記録方式、インターフェースなど
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 14:30 UTC 版)
「D-VHS」の記事における「記録方式、インターフェースなど」の解説
磁気テープやローディングなど基本的なメカニズム部分は従来のVHS方式と同じであり、アナログ放送記録に関しては従来規格(VHSまたはS-VHS)と同じ方式で録画再生を行う。 従来規格と大きく異なるのは、各種デジタル放送のデジタル信号を、エンコードすることなく直接記録するビットストリーム記録方式を採用している点にある。また映像記録にはBlu-ray Discと同じくMPEG-2 TS方式を採用(厳密には、Blu-ray DiscがD-VHSの規格に準拠した形)。ハードウェア側には入力されたアナログ映像信号をMPEG-2信号にデータ圧縮するエンコーダと復元するデコーダが装備されているが、機種によっては両方もしくは片方が省略されているものもある。 DVD等で採用している可変ビットレート(VBR)とは異なり、固定ビットレート(CBR)でのデータ記録方式を採用している。 デジタル記録の場合、VHS120分テープ相当(DF-240)で、HS(ハイビジョン記録)で1倍、STD(標準解像度記録)で2倍、LS3で6倍の時間で記録が可能。なお、D-VHSテープに書かれている数値は、STDでの記録時間(分単位)である。 HSモード(ハイビジョン記録)では、1080iおよび720pに対応している。 D-VHSの各記録モードにおける最大ビットレートとテープスピード録画モードメインデータビットレートサブデータビットレート記録データレートテープスピードHS 28.2Mbps 292kbps 19.1Mbps×2 33.33 mm/s STD 14.1Mbps 146kbps 19.1Mbps 16.67 mm/s LS2 7.0Mbps 73kbps 19.1Mbps 8.33 mm/s LS3 4.7Mbps 48.7kbps 19.1Mbps 5.56 mm/s LS5 2.8Mbps 29.2kbps 19.1Mbps 3.33 mm/s LS7 2.0Mbps 20.9kbps 19.1Mbps 2.38 mm/s D-VHSの各記録モードにおける最大録画時間テープ型番最大容量録画時間HSSTDLS3LS5LS7DF-16016.9 GB80分(1時間20分) 160分(2時間40分) 480分(8時間) 800分(13時間20分) 1,120分(18時間40分) DF-18019.0 GB90分(1時間30分) 180分(3時間) 540分(9時間) 900分(15時間) 1,260分(21時間) DF-24025.4 GB120分(2時間) 240分(4時間) 720分(12時間) 1,200分(20時間) 1,680分(28時間) DF-30031.7 GB150分(2時間30分) 300分(5時間) 900分(15時間) 1,500分(25時間) 2,100分(35時間) DF-36038.1 GB180分(3時間) 360分(6時間) 1,080分(18時間) 1,800分(30時間) 2,520分(42時間) DF-42044.4 GB210分(3時間30分) 420分(7時間) 1,260分(21時間) 2,100分(35時間) 2,940分(49時間) DF-48050.7 GB240分(4時間) 480分(8時間) 1,440分(24時間) 2,400分(40時間) 3,360分(56時間) デジタル放送受信機(セットトップボックス:STB)等との相互接続にはi.LINKを採用。映像・音声・アスペクト比などの制御信号・番組情報などを双方向に通信し記録できる。DV端子と形状は同一だが取り扱う信号が異なる(DVC-SDフォーマットではなくMPEG-2 TSフォーマット)ため、DV方式の家庭用デジタルビデオカメラは接続できない(DVビデオカメラ用の信号を扱えるデッキもある)。MPEG-2デコーダを装備していないD-VHSデッキでD-VHS記録された映像を再生する場合、この接続形態でSTB等に内蔵のMPEG-2デコーダを通して再生する事になる。 テープにはアナログ方式のS-VHSテープをリファインしたD-VHSテープを使用して記録する。外見は通常のVHSテープとほぼ同じだが、磁性粉の保磁力は1000Oeを超えたコバルト被着型を採用し、記録する短波長の高出力化・磁性体の密度アップがなされており、外見上の相違点として、テープの種類を認識するための穴(識別孔)がある。デジタル方式で記録されたテープは従来のVHS / S-VHS / W-VHS方式では再生できない。しかしVHS / S-VHS方式で記録したテープはD-VHSデッキで録画・再生できる。なお、D-VHSテープはデジタル記録専用ではなくVHS / S-VHS / W-VHS / D-VHSデッキに於いてアナログ方式のVHS / S-VHS記録用の最高級テープとしても使用可能である(D-VHSデッキでD-VHSテープにアナログ方式のVHS / S-VHS記録をする場合、ボタン操作でVHS / S-VHS記録モードに切り替える必要がある)。 メーカー保証外だが、S-VHSテープやHG(ハイグレード)タイプのVHSテープであればD-VHS方式でのデジタル記録が可能な機種も存在する。本体やリモコンのボタン操作でD-VHS記録モードへ切り替えると記録することができる。ただし、機種によってはテープ種類の識別孔を空けなければD-VHS記録が出来ないものもある。 i.LINK(IEEE 1394)を使用してパソコンと接続し、MPEG-2エンコードした映像を編集可能な製品が存在する。また、Windows XP搭載パソコンとIEEE 1394で接続した場合、「JVC Tape Device」として認識される機種がある。フリーウェアを使用することにより、D-VHSデッキを使用したMPEG-2キャプチャも可能である。
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