編成別の施工状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 15:18 UTC 版)
「阪神8000系電車」の記事における「編成別の施工状況」の解説
リニューアル第1号となった8211Fは2002年4月9日に竣工、4月11日に営業運転を開始した。直通特急は山陽電鉄より乗り入れる山陽5000系・山陽5030系がクロスシート車であり、当時の阪神電鉄のクロスシート車は9300系のみであったが、8000系のリニューアルにより直通特急のクロスシート化が進むこととなった。2003年には8219Fがリニューアル改造を受けた。 2004年にはリニューアル第3号となった8221Fに施工されたが、混雑緩和対策のため中間車のクロスシートへの改造は3・4号車(8101形)のみに縮小され、クロスシート部分にも吊り手が増設された。この仕様は以降のリニューアル車に継承され、同年には8215Fに施工されたのに続き、2005年に8213Fが、2006年には8225Fがそれぞれ施工されている。また、タイプIV8233F以降と同様に、先頭車の前面貫通扉にワイパーが装着され、塗り分け線も少し低い位置になった。8221Fについては、8221のみ車内側の化粧板を貼り替えただけに留まっており、外見でも窓の形状が異なるほか、窓周りに銀色のふちが目立っており異彩を放っていたが、後の定期検査で他5両と同様の扉に変更された。車内の袖仕切りも8211F・8219Fで採用されたポールと仕切り板の組み合わせからポールのみのタイプに変更されている。 2007年5月(4月竣功)には8523Fがリニューアルを受け、タイプIの3両も含めて直通特急対応改造がなされ、8000系は全編成が直通特急対応となった。ただし、8523Fは山陽電気鉄道側で車両限界に抵触することから、2020年1月31日まで須磨浦公園以西には入線していなかった。8502は化粧板を客室のみ白系とし、乗務員室は緑系のままとされ、乗務員室の仕切り窓の形状が運転席後ろと仕切り扉のみタイプII以降と同様になり、助手席側の窓は変更されていない。また、仕切り扉の幅は縮小され、中央よりも若干助手席側にずれて配置されている。妻面の貫通扉の窓は、タイプⅠのみ窓が小さいタイプで、タイプII以降は大きいタイプになっているが、リニューアル後も窓の大きさは変わらず、化粧板の変更のみとなっている。 8523F以降は1000系の増備、9000系の近鉄直通対応工事などにより8000系のリニューアルは中断していたが、2009年10月に8229Fが、2011年3月に8227Fが、同年9月に8231Fがそれぞれ施工された。8231F以降は当時の新造車である1000系に準じた工事内容となり、前面・側面の行先表示器がフルカラーLED式になったほか、扉開閉予告灯と盲導鈴も設置、前面の標識灯・尾灯がLEDの1灯タイプに変更されている。これにより、タイプI〜IIIまでの10編成はすべてリニューアルを終えた。 2012年4月、8233FがタイプIVの編成で初めてリニューアル工事を受けた。外観・装備の変更点は8231Fと同様ながら、全車がロングシートのままで、座席のクロスシート化は行われていない。リニューアルに伴い、LED車内案内表示器が新品に交換され、やや表示部が小さくなっている。8233Fに次いで同年10月に8235Fが、2013年4月に8237Fが、同年9月に8243Fが、それぞれリニューアル工事を受けて運用に復帰しているが、8233F同様に全車ロングシートのままとされている。 2014年3月にリニューアルを受けた8245Fからは、補助電源のSIVがGTOからIGBTの新品に交換されている。また、同年9月に8247Fが、2015年5月に8249Fが、同年7月に8241Fが同じ内容でリニューアルを受けた。2015年3月に8241Fが入場し、同年4月時点で8239Fが最後の原色車かつ車椅子スペース未搭載編成となったが、この8239Fも同年5月に入場・リニューアルされ10月に運用復帰した。 8239Fの出場により、8000系のリニューアルが完了するとともに、急行系車両伝統の「赤胴車」塗装は武庫川線を除いて消滅した。また、これによって阪神が所有する編成単位の車椅子スペース設置率100%が達成された。
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