経営改善計画の展開
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平成5年2月新生北陸窯業中期経営改善計画が策定され基本方針として「衛生陶器事業をメイン事業とし黒字体質への早期変革を図るものとともに新分野事業の充実により企業経営の安定を図る」この中期経営改善計画の骨子は、生産性50%向上による黒字への脱却と定着であり、経営目標として平成5年赤字幅の縮小、平成6年黒字転換、平成7年度において黒字定着をめざしたものであり、具体的には年度方針設定書により重点課題の方策展開が策定され、計画、実績、評価がシステム化されたプロセス重視により歩留まり、生産性の向上、合理化、拡販等が協力に推進された。1.歩留まりと品質の向上新設備導入立ち上がりで悪化していた歩留まりも平成4年度で70%ラインまで回復してきたが採算歩留まりにはまだほど遠く、この改善が即収支に大きく影響を及ぼすことから・原料(泥漿、釉薬)の革新と型の改良安定・素地乾燥条件の改良・作業の標準化と技能向上・外観品質寸法精度の向上等により歩留まり目標を平成5年80%、平成6年85%、平成7年度90%を目指した。2.生産性の向上・成形、焼成のサイクルアップ・バッテリー鋳込の導入・型の標準化とフレキシブル生産対応・自動鋳込機の開発等の生産性の向上に対応した結果、生産性は平成5年115%、平成6年130%、平成7年160%と上昇した。更に、平成7年5月生産性アップとコストダウンに対応して、ドイツ、ネッチー社製高圧成形機1基を導入、早期稼働により、洗面ボールの増産を図った。3.高付加価値商品の造出販売の拡大とシェアアップを図る為・親会社向け商品の造出・大手住器メーカー、住宅会社向け商品の造出親会社向け商品として、高級便器、サイホンジェット、センサーストール、トイレ用手洗いボール等が造出納入されこの内、サイホンゼット便器を除く商品が、グットデザイン賞の栄に輝いた。4.販売の拡大・親会社納入比率の拡大・住宅会社の攻略親会社納入比率の拡大については、洗面ボウルの納入量の拡大をはじめセンサーストール、トイレ用手洗、洗面化粧台の組み立て等のセット化の増加により、平成7年度には、売上高の大半を占めるに至った。住宅会社攻略については、年度計画により目標を定め、価格メリットを活かした直納方式を戦略として開発に努めた結果、大手住宅会社をはじめ多数の地場住宅会社との新規取引に成功し販売拡大に貢献した。地元開発については、過去においては衛生陶器メーカーとしてのイメージが低く販売高も低調であったが、地元に密着、愛される企業を目指して品質の向上、品揃え、デリバリー等、地元の有利性を活かした開発を展開した結果、地元鯖江市では、ラポーゼ河田の宿泊設備、市営住宅定次団地、織田町織田小学校、町営体育館、県営設備として鯖江青年の家宿泊設備、県営住宅の一部等に採用され、これまで公共施設等に対する納入が皆無であったものに実績ができたこと、又、地元住宅会社によるマンション、アパート等の納入が増加してきたことにより地元売上高は次第に拡大していった。 かつては屋根瓦の生産などを行なっており、1948年(昭和23年)には製瓦業で初めてトンネル窯を導入して釉薬瓦の大量生産を実現している。1989年(平成元年)に松下電工(後のパナソニック電工→パナソニック)からの出資を受けて松下電工グループに属し、「Hokuyo」オリジナルブランドで便器や洗面化粧台などの衛生陶器を販売していたが2003年(平成15年)5月8日付で解散した。
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