系譜をめぐる異説とは? わかりやすく解説

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系譜をめぐる異説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 08:53 UTC 版)

宮崎太郎」の記事における「系譜をめぐる異説」の解説

既述通り宮崎太郎長康は義仲敗死後に信濃国伊那郡逃れ、その地で亡くなったとするのが定説で、富山県朝日町昭和59年1984年)に編纂した朝日町歴史編によれば発祥の地ある朝日町や嫡子とされる入善小太郎為直ゆかりの入善町にも「その実名を留めていないのみならず墓碑・供養塔存在せず一族・縁者末裔伝える家もない」という。その一方で承久3年1221年)の承久の乱では北陸道経由して京をめざす北条朝時率い幕府軍越後越中の国境で迎え撃った宮崎左衛門尉定範という武将がいたことが『吾妻鏡』承久記』『鎌倉北条九代記』などに記されている。 去ほどにしきぶのぜうとも時は、五月卅日えちごのこうに付てせいぞろへして、ゑちご・ゑつ中のさかいなるかんばらといふ所に付給ふこの所こそ北ろく道第一のなんじよ、一はうはきしたかふして、人馬さらにとをらず。一方あらいそにて風はげしければ、船心まかせず。岸にそふたるほそみちは、わづかに馬一きとをりかぬるみちなり。市降・じやうどゝいふ所に、京がたよりさかも木を引て、みやざきさゑもん一千よきにてかためたり。うへの山にはいしゆみはりたて、かたきよせばはづしかけんとよういしたり。人々いかにとあんじける所に、しきぶのぜうのはかりごとに、いくらもありける牛をとらへて、角にたいゆいつけをひはなしたりければ、うし、たいおそれてはしりとをる所を上の山よりすはやかたきのよせくるはとて、いくばくいしゆみを、一度にはつとはなしかけたりければ、おほくのうしどもころされけり。此はかりごとによて、兵どもいしゆみのなんをばのがれたり。さかも木どもをば、あしがるを入て取のけさせとをりけるほどに、六月八日のくれほどに、はんにやのにつき給ふ。 —作者未詳、『承久ものがたり巻第三 この宮崎左衛門尉定範について『朝日町歴史編』では「長康家が木曽義仲根拠地である信濃移ってから朝日町では宮崎村定範家が有力者となっていた」として、長康家とは別流としている。その一方で越中武士団 宮崎太郎長康・宮崎党「その時代と歴史」』では「長野県篠ノ井長谷寺過去帳宮崎源家位牌宮崎隆造とその家系図」として初代宮崎城主を「宮崎太郎重頼」とする家系図紹介しており、その第2代入善小太郎重房第3代を宮崎定範としている。また宮崎文庫記念館・尊史庵でも「尊史庵(宮崎文庫由緒」として「宮崎城宮崎太郎重頼(当宮崎家始祖)」としており、宮崎太郎長康と宮崎太郎重頼を同一人物見なすならば、宮崎党は義仲敗死後も越中宮崎留まり承久の乱には朝廷軍一員として参陣。この戦い敗れた後、宮崎離れたという解釈成り立つ。ただし、宮崎太郎長康を初代宮崎城主とする信州伊那宮崎家系譜」との整合性など、検討すべき課題は多い。 なお、『朝日町歴史編』が『南信伊那史料』などを元に描き出す信州伊那宮崎家系譜華麗とも峻烈とも呼び得るもので、初代長康の代に源平合戦戦ったのを手始め7代三郎太夫の代に至って時の執権北条高時催促により六波羅に参陣し元弘の乱)、光厳天皇護衛して戦うも敗れて近江国馬場宿・米山一向堂で自害。さらに17代輝康の代には河内国烏帽子形を領していたとされるものの三好の変(永禄の変)で戦死、ここで長康家は断絶。その一方で16代右馬允の次男八郎分家して忠房を名乗り武田勝頼臣従長篠の戦い弾丸に当り座光寺宮崎の館で保養務めるもほどなく戦病死保養中、勝頼は宮崎の館に立ち寄り駿という名馬賞与したという。さらに忠房家3代目当る泰景は徳川家康仕え従五位下筑後守叙せられ秀忠から「秀」の字を賜り諱を忠政と改めたという。こうした赫々たる履歴がすべて事実とするならば、宮崎家源家北条家武田家徳川家という日本代表する名家仕え源平合戦元弘の乱永禄の変長篠の戦いという日本史彩る合戦戦ってきたことになる。その信憑性めぐっては、他の史料によって裏付けられ部分認められるものの、『朝日町歴史編』が典拠とした『南信伊那史料』では初代長康について「同氏日向国宮崎氏ヲ興シ後備中国ニ移リ源平蜂起ノ乱ニ木曾義仲ニ属シ」とするなど、史実齟齬来す内容含まれており、慎重な検討求められる

※この「系譜をめぐる異説」の解説は、「宮崎太郎」の解説の一部です。
「系譜をめぐる異説」を含む「宮崎太郎」の記事については、「宮崎太郎」の概要を参照ください。

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