自動車税以外の自動車関連諸税を含めた諸外国との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 00:20 UTC 版)
「自動車税」の記事における「自動車税以外の自動車関連諸税を含めた諸外国との比較」の解説
自動車税以外の自動車関連諸税(自動車重量税、自動車取得税、消費税、付加価値税など)も含めて比較した場合は、日本はドイツとフランスの約1.9倍、イギリスの約1.4倍、アメリカの約5倍となっており、前述の自動車税のみの比較とは差が縮小してはいるが、やはり高額である。 しかし燃料税(ガソリン税・軽油引取税)に関して、日本は先進国のなかで安く、保有税と燃料税を全部含めた「トータルコスト」だと、自動車所有者の平均納税額は、日本よりヨーロッパ諸国のほうが高い税制となっている。 なお自動車関連の諸税は、日本以上に高額な国家(シンガポール、インドネシア、中華人民共和国特別行政区の香港・マカオ)も存在するが、以下のように自動車にだけ特別高い税金がかけられているわけではなかったり、自動車関連諸税が高額でも、公共交通機関の安価な運賃による自家用自動車の代替移動手段により、国民生活に大きな支障を及ぼさないといった背景がある。 ノルウェーやスウェーデンなどの北欧諸国は、排気量・重量・環境対策技術に合わせた取得税に高額な消費税(25%前後)がかかり、取得後の道路税や炭素税などの環境税を合わせると日本以上になるが、北欧諸国は自動車に限らず、高額な租税負担を求められる(高福祉高負担)国家であり、自動車ユーザーに対する負担が特別高いというものではない。また電気自動車は免除、燃費の良いエコカーは減税になる特例が存在し、都市部では公共交通機関が発達しているため、国民の生活には影響が少ない。 デンマークは、登録税として車両価格の180%(ディーゼル車はさらに課税される)が、デンマークは総人口の9割近くが都市に居住しており、さらに全体的に平坦な国土であり山が少ない(最高地点は海抜173m)ため、自転車専用道が整備されており、国民に自転車利用が浸透している背景がある。また公共交通機関も充実しているため、雨天でも影響は少ない。 シンガポールは年間の新規登録台数に上限があり、景気に合わせて価格が変動する入札制の車両購入権(英語: COE; Certificate of Entitlement)に加え、輸入関税・消費税・登録料・道路税が課せらるため、乗り出しまでに車両価格の4-5倍程度が必要になり、購入後もERP(Electronic Road Pricing)というETCに類似した車載装置の設置が義務になっているため、市街地への進入や、シンガポール・チャンギ国際空港へ乗り入れると、自動的に課金される。 シンガポールは、国土面積が日本の淡路島程度であり、マレーシアからの分離独立当初から、自動車による慢性的な道路渋滞が発生し、社会問題になっていたことから、高額な租税は限られた国土を有効に使うために、自動車を極力排除しようという政策によるものである。その代わり低運賃の公共交通機関が充実しているため、個人が実用品として自家用車を購入する必要は無い。しかし、購買力のある富裕層が高級車を買い求めるため、シンガポール政府がCOEを減らしても、登録台数はあまり減少していない。
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