緑茶の製法とは? わかりやすく解説

緑茶の製法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 17:43 UTC 版)

緑茶」の記事における「緑茶の製法」の解説

日本式緑茶製造は以下の工程からなる摘採蒸し ⇒ 粗揉 ⇒ 揉捻 ⇒ 中揉 ⇒ 精捻 ⇒ 乾燥選別整形火入れ合組簡単に言うと、収穫した茶葉蒸して揉み潰し茶葉の型を整えつつ乾燥する、という工程並びになる。摘採から乾燥までの工程荒茶工程選別整形から合組みまでの工程仕上げ工程という。中国緑茶製造工程は、収穫され茶葉加熱処理加え揉捻乾燥するという基本的な原理同じだが、主流となっている方法がやや異なる。 緑茶使われるチャノキ小葉灌木中国種が主である。碾茶かぶせ茶のように特別な管理のもとにチャノキ育成する茶園存在する日本では5月上旬一番茶茶摘みが行われ、八十八夜過ぎた頃に最盛期となる。一番茶その後二番茶三番茶比べカテキン、テアニン豊富なため滋味強く最上級用いられる中国では清明節前に収穫され明前茶呼び、高級品に格付けされるまた、緑茶格付け心芽ミル)が多く含まれるほど高級とされ、茶摘みの際に心芽から下のを何摘み取るかによって等級が決まる。日本では一般的に一心二葉最高級一心三葉は準高級品とされている。中国では心芽しか使わない一心摘みや一一葉最高級クラスとして流通している。 収穫され茶葉荒茶工場輸送される日本では生葉乾燥しないように一旦冷蔵保管するが、中国では香り立てるために室内冷却しつつ一定間隔撹拌し、茶葉萎れさせる萎凋呼ばれる作業施される酵素による酸化発酵極力抑えた物を不発酵茶というが、この加熱処理一般に殺青さっせい、シャーチン、shāqīng)と呼ぶ。日本では発酵止めるため上記のように蒸熱加える。普通の蒸し場合100蒸気30秒ほど蒸し上げるが、蒸気当てる時間短ければ香気強く茶葉の形が崩れないとなり、長ければ青臭さ取れ、濃い水色をもつ円やかとなる。前者を浅蒸し後者深蒸し茶といい、製品特性合わせて選択される。なお、中国緑茶で蒸青(ゼンチン)を行っている例としては湖北省玉泉寺仙人掌著名である。 中国での殺青は釜炒り(炒青、サーチン)を行うのが主流であり、炒青し茶葉揉捻乾燥し完成させたものを「炒青緑」という。他の方法として茶葉を火で焙ることで殺青する烘青(ホンチン)で一旦荒茶作り最終工程で炒青する「烘青緑」や、などもある。なお、日本国内でも佐賀県嬉野茶うれしのちゃ)や宮崎県熊本県県境付近青柳あおやぎちゃ)の様に炒り製法取っているものがある。 殺青終えた茶葉揉捻に入る。揉捻目的茶葉細胞組織破壊し浸出良くすることと、茶葉形を整えることである。日本荒茶工場では、揉捻熱風乾燥させつつ強い力粗く揉む粗揉、水分量を均一する揉捻、再び温風通しながら揉む中揉、熱と力に形を整える精捻から成る。なお、揉捻作業昔ながらの手作業で行う手揉み茶呼ばれている。揉捻終えた茶葉乾燥機水分量が7 - 8パーセントになるまで乾燥させ、茶葉均一に混ぜ合わせて荒茶完成する。この時点消費されるもあるが、概ね次の仕上げ工程送られ仕上げ茶として製品化される。 中国緑茶日本玉緑茶などの釜炒り茶は、揉捻を行うことで独特な成形同時に行われるが、高級な中国茶茶葉の形を維持することが求められるため、ピロチュンのようなミルの多い高級緑茶には強い揉捻行われない乾燥工程では、方法によって前述の炒青緑・烘青緑として完成となるものと、黒茶用の粗成などの晒青緑3種類に大別される中国では次工程加工される前の荒茶を毛(マオチャ)という。 日本茶仕上げ工程では、まず各所から集められ不揃いな荒茶篩い分け裁断して形を整える次に熱風遠赤外線などで乾燥させ、緑茶香り立たせる火入れが行われる。火入れの後になどの煎茶使い得ない部分取り除かれ茎茶粉茶芽茶などに選別される。火入れ終わった製品の品質一定に保つためにブレンド合組み)が行われ、仕上げ茶完成する

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