第5次合併(昭和の大合併)
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「高松市の歴史」の記事における「第5次合併(昭和の大合併)」の解説
1945年(昭和20年)7月4日の高松空襲では市街地の約80%が消失。高松市は戦災復興計画を立てるが、戦災後10年間の市街地の急発展は市民の生活圏を高松市の行政圏外へ追いやり、市は市勢の急激な伸びに追いついていない市域の壁を感じていた。復興計画を円滑に進めるには周辺町村の合併が必要不可欠であった。世論においても、合理的な市政の運営と市民生活のゆとりを図るため周辺町村を合併する必要があると認識されて始めていた。また当時高松市は四国の玄関口として特殊な立地条件にあるが、人口は15万人にも満たず、四国の主要都市の中で人口、面積共に最下位であった。前回の合併からも15年近くが経っていたため、この際周辺町村を合併して市域を広げ、名実ともに「四国の玄関」としての高松市を建設するという知識層の思惑などもあったが、それまで合併が実現することは無かった。 しかし1953年(昭和28年)9月1日に公布された市町村合併促進法(いわゆる昭和の大合併)はそれまでの合併構想について公にしてこなかった市の合併への有力な足がかりとなり、1954年(昭和29年)1月9日に高松市役所で開かれた高松地区伝染病院組合協議会の席上、当時の高松市長、國東照太は初めてこの合併問題について言及した。それから高松市を取り巻く周辺町村の協議が行われ、合併促進法や世論の動きなどからこの合併は時間の問題であると思われ始めていた。 その後高松市議会は改選され、改選後の市議会は國東の合併議案の再提案を審議し、独立機関である行政調査特別委員会を設置、合併構想を計画し、先進都市の視察や、世論調査などから合併が適切であるとの結論に達した。そうして合併案は急速に前進し、1956年(昭和31年)4月18日には合併に関する協定事項の成案が決められた。その後も市は関係町村との協議を重ねた結果、1956年(昭和31年)7月28日に前田村、川添村、林村、三谷村と、8月31日までには15町村全ての合併調印を終えた。9月7日には高松市と15町村がそれぞれ一斉に議会を招集し、以って合併認可までの全ての手続きを終了した。 当時のこの合併議案の採決を行った関係1市15町村の議会議長高松市議会:水野員能 円座村議会:北川朋一 前田村議会:佐藤英夫 檀紙村議会:西井茂一 川添村議会:神内次三郎 川岡村議会:三次義雄 林村議会:大西寅太郎 弦打村議会:吉田繁秋 三谷村議会:日下栄太郎 上笠居村議会:秋山富三郎 多肥村議会:安部金助 香西町議会:谷本好太郎 仏生山町議会:山本謙三 下笠居村議会:福家栄松 一宮村議会:中原伊八 雌雄島村議会:浜口藤市 高松市と関係15町村の合併申請は県、県議会を経て、自治庁の認可を受け、その法的手続きを終えた日から起算して23日目の1956年(昭和31年)9月30日、1市15町村からなる高松市の昭和の大合併が実現した。 15町村の編入という合併は他に類を見ない非常に大規模なものであり、現在に至るまで中国・四国地方ではこの3年前に合併した鳥取市の例しか存在しない。 この合併の際、前回の第4次合併で廃止された各旧町村とともに旧町村域をもってそれぞれ高松市の出先機関である出張所が設置され、またそれぞれ高松市の地区として一般にも認識されるようになった。 1960年代には昭和の大合併で編入された地域の多くで旧町村から引き継がれた中学校が新設統合されたが、校舎建設が間に合わず、1年ほどは前身の中学校を新設校の教場としていた。 旧町村の地域には以下の町名が設定された。 旧前田村地区(3町) 前田東町、前田西町、亀田町 旧川添村地区(3町) 元山町、東山崎町、下田井町 旧林村地区(3町) 林町、上林町、六条町 旧三谷村地区(1町) 三谷町 旧多肥村地区(2町) 多肥上町、多肥下町 旧仏生山町地区(2町) 仏生山町、出作町 旧一宮村地区(4町) 一宮町、三名町、鹿角町、成合町 旧円座村地区(2町) 円座町、西山崎町 旧檀紙村地区(3町) 檀紙町、御厩町、中間町 旧川岡村地区(2町) 岡本町、川部町 旧弦打村地区(3町) 飯田町、鶴市町、郷東町 旧上笠居村地区(1町) 鬼無町 旧香西町地区(5町) 香西本町、香西東町、香西南町、香西西町、香西北町 旧下笠居村地区(5町) 中山町、植松町、生島町、神在川窪町、亀水町 旧雌雄島村地区(2町) 女木町、男木町 第5次合併当時の面積と人口自治体名人口(人)世帯数(世帯)面積(km2)人口密度(人/km2)首長木田郡前田村4,004 768 6.00 667.3 木村文士 川添村3,899 749 4.49 868.4 新田義雄 林村3,652 698 5.58 654.5 宮井政雄 三谷村3,185 597 8.53 373.4 河野平一 香川郡多肥村3,238 615 3.96 817.7 福田専一 仏生山町5,738 1,222 2.95 1,945.1 松下新太郎 一宮村5,891 1,140 6.41 919.0 中西信男 円座村4,549 886 5.00 910.0 高木藤太郎 檀紙村5,512 1,040 7.74 712.1 田山数一 川岡村3,775 724 5.40 699.1 堀川忠一郎 弦打村4,550 916 6.99 651.0 梶清 上笠居村4,889 949 6.83 715.8 神高恒雄 香西町6,161 1,257 3.99 1,544.1 本田忠雄 下笠居村6,568 1,227 18.74 350.5 高橋豊 雌雄島村2,026 438 3.93 515.5 藤本真照 15町村合計67,677 13,244 96.54 701.0 - 高松市147,282 34,884 53.70 2,742.7 國東照太 新高松市214,959 48,128 150.24 1,610.5 國東照太 ※海面の埋立造成や香川郡一宮村大字鹿角地区の一部の編入によって、前回の第四次合併以降から今回の合併にかけての高松市においての面積は0.68km2増加し53.70km2となっている。
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