軌道の規格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 05:16 UTC 版)
2007年に開業したLGV東ヨーロッパ線などは通常の営業運転において320km/hの最高運転速度が許容されている。元々のLGVは200km/hの速度が許容された高速線として定義されていたが、その後基準が改正され最高速度250km/hの高速線とされるようになった。従来からのSNCF在来線上での最高運転速度は、在来線列車が160km/hから200km/hとなっている路線で概ね220km/hとなっている。 LGVの建設方法は従来の鉄道の建設方法と類似しているが、いくつか核となる面が異なる。高速で列車が曲線を通過するとき旅客が感じる遠心力を減らすため、曲率半径が大きく取られている。LGVの曲率半径は原則として4,000m以上とされていたが、新路線では将来のさらなる高速化も目指すため7,000m以上とされている箇所もある。 LGVの軌道は在来路線に比べ精密に保線が行われ、バラスト(砕石)なども高速で走行するTGVの軸重に耐えられるよう厚く盛られ安定性が保たれている。1km当たりに敷設されている枕木の本数も在来線よりも多く、そのすべてが鋼鉄の締結装置で固定されたPC枕木で構成されている。軌条はUIC60kg/mの重軌条が使われ、傾斜角は通常の20分の1に比して40分の1とより真っ直ぐに作られている。継ぎ目を少なくするためにロングレールが使用され、快適な走行を実現している。トンネルの直径は、通常の列車が必要としている直径よりも大きく確保されている。これは気圧変化の影響を少なくすることを目的としているが、TGVの最高速度に影響を与えることもある。 いずれの路線も複線で、左側通行である。ただし、ヨーロッパで一般的な単線並列方式を採用しており、数十キロメートル毎に渡り線が設置されている。場所によっては、分岐側制限速度240km/h・直線側制限速度なしの65番高速分岐器(ノーズ可動式)が採用されている。
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