設定ユーティリティ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 09:22 UTC 版)
「Basic Input/Output System」の記事における「設定ユーティリティ」の解説
IBM PCやXT時代は設定用ユーザーインタフェースはマザーボード上のディップスイッチを用いてビデオアダプタのタイプ、メモリーサイズ、ハードディスクのパラメータなど設定したが、80286 CPU登場以降のIBM PC互換機では「リファレンスディスケット」と呼ばれるフロッピーディスクから起動し画面表示され、キーボードから操作し、不揮発性BIOS実装メモリー(CMOS RAM チップ)に設定を記憶するようになった。 80386世代以降のコンピュータではBIOSセットアップユーティリティをBIOS自身に組み込みむようになり、一般に、起動時に "Press F1 to enter CMOS Setup." のような表示が出る間に特定のキーを押すことでメニューに入ることができ、押すキーは機種によって異なっている。BIOSのUIでは ハードウェアの設定 システム時刻の設定 システム内コンポーネントの有効化/無効化 ブートさせるデバイスの選択 BIOS設定を保護するパスワード画面、承認されていない記憶デバイスの挿入による起動の防止 などを設定することが出来る。 近年のPCでは起動時のハードウェア初期化で多くの項目に自由度があり、設定内容の一部をユーザーが指示できるようになっている。この場合VGA BIOSなどが正常に起動したあと、特定のキー操作でメニュー形式で画面上に項目を表示することができ、キーボードを使って設定内容を編集し、終了時にバッテリバックアップされたレジスタに保存することができる。編集画面で以前とは異なった内容を保存した場合は、その新たなメモリ内容でハードウェアの初期化が開始される。また次回以降の起動時にこのメモリの内容にしたがってハードウェアが初期化される。このパラメータ設定を行うソフトウェアや設定画面を BIOS Setup(バイオスセットアップ)と呼び、CMOS Setup(シーモスセットアップ)とも通称される。 プラグアンドプレイは、ハードウェアのメモリマップや割り込み要求信号 (IRQ) をプログラマブルに変更できる機能で、従来はジャンパーピンなどで設定していたものを、BIOSプログラムが起動時に一定の手順で自動的に設定するものである。BIOSのパラメータ設定を容易にするために登場した機構であるが、ISAのPnPデバイスでは一部不完全で問題が発生することがあり、手動で設定が必要な場合がある。その際に、設定を変更するにもメニュー設定画面表示までBIOS起動が進行しないことがあり、そうなると問題解決はかえって複雑になる。 マザーボードリソースの設定も、動作クロックや電源電圧といったハードウェアに密接した設定もメニューから変更可能な場合がある。基本的には自動設定もしくは初期値が適切な値をとるが、自動での設定がうまくいかない場合等に備え、任意の設定を行うことも可能にしてあるものもある。中にはハードウェアの定格動作に反するオーバークロックといった仕様に基づいた設定としては不適切な状態にすることも可能であり、その設計マージンや個体差によって、起動できない状況も発生する場合もある。それが設定の範疇と故障を起こさないものであれば、後述のように設定を初期値に戻すことで、再度起動する状態に戻すことが可能である。
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