自動車窃盗団
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/23 04:17 UTC 版)
自動車盗も参照 デザイン・最高速度などの機能・そして車種によっては希少性という意味で、20世紀以降ではステータスシンボルの象徴のひとつとして、富裕層が自動車のうちでも高級車・スポーツカーを所有する社会的傾向があるが、乗用車が社会において一般的な存在となって以降は、それを買うだけの金銭を持たない者・あるいはその車種の所有を希望する者へ不法に転売するための対象として、高級車はしばしば盗難の対象となっている。厄介なことに、不動産などと違って自動車は『乗って移動するための実用的な物品』でもあるため、エンジンを始動させたあとは運転方法さえ知っていれば、『遠距離への乗り逃げ(持ち逃げ)』も十分可能である。 こういった風潮を受けて、イモビライザーなどの盗難対策装置(車種によっては、標準装備されている)の設置・自動車保険のうちの任意保険では、盗難に対するオプションをつける・などの対策が広く講じられている。それでも、年間での自動車盗難件数は世界的に見れば、相当な数にのぼる。 また自動車窃盗に関しては、キーロックの解除ノウハウ・盗難防止装置の解除のための装置の開発・盗んだ車を売りさばくための販売網など、技術的・商業的なさまざまな要素が絡む事が多い。こういった事情から自動車の窃盗は、単独犯ではなく大規模な窃盗団を構成したうえで犯行が実行される事が多い。中には、正規に登録を受けた中古車販売業者が、盗難車の売買に絡む例もある。なお、盗難された自動車は、そのままの形で輸出される例のほかに、各種のパーツごとにいったん分解されたうえで密輸出される例も少なくない。 いわゆるイタリア・ドイツ・アメリカ車などのうち高級ブランドの自動車が盗まれる例が多いが、日本車でも高級車やスポーツカーの高級モデルが盗まれ、おもに日本と同じ左側通行の国々へ輸出される例が報告されている。 トヨタ・ハイエース 近年、日本での盗難件数が目立って多い車種の一つとしてあげられる。貨物・人員輸送など、さまざまな目的に使用できる実用性の高さが、海外(おもに発展途上国)での人気の理由と考えられる。『日本車は、低燃費・故障しにくい・丈夫』といった世界的な認識が、かえって盗難のターゲットとなる要因を作っている例。(上記「自動車盗」の項を参照) トヨタ・ランドクルーザー 上記の理由に加え、『オフロードなど舗装されていない道でも走破できる、タフな性能の高級車』という認識から、テクニカルに転用されるほか、公共交通が未発達で山がちな左側通行の国(南アジア・中央アジア・東南アジアなど[要出典])で人気がある。 三菱・ランサーエボリューション 主に北米での人気が非常に高く、日本国内では状態のよい固体が多いため盗難のターゲットになりやすい。 日産・スカイラインGT-R 特にR32型が年式の割に非常に高価格であることに加え、近年はアメリカでの25年ルールの対象車種として広く認識されており、自動車盗難の代表的車種として知られている。 スズキ・ワゴンR 日本国内では中古車としての流通が極めて多く、価格も非常に安いため東南アジア諸国やアフリカなど貧困層が多い地域の住民の足として最適であるため、盗難にあうケースが比較的多い。
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