持っているため、非常に大きな摂動彗星与える。なお、もし木星土星のような巨大惑星なければ現実より多く彗星太陽系中心部侵入し一部地球衝突していただろうという説がある(惑星の居住可能性#グッド・ジュピター参照)。 また、重力的な相互作用により軌道変わったため、過去数十年や数世紀の間に発見され周期彗星のうち、その彗星将来どこに現れる予測できるほどよく軌道定まっていなかったいくつかが見失われている。しかし時折「新」彗星過去軌道さかのぼることにより、古い「見失われた」彗星同一だ判明することがある。その例として、テンペル・スイフト・LINEAR彗星11P)が挙げられる。この彗星1869年発見され、「テンペル・スイフト彗星」と命名されたが、木星摂動により軌道変わり1908年以降見失われていた。しかし2001年LINEARが偶然発見したLINEAR彗星(C/2001 X3)」が、発見後しばらくしてテンペル・スイフト彗星同一天体だと判明し93年ぶりの再発見認定されるとともに、名前がテンペル・スイフト・LINEAR彗星変更されることとなった彗星軌道に関する特徴ひとつとして軌道面傾き軌道傾斜角)が非常に大きいものが多いということ挙げられる太陽系の惑星は、軌道傾斜角おおむね数度程度大きくて10度以内収まっている。また小惑星も、20度から30程度まで傾いているものは多いが、軌道傾斜角ある程度小さいものが多い傾向はある。短周期彗星も、惑星摂動により軌道変えられ影響もあって、軌道傾斜角小さいものが大半占める。しかし、長周期彗星は、黄道面とほとんど垂直な軌道持ったもの(軌道傾斜角90前後)や、惑星大半彗星小惑星逆向き公転しているもの(軌道傾斜角が180度であるとも見なせる)も多く、ほとんどランダムに空のどこからでも現れるように見える。これは、オールトの雲分布が球殻状であると推定する根拠になっている

※この「軌道の特徴と起源」の解説は、「彗星」の解説の一部です。
「軌道の特徴と起源」を含む「彗星」の記事については、「彗星」の概要を参照ください。

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