船体について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 03:22 UTC 版)
小説版の描写によれば、船体構造は、ガス嚢を木造骨格と外皮とで被覆した硬式飛行船であり、ガス嚢と主翼先端のメインローターで浮力を制御している。ガス嚢は船体内部に7個あり、3個までなら損傷しても飛行可能である。メインローターと主翼はティルト式になっており、角度を調整することで垂直上昇やホバリング、高速飛行等を自在に行える。動力源は小説版では焼玉エンジンとされ、広い機関室内には駆動系の歯車が剥き出しになっている。高速飛行する際には、機関室のレバーでクラッチを操作することで船体後部にある四重反転プロペラを駆動させる。船体後部には大型の垂直尾翼があり、海賊のシンボルマークである髑髏(ジョリー・ロジャー)が描かれている。船体の大部分は木と布で出来ており固定武装や装甲等は無く、専ら空賊団の移動及び寝食と、フラップター輸送用の空中母船であり、劇中で飛行戦艦ゴリアテに遭遇した際にもただ逃げるしかなかった。なお速力については、小説版によると軍の最新鋭艦には劣るものの、未だそれに次ぐとされている。 ブリッジは船体から渡り廊下兼用のフレームを介して前方に張り出した位置にあり、横長の筒状。中央には進行方向に向かって円錐状に伸びたノーズコーンがあり、全体的に鳥の顔に似ている。ノーズコーンの左右には円形のガラス窓が嵌め込まれ、操縦士は右を、船長は左の窓をそれぞれ覗く形となる。ブリッジ中央には無線装置が設置され、通信の傍受もここで行われる。 メインゴンドラは居住区画となっており、デッキで後部の機関室と繋がっている。またメインゴンドラの下部はフラップターの格納庫となっている。各区画間での通信手段は主に伝声管を使用している(内線電話はない)。小型の船体ながら部屋の数はかなり多く、劇中ではドーラの私室(=船長室)、厨房、ハンモックを吊った食堂兼船室、機関室等が描かれている。 船体上部とブリッジの上部に見張り台があり、夜間は交代で見張りに就く。船体上部の見張り台へは船体の外側に取り付けられた足場でしか移動出来ない。またこれは分離式となっており、見張り台内部のハンドルを操作して凧の翼を展開した後、ブリッジからの遠隔操作で母船から分離、上昇し、母船よりも高々度からの偵察が出来る様になる。分離すると伝声管が使用出来なくなるため、ブリッジとの通信は船内電話に切り替えられる。分離中は、母船側のウインチから鋼鉄製のワイヤーが伸びて船と繋がれているが、一度分離すると悪天候時の収容や再結合は不可能。また見張り台には独立した操縦装置があり、万一ワイヤーが断裂しても、独立したグライダーとして飛行出来る。
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