船体と兵装について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 17:36 UTC 版)
「ガトー級潜水艦」の記事における「船体と兵装について」の解説
前項で述べたように、ガトー級はタンバー級の設計を受け継いだものであるが、艦内容積の増大と復原性の低下の均衡を考慮して全長を1.5メートル延長して結果的に若干艦型が大きくなった。 ディーゼル機関の馬力では日本の伊176に劣ったが、機関はコンパクトにまとめられており整備性に優れ、いつでも気軽に最高速度を出せるなど信頼性も高かった。このことは戦後ミンゴに乗務した筑土龍男海将も記録に書き残している。ただし、一部の艦では本来搭載されるべき機関生産が追いつかなかったので、就役を早めるために旧型の機関を搭載して就役した。この機関は整備性が劣り振動も甚だしかったので、全艦オーバーホールの際に換装されている。 船体構造も改正され、安全深度が91メートルに増大した。その他造水能力、居住性(シャワー室が二箇所に存在した)、電気系統の制御など、多くの点で同時期の日本の伊号潜水艦を凌駕していた。なお、航続距離と燃料搭載量はタンバー級と実質変わらない。大量建造を促進するため、太平洋戦争開戦後に大規模な設計変更や船体改修を禁じたが、戦訓に基づいた改修および性能に差しさわりのない部分の省略といった改修は順次実施されている。また、艦橋構造のデザインもエレクトリック・ボート社設計のものとポーツマス海軍造船所またはメア・アイランド海軍造船所設計のものでは差異がある。もっともわかり易いのは後部のデザインであり、上から見て後部が丸みを帯びているのがエレクトリック・ボート社設計の艦橋で、角になっているのが海軍造船所設計の艦橋である。艦橋構造は戦訓によって凸型に改装されていったが、その際でも潜望鏡支基や見張り台の構造のデザインが設計によって異なっている。 魚雷発射管はタンバー級に引き続いて前部6門、後部4門の計10門装備されており、魚雷搭載数24本、機雷搭載数40個もタンバー級と同一である。 備砲は、就役当初はタンバー級やそれ以前の艦同様3インチ砲を装備して就役したが、同砲の威力や評判が芳しくないことから、途中からS級潜水艦などに搭載されていた4インチ砲に換装している。砲は基本的に前部か後部に搭載された。前部に搭載される意味としては、目標に接近しながら撃てるということであり、後部に搭載される意味は、乗員が艦橋から飛び出して直ちに配置に就けるよう配慮されたものであった。 機銃も当初は12.7 mm機銃を搭載していたが、これも次第にエリコンFF 20 mm 機関砲に強化されていった。水上兵装の更なる増強に関しては後述する。
※この「船体と兵装について」の解説は、「ガトー級潜水艦」の解説の一部です。
「船体と兵装について」を含む「ガトー級潜水艦」の記事については、「ガトー級潜水艦」の概要を参照ください。
- 船体と兵装についてのページへのリンク